2013年 6月までの新作紹介〜その3 C残り+D、E

すんません、ブックマークつけるの大変なので、ずりずりと下にバーを下げてご覧ください

DYNAHEAD "CHRDATA I" − プログレとスラッシュのちゃんこ鍋、とてつもなくおいしい ★おすすめ★

EXARSIS "THE BRUTAL STATE" − アホメタルの穴場ギリシャからの全人類必聴バンド
 ★おすすめ★

CRITICAL SOLUTION "EVIL NEVER DIES" − ジェームスフリークノルウェー1? 

DAGOBA "POST MORTEM NIHIL EST" − 成長しましたね〜

DAN REED "SIGNAL FIRE" − BON JOVI級名作でありました 
★おすすめ★

DANGER ANGEL "REVOLUTIA" − 正統派こそ一番強いというアピールの大傑作 
★おすすめ★

DANTE "NOVEMBER RED" − 真面目な真面目なプログレッシブメタル

DARK SEASON "IN TONGUES" − 若いねんからもっと冒険せーよ

DARKTRANCE "PESSIMUM" − ウクライナの陰々滅々ブラックメタル

DARKTHRONE "THE UNDERGROUND RESISTANCE" − もはやブラックメタル色は薄れたが、しかしアルバムタイトルはまったく正しい

DARK TRANQUILLITY "CONSTRUCT" − 名作メーカーぶりは変わらず、北欧の帝王 
★おすすめ★

DAVE EVANS & NITZINGER − AC/DC初代ボーカリスト


DEATH WOLF "II - BLACK ARMOURED DEATH" − ホラー・ハードコア・スラッシュメタル

DEATHCHAIN "RITUAL DEATH METAL" − 清く正しいデスラッシュ、安心納得信頼の音

DEEP PURPLE "NOW WHAT ?!" − 70歳手前の音? 今になって元気もりもり ★おすすめ★

DEGREED "WE DN'T BELONG" − パンチ力キック力の素晴らしいポップメタル

DENDERA "THE KILLING FLOOR" − 今の時代珍しい、リアルにレトロな80年代マイナーメタルの傑作 
★おすすめ★

DERDIAN "LIMBO" − まだまだいるなあイタリアには!

DEVIL TO PAY "FATE IS YOUR MUSE" − ストーナーのスタンダード

DGM "MOMENTUM" − 2013年ベスト3候補、どこから見ても強すぎる音 
★おすすめ★

DIAMOND DAWN "OVERDRIVE" − 早く人間になりたい(私の話)

DOOGIE WHITE & LA PAZ "DARK & WHITE LIGHT" − なんちゅう働き者。グレン・ヒューズみたいなメジャーハードロック、めちゃくちゃ高品質です

DORMANT ORDEAL "IT RAINS, IT OURS" − VADER風デスメタル、ポーランドのバンド

DREAM DEATH "SOMNIUM EXCESSUM" − 歴史発のドゥームバンドと呼ぶ人もいるが、真偽はいかに?

DREAMSHADE "THE GIFT OF LIFE" − スイスからの爆音野郎、でもGURDとかの影響を受けておらねば駄目じゃないか。

DREAM TALE "WORLD CHANGED FOREVER" − まったくマイペースの6作目

ECLIPSE PROPHECY "DAYS OF JUDGEMENT" − 真面目な正統派パワーメタル、真面目ならではの良さももちろんある

EDGE OF ATTACK "same" − 同じく真面目な音ながら、こっちはかなり筋者

EGONAUT "MOUNT EGONAUT" − ストーナーサウンドの新しい形! 
★おすすめ★

EGYPT "BECOME THE SUN" − 脳内世界旅行が好きなバンド

EMERGENCY GATE "YOU" − ドイツ産でありながら完全に北欧メロディック 
★おすすめ★

ENCIRLCE "INTP THE DREAMSTATE" − 独りプログレッシブ、音は一流品とは、何というミュージシャンだ

ENDLESS "HUMAN INTOXICATION" − その名前のとおりいつまでもやってなさい

ENFORCER "DEATH BY FIRE" − おっさんメタラー大泣き、むちゃくちゃ活きのいい80年代マイナーパワーメタル再現 
★おすすめ★

ENSHINE "ORIGIN" − フィンランド産メランコリック+SAMAEL風ブラックメタルという不思議な音

EORONT "NEVERENDING JOURNEY" − ロシア発独りブラック。なかなか壮大な音である

EPICRENEL "THE CRYSTAL THRONE" − フィンランドの中堅どころが集まったメロディアス突進スタイル、海の者も山の者もみんな寄っといで

ETERNAL LEGACY "SEEKING NO PEACE" − ドアホメタルのど根性メタル、これもリアルに80年代風

ETERNAL TEARS OF SORROW "SIVON LAPSI" − フィンランド産安心のブランド、前作同様、走る曲がすごい 
★おすすめ★

EVILE "SKULL" − スラッシュメタラーのドリームワールド
 ★おすすめ★


DAVID BOWIE "THE NEXT DAY" − 80年代の名作以来の音壁感覚 ★おすすめ★

DAYS BETWEEN STATIONS "IN EXTREMIS" − タコタコプログレ
 

DROPKICK MURPHYS "SIGNED AND SEALED IN BLOOD" − ずっと変わらないでいておくれ

 

DYNAHEAD
"CHORDATA I"



ブラジル
08年デビュー
3作目
http://www.dynahead.com.br/
you tube
http://www.youtube.com/DynaTV
 8月に日本盤が出るそうな。
 3作目で私は初めてこのバンドを聞いたが、まあ、なんじゃこれ、と思わず口走ってしまったくらい面白い音である。最近ジャケットから音が全然想像できないアルバムが多い気がするが、このジャケットで想像できる音があったら教えてもらいたい。
 とにかく、スラッシュメタルが基本なのかプログレメタルが基本なのか、両方が全開で、そこにブラジルらしい熱泥感覚も満載である。何でもありすぎるこの時代、こっちは個性を第一に音楽を聞いているつもりはまったくないが、それでもこのオリジナリティーには唖然とする。
 わけわからんわ、と言いたくなるのは山々、しかし投げ出したくはならないどころか、これが必ず癖になるという吸引力こそメタルの醍醐味かと。学術用語まで出して高学歴に逃げ込むしかないような、特に日本の評論家泣かせの音だろう。難しい言葉に囚われて音楽が見えなければ本末転倒。これはスラッシュメタルとプログレメタルのちゃんこ鍋である。★5つ、100点満点の名作。ファーストもセカンドも是非聞きたい。
 ブラジルにアルゼンチン、南米はこういうあり得なく素晴らしい音が生息しているから要注意である。

 

EXARSIS
"THE BRUTAL STATE"



ギリシャ
11年デビュー
2作目
https://myspace.com/exarsis
you tube
http://www.youtube.com/user/Exarsis
 ギリシアで一番勢いのあるスラッシュバンド、SUICIDAL ANGELSのギタリストがまだまだスラッシュメタルスピリッツ御開帳のバンド。これがもう、アホメタル世界一、ギリシャの伝説、あのFLAMESを彷彿とさせる底抜けのアホ加減で、こんな代物、私個人の趣味で躊躇なく名作マークである。
 オープニングのインストでアコースティックを奏でるなど猪口才なことをしているが、本編が始まればもう、悶絶も悶絶、私は40秒ほど床の上を転げ回っていた。幽霊と鉢合わせして逃げる最中コンロに激突、尻に火がついて20年来の腰痛が治ってしまったバアさんのようなボーカル(聞けばわかる)。加えてやたら飛び出すコーラスはマリーン海兵部隊の演習中の掛け声(ホントに聞けばわかる)。
 ↑こういうジャケットの、クサレ狙いのバンドのすべてに、この音は勝ってますね。もう笑けて笑けて仕方がない。ふざけとんのかとも言いたくなるが、バッティングセンターの投球マシーン5台が狂ったように自分に向かって球を打ち出してくるような勢いに、感想を言う暇もなければ評価を垂れる隙もない。2013年スラッシュメタルベストアルバム。EVILEを軽く打ち負かしている。

 

CRITICAL SOLUTION
"EVIL NEVER DIES"


ノルウェー
デビューアルバム
http://www.myspace.com/csolution
you tube
http://www.youtube.com/results?search_query=critical+solution
 80年代くされスラッシュみたいなジャケットながら、よく見ればかなりかっちりしたデザインであり、一味違うアホを期待させ、そしてしっかり期待に応えてくれるアホ万歳スラッシュサウンドである。ボーカルのジェームズ熱(メタリカ)がすごい。
 尻が出ているのにも構わず、全曲とにかく狂ったように走るアルバムでも良かったものを、さにあらず、疾走にも緩急があり、PARADOXみたいな技を使う。若いくせになんというバンドだ。
 ギターリフの音にあまり層の厚さがなく、そこも狙ってのことだろうが、ギターリフがもっと重くなれば(音質的に、だけの話)もっと凄いインパクトがあると思う。

 

DAGOBA
"POST MORTEM NIHIL EST"


フランス
03年デビュー
5作目
https://myspace.com/dagoba
you tube
http://www.youtube.com/results?search_query=dagoba+post
 ダゴバ星といえばスターウォーズである。ヨーダがルーク・スカイウォーカーに修行を施した星である。
 それがどうした。
 というくらい、しょうむないバンドだったと思う。何枚か前のアルバムを聞いたことがある。
 ジャケットがめっちゃクールであるが、音もまたクールである。今風スラッシュメタル+アメリカントレンドの雰囲気あり、と、よくある音なのだが、よくあるジャンルだからこそ曲が大きくモノを言うのであって、メロディーもまずまず、スケール感のある音を出し、フットワークも軽い。
 06年のセカンドアルバムを今聞いたら、なんだこれ、FEAR FACTORYが腐ったみたいな、へんな音である。ではこのブラストビートは機械が出しているのか、というとそうでもなく、ちゃんとドラマーが正式メンバーとして在籍している。プログラミングとも書かれておらずDJ何とかという名前でもなく、しっかりdrumsとしてのメンバー表記がある。だったらこいつはジーン・ホグランみたいな奴である。1980年生まれ、Franky Costanzarという面構えの実に素晴らしい奴である。
 ドラマーも素晴らしいが、一番素晴らしいのは音、全体像である。FEAR FACTORYがついに人間の肉体を手に入れたような雰囲気。ただし決して普通の人間ではない。

 

DAN REED
"SIGNAL FIRE"


アメリカ
88年DAN REED NETWORKでデビュー、ソロ4作目
http://www.danreed.com/
you tube
http://www.youtube.com/results?search_query=dan+reed+signal+fire
 生きてはったんですね〜〜。
 今の音はDAN REED NETWORKみたいなチャカポコファンキーロックではなく、近年のBON JOVIにも似た大らかなアメリカンロックである。メロディアスと誰が強調するまでもなくメロディーが素晴らしいヒューマンスペシャルであり、YOU TUBEにはないが、3曲目の"Sing to Me"に心が洗われる。これが今のこの人の歌なんやなぁ〜。ギターの音などあくまでソフトであるが、普通のハードロックアルバム聞くくらいならこっちのほうがよっぽど心の栄養になる。巷のメロディアスハードなどとは、人間味の度合いが違う。
 誤解のないように言っときますけどね、私は激しいメタルが大好きだからメロディアスハードを常々馬鹿にしているのではない。メロディアスハードやAORスタイルを軽く上回るメロディアスハード作品、AOR作品をこうして、然るべきミュージシャンがしっかりと出しているからである。ある趣味の人にだけ目立つ服を着ている音とは次元が違う。
 繰り返すが、そんなに売れてなくても、まだ活躍中であることを昔からのロックファンが知らなくても、今のこの音はBON JOVIと並んでいる。名作!

 

DANGER ANGEL
"REVOLUTIA"


ギリシャ
10年デビュー
2作目
http://dangerangelband.com/
you tube
http://www.youtube.com/results?search_query=danger+angel+revolutia
 メロディアスハードの類いに入る音なんだろうが、これが素晴らしい。ジェフ・スコット・ソートーによるプロデュース。軽いR&Rバンドみたいなジャケットも音とは全然印象が違う。本当にジェフ・スコット・ソートーが魂こめて歌っていそうな曲ばかりである。大人専用の音ではないところが良い。90年代、同じギリシャにSPITFIREというバンドがいた。あのバンドもここまで素晴らしい音は出していなかったが、メタルバンドの数がかなり限られていた80年代、いてもアホみたいなメタルバンドばかり(FLAMESとか)、そんな状況でSPITFIREみたいな正統派メタルバンドがいたということで、欧米のメジャーメタルもしっかりファンに認知されていたのだ。と思う。そういったグリーク・メジャーメタルの願いのようなバンドがこのバンドであり、このアルバムである。私が真面目なことを言うとふざけていると思われるが、このアルバムは本当に素直に感動した。音がいちいち太い。蹴り技がすごく効く。ジェフ・スコットのアルバムもこんな良かったっけ?

 

DANTE
"NOVEMBER RED"

ドイツ
07年デビュー
3作目
http://www.danteband.de/
you tube
http://www.youtube.com/user/danteprog
 何とも真正面からプログレッシブメタルであるが、しっかりメタルの部分に気迫を込めているバンドであり、日ごろ、大層アホなスラッシュなどを聞いている私は耳を掃除してもらっているような気分になる。メロディアス「ハード」、プログレッシブ「メタル」、基本の部分は80年代から世界中に存在していたものであり、ハードにもメタルにも気を配るバンドでなければ結局のところ長続きしない。
 プログレは必ず誰かが大大絶賛する。しかし絶賛と人気は別物であるということを90年代、2000年代メタルからわしらは学んだ。このバンドの音、スタイルは決して目新しいものではないが、しっかりと地面に足がついた真面目な音である。ゴリゴリの曲もあるが、それでも真面目な音である。

 

DARK SERMON
"IN TONGUES"

アメリカ
デビューアルバム
you tube
http://www.youtube.com/DarkSermonTV
 私はこうして、レイアウトからしていかにも時代遅れのサイトをこうして作っているが、このサイトを立ち上げた2000年だったか2001年だったか、そのころは、有名なバンドのホームページもこんなもんだった。いつの間にかFLASHが普通に使えるようになって、すごく豪華になって、ウチのおんぼろパソコンだったら画面が止まってしまうようなのがいっぱい出てきて、それで、近年は廃れてしまった。
 新人バンドのホームページは大体が、うっとうしい、なかなか映らんわ音は途切れるわ、あのMYSPACEである。
 しかしこのバンドみたいに、オフィシャルyou tubeだけでいい(、、、どうせタダのはずだ)というバンドもこれから増えていくんだろう。you tubeがあればホームページなんか要らん、それもわかる。しかしなんか、寂しい。
 と言っている間にそこそこ字が埋まった。どういう音か、って? いや、最近一番多そうな、今風デスメタルです。ジャケットからもっと邪悪で黒々とした音を想像したが、まったくの今風です。ごくろうさん。筋肉痛に気をつけろよ。

 

DARKTHRONE
"THE UNDERGROUND RESISTANCE"


ノルウェー
91年デビュー
16(!)作目
http://www.darkthrone.no/
you tube
http://www.youtube.com/results?search_query=darkthrone+the+underground+resistance
 ノルウェー・ブラックメタルの大御所である、ということを音はあまりもう語っていない。2人編成のプロジェクトみたいになっているが、フィル・アンセルモたちアメリカのど阿呆ブラックメタラーたちとも親交の深いFenriz卿が、もはや好き放題遊び倒しているような音になっている。
 ただしあくまでダークな色合いで、何をどう間違えてもネアカのメタルなどやったりするわけがない。マニアは初期のあの黒々とした死霊のはらわたサウンドを今でも期待していると思うが、今の音は今の音で結構魅力的である。寝呆けていても、巷のブラックメタル、スラッシュメタルを蹴散らすパワーをしっかりこうして感じさせるところが凄い。進化したブラックメタルとは思わないが、それでもメタル界隈をしっかり歩いているブラックメタルである。遠巻きにして見ている分には面白いが、あんまり近づきたくはない。

 

DARKTRANCE
"PESSIMUM"

ウクライナ
08年デビュー
3作目
https://myspace.com/darktranceband
you tube
http://www.youtube.com/results?search_query=dark+trance+pessimum
 暗いやら憂鬱なんてもんじゃない、ウクライナには絶望的な世界を歌うバンドばかりという印象があるが(DRUDKHとかHATE FORESTとかNOKTURNAL MORTUMとか)、このバンドも正しくウクライナ・ブラックメタルの仲間入りである。ロシアのブラックメタルはNational Socialist、NSスタイルが多いらしく、歌詞もロシア語も読んでなかったもんで音だけを純に捉えて素晴らしいと言ってみたりして、私は私よりももっと賢い人に頭がおかしいと言われたことがあるが、このバンドもひょっとしたらそうかもしれない。
 陰々滅々な世界ではあるが、このアルバムの音は結構激しい。ミドルテンポの曲ばかりだが、ギターが何層もありそうな分厚い音である。コンセプトなど知らない。ただ音としては、ブラックメタルとして優秀な部類に入る。バンド名から、猪口才な電子音が入ってそうなアルバムだが、全然そうではない。

 

DARK TRANQUILLITY
"CONSTRUCT"


スウェーデン
93年デビュー
10作目(ライブ盤除けて)
http://www.darktranquillity.com/
you tube
http://www.youtube.com/results?search_query=dark+tranquillity+construct
 オープニング曲が何路線とも言いがたい曲だが、もっと聴かんかいということなのだろう。
 じっと聴いておれば、やはりさすがさすがのDTワールドである。ジャケットがまたかっこよく、こういうアルバムをぽんと置いておくと、不意の来訪者にもアホだと思われたりしない。
 北欧メロデスだの、ダークゴシックだの、もはや路線がどうのこうのまったく言わせない、大御所の音である。
 TRANQUILLITYという不思議な単語を辞書で調べだら(このバンドデビュー時にはまだネット辞書なんてなかった)、静寂、平安、静穏などと書かれていて、どこがやねん、と思ったのが懐かしい。今は単語の意味などいい意味どうでもよく、DARK TRANQUILLITY、ちゃんとL2つ書けまっせ、というくらいのブランド名になった。バンド名がブランドになったあと、大きくこけたバンドもいたりするが、北欧のバンドはそういうことは少ないような気がする。このバンドは、これもいい意味、10年後のアルバムでもきっと同じ音を出しているだろう。メロデスの空気もあればゴシックの空気もあり、スラッシュの空気もあればスピードメタルの空気もある。各曲で色が違うのではなく、全曲、我がキャリアの全ミックスのような音である。2010年代のメタルの空気。それがこのアルバムである。曲ごとに強い弱いがない。全曲馬鹿強い。バンド名がブランドになっているバンドの、堂々たる名作である。

 

DAVE EVANS & NITZINGER
"REVENGE"


オーストラリア
1973年から活動
http://www.daveevansrocks.com/
ウィキペディア(日本語) 
http://ja.wikipedia.org/w/index.php?search=dave+evans
you tube
http://www.youtube.com/results?search_query=dave+evans+and+nitzinger
 デイヴ・エヴァンス、ほぉー、懐かしい、という人はよほどの博士である。
 AC/DCがまだファーストアルバムも出していなかった時期、地元ツアー中、ボーカルがマネージャーと殴り合いになって辞めてしまい、代わりにボーカルになったのが機材運搬車の運転手をしていたボン・スコットだった。という話はファンなら知っている。その、マネージャーと殴り合いをして辞めたボーカリストというのがこの、デイヴ・エヴァンスだった。
 地味ではあるが今までずっと活動を続けている。同じく70年代初期から活動を続けているギタリスト、John Nitzingerとともに制作されたのがこの新作。
 還暦手前のお歳にして、なんという声の若さ。当たり前だろと言われそうだが、AC/DCとは聞く前に想像したほどは似ていない音で、普遍的でスタンダードなハードロックである。歌もギターも、しっかり2013年製の音であり、昔懐かしアイテムになっていない。太さといい瞬発力といい、筋肉の強さが2013年メタルシーンにおいても一切浮いた存在ではない。BUCHCHERRYのお師匠さんみたいな音。

 

DEATH WOLF
"II - BLACK ARMOURED DEATH"

スウェーデン
11年デビュー
2作目
http://www.deathwolf.net/
you tube
http://www.youtube.com/results?search_query=death+wolf+black+armoured+death
 ブラックメタルかと思ったがそうではなく、ホラー・ハードコアパンクともいうのか、そんな音である。EXPLOITEDのホラーパンク時代そっくり、とも言えなくもないが、しかし相当根性が入った音である。メタルファン、特にスラッシュファンにはどこに遠慮する部分があるのだという音。スピードチューンは一軒家破壊級の勢いがある。
 ただしパワフルではあってもTHE EXPLOITEDほどキレのある音ではなく、曲によってはダラダラしている。こういうバンドはあんまり歌詞を聞かせるとか、そういうことをしてはいけない。アホになり切ることである。アホを極めた人間は、天才の努力人間と出で立ちが同じになる。それがメタルの世界である。わかったか?
 と言ったところでボカボカにどつかれそうな気がする。

 

DEATHCHAIN
"RITUAL DEATH METAL"


フィンランド
03年年デビュー
6作目
http://www.deathchain.com/
you tube
http://www.youtube.com/results?search_query=deathchain+ritual

 メンバー写真が清く正しいので、紹介してみた。一番左がいい線突いている。
 後ろに立っている魔人みたいな奴も、バック・ボーカルとして正式メンバーである。きっと木の箱の上にでも乗っているのだろう。
 フィンランドのデスラッシュバンドで、私はデビューアルバムもメタル専門店で買った。初期の音は荒々しくてその分疾走スラッシュとしての魅力が大きかったが、今現在の音はこのスタイルなりに円熟期であり、爆走する装甲戦車の世界である。このジャンルでは音質なんかベストと言えるものである。デスラッシュの最先頭、↑このプロ意識と併せ、メタルの門番に立っていてもらわねばならないバンドのひとつである。私がよく推しているフィンランド産メタルであるが、しっかりとこのジャンルでも世界トップクラスがいるのは当然のことである。

 

DEEP PURPLE
"NOW WHAT ?!"


老齢年金クラス大御所
PURPENDICULARから数えること4作目
http://www.deeppurple.com/
you tube
http://www.youtube.com/results?search_query=deep+purple+now+what
 このアホサイトを再開する直前、このアルバムを聞いた。
 大感激した。この大御所たちが何を今さら、So What ?!ときたもんである。なんぼのもんじゃ。So What。このおじいたちが言って、これだけかっこいいセリフがあるか。
 で、私は、間違えていた。
 これを買っておきながら、タイトルをSo Whatだとずっと思っていた。私のほうこそ頭が老齢年金級だ。Now whatである。なんぼのもんじゃではない。「だからなんやねん」とか、「だったらどうした」という意味である。so whatと意味は似ているが。
 so whatでも良かったと思うが、実はnow what。なんや、こう、急におもろいおじいたちになってしまったではないか。
 しかしまあ、えらくハードロック名アルバムでありますよ。オープニングナンバーこそ老人が出かける前にのそのそ靴下を履いているような曲であるが、2曲目3曲目4曲目と続けて聞いて、敬老精神で聞いてしまってごめんなさい、と謝ってしまった。
 ジョン・ロードはもう鬼籍に入ってしまった。しかし、続くのなら100%この人しかいないという人選でドン・エイリーが加入し、ジョン・ロードに生き写しのキーボードを聞かせてくれている。しかし今の時期になってこの音、そして2か月以上かけて20公演あるヨーロッパツアー、凄いではないか。今回は"BANANA"とか"RAPTUREなんとか"のときとは全然違う。音と勢い、張りが違うのだ。
 とにかく今回は曲が素晴らしい。疾走する曲がないのは当たり前である。そんなものは希望しない。ミドルテンポの王道みたいな曲ばかりであり、音が結構硬いのである。ミドルテンポで柔らかい音だったらそれはAORになってしまう。あくまでこの音は硬くて重い。本当に凄い人たちである。スティーブ・モーズのみ58歳と若い(?!)が、イアン・ギランとロジャー・グローヴァーは共に御年67歳。この勢いならまだまだ引退はない。ただ耳にだけは気をつけてほしいものである。

 

DEGREED
"WE DON'T BELONG"


スウェーデン
11年デビュー
2作目
https://myspace.com/degreedmusic
you tube
http://www.youtube.com/results?search_query=degreed+we+don%27t+belong
 メロディアスハードを名乗るのならこういう音であってほしい、という、頭の固い(わし)メタルマニアも認める音。これなら大枚2500円を払う価値がある。ハードポップ、メロディアスハードと言ってもなかなかここまでの音はないから、実際ハードとポップの、メロディアスとハードのバランスというものは、造る側にとっては難しいことなのかもしれない。
 メロディーが素晴らしいのは言うまでもないが、迫力やらパワーがしっかりと感じられる。重低音の効きも素晴らしい。パンチ、キック力が実際スラッシュメタルと同等のものがある。
 プロデューサーはJポップにも大いに関わっている外人らしい。そういえば最近のJポップも、馬鹿にできたものではないと思う瞬間がある。それはレンタル屋などで体験できる。イントロが結構凄い。迫力あるし、パワーあるし、なんせ凝っている。誰の何という曲だ、と思って、そして歌が流れる。うんこが出そうになる。最近よくそういうことがあるような気がする。
 つまり、歌さえあんなんじゃなければ日本のポップも中には素晴らしいものがあるかもしれないという話であり、このアルバムのプロデューサーもきっといい仕事をしているのだろう。

 

DENDERA
"THE KILLING FLOOR"


イギリス
デビューアルバム
http://www.dendera.co.uk/index.html
you tube
http://www.youtube.com/results?search_query=dendera+the+killing+floor
 バンド名は日本語ではなく、エジプト、ナイル川中流の町の名前だそうだ。
 ロゴマークの雰囲気から爆音メロディックデスかと思ったが、違った。ものすごく正統派というか、80年代風の硬い音が素晴らしいパワーメタルである。イギリスのバンドで近年こんな音を出すバンドなど、私は思いつかない。しかしイギリスだからありえるという音でもある。メンバーショットはおっさんくさいが、かなり若いバンドと見た。ジューダス・プリーストについて4時間くらい熱く語ってそうな奴らである。
 ツインリードが丁寧というか、一生懸命というか、結局今のイギリスのメタラーはこういう音にどれほど魅力を感じているのかと思うが、若い人間がアメリカ方面ばっかり見ているのなら、おっさんリスナーが暖かく育ててやるしかないだろう。と、私がもしイギリス人ならリスナーに熱くそう言う。
 仕掛けの大きな音ではない。しかし細かいところまでメタルラヴにあふれた、これは素晴らしいアルバムである。傑作とは言わない。しかしものすごく素晴らし〜いアルバムである。

 

DERDIAN
"LIMBO"


イタリア
05年デビュー
4作目
http://www.derdian.com/
you tube
http://www.youtube.com/results?search_query=derdian+limbo
 RHAPSODY OF FIREかDARK MOORか、みたいなバンド。NEW ERAというアルバムタイトルでパート1から3まで、3枚アルバムを出しているが、NEW ERAシリーズは終わったのだろうか、新作は新たなステージ! ではなく、全然そうでなく、相変わらずの音である。
 本当にRHAPSODY、DARK MOORクラスの力量を持つバンドなので、興味を持ったのならそれは必ず当たり、ハズレなしというバンドであり、アルバム。
 音が引き締まったような感じがする。最強といえるスタイルである。点数をつけるのなら85点、90点というのは間違いない。
 DARK MOORの新作は果たしてこのアルバムに勝てるか? というくらいレベルが高いが、しかしDARK MOORはもはやDARK MOORというジャンルになっているので、DERDIANはこの路線の門番に立つバンドにはあと少し及ばない。クサクサ、クサクサクサ、言うてるマニアだけの相手をしていては門番にはなれない。苦言を呈しているようで申し訳ないが、ここまでのメロディーラインを造り、曲構成を構築しているのに、あとひとつスケール感が足りない。曲のサビが素晴らしいのに、何でそう、後ろでバタバタする必要があるのかという。ジャンルを越えてもっと多くのリスナーに聞いてもらえる、もっと大きなバンドになってもらいたく思う、苦言であります。

 

DEVIL TO PAY
"FATE IS YOUR MUSE"

アメリカ
04年デビュー
4作目
http://deviltopay.net/
you tube
http://www.youtube.com/results?search_query=devil+to+pay+fate+is+your+muse
 サザンストーナー、スラッジメタル。あんまり濃いのは私は好きではないが、大抵のバンドは70年代ハードロックのベト〜ッとした感じがするから好きである。このバンドもこのジャンルにしては何も目新しいところはないが、なかなかべとべとさんな音で素晴らしい。ほとんどの曲が3分台(全12曲)という聞きやすさもいい。中にはアルバム全1曲というバンドが珍しくないジャンルである。あれは勘弁してほしい。
 メンバーはえらく太ったおっさんにあとはヒゲマンたちである。音楽だけで食べていってることを願うが、アメリカはじめ、外国は、少なくとも町中の仕事であれば趣味を優先させた格好で仕事ができるから本当に羨ましいと、万年失業中老齢バイト暮らしの私は思う。
 6曲目"This Train Won't Stop"は異色のナンバー。なんと軽快に走り倒しているのだ。いっそのことこういう曲を中心にアルバム1枚作ってくれたら話題になるのに。

 

DGM
"MOMENTUM"


イタリア
97年デビュー
8作目
http://www.dgmsite.com/
you tube
http://www.youtube.com/results?search_query=dgm+momentum
 イタリアと言ったらこのバンド!というくらい、今外国では人気のあるバンド。RHAPSODY OF FIREが今少しへたっているようなので、このバンドこそイタリアのベスト・バンドだろう。
 当初は3人メンバーで、頭文字をくっつけただけのバンド名、元々はプログレッシブメタルだったが、8作目となるこのアルバムではもう、モンスターメタルと呼ぶしかないようなでかいサウンドになっている。冷めた言い方をしたらメタルの総合商社。ラーメンからミサイルまで何でも取り扱っている。イタリアといえばオペラメタル、このバンドは確かにオペラメタルのパターンこそ取っていないが、オペラメタルを仮にやったとしたら、必ず最高傑作級のものを作るに決まっている。オールマイティーというより、とにかく器が大きいバンドである。
 例えばベースの音が小さいとか、曲展開が忙しいとか、ボーカルがメロディーを朗々と歌う後ろでバタバタとドラムがうるさいとか、傑作を前にして老人リスナーがついつい言いたくなる小言というものを、このアルバムは一切受け付けないし、そういうことを言う余地がない。スペシャルなテクニシャンたちが研究に研究を重ねて、加えてサービス精神も旺盛に盛り込んだアルバム。バンドだけでは名作は作れない。プロデューサーからエンジニアから、スタジオ関係者からバンドメンバーの家族にいたるまで、すべてが志をひとつにして完成したアルバム、という雰囲気がある。実際はどうであれ、そう思わせることが素晴らしい。
 メタルであればどんなジャンルでもいいけど、2013年、このアルバムを超えるアルバムが出るか。

 

DIAMOND DAWN
"OVERDRIVE"

スウェーデン
デビューアルバム
https://myspace.com/diamonddawnswe
you tube
http://www.youtube.com/results?search_query=diamond+dawn
 100%、頭のてっぺんから足の先までメロディアスハードというジャンルの音楽である。私はメロディアスハードにいつも厳しいのではなく、実際、本心、メロディアスハードを楽しめるような暮らしをしたい、安楽な気分以外の感情なしに音楽を楽しみたいのだ。音楽は現実逃避であり、現実逃避の割にはお釣りが結構来ますやん、というのが私と音楽の接点である。
 週に1日2日の休日。扇風機やストーブではなく、1年中すべてエアコンだ。仕事の日はあれこれと忙しく、憂さもないわけではないが、とりあえず今の時間はこれを聴いてのんびりしよう。夜はゆっくり観たかった映画を観るか。平日はうるさい家族も、自分と同じく今日は好きなことをして過ごしているようだ。
 若かったときはそれなりに浮き沈み、自分尺度で言う波乱万丈もあった。
 そのおかげあって今がある。今の時間はごほうび。そう、自分、ワタシへのごほうび。
 ...という、一般人が堪能できるんだろうな。
 この音に恨みつらみはない。ただ、来月何しているのかわからない、半年後の生死がわからないという人間には、こういう安楽な空間は無理である。若い頃は高級車を見ていつか自分もあれに乗ったるぞと思った時期もあったが、今はもう、苦しくない最期を望むだけで...
 何のレビューにもなっておらず、申し訳ない。

 

DOOGIE WHITE & LA PAZ
"DARK & THE LIGHT"


忙しマン
LA PAZは85年にデビューしたこの人の初キャリア
http://www.doogiewhite.com/
ウィキペディア(日本語) 
http://ja.wikipedia.org/wiki/ドゥギー・ホワイト
you tube
http://www.youtube.com/results?search_query=doogie+white+la+paz
 こないだ聞いたがな、と思ったら、もう新作である。& LA PAZ名義では12年、ついこないだにアルバムを出し、11年にはソロアルバムも出している。その間にいろんなバンドに顔を出し、TANKなんて意外もいいところだったが、アルゼンチンのRATA BLANCAなんか感動的な歌を聞かせてくれましたねえ。
 このLA PAZというのはこの人の初めてのバンドだったそうで、85年と88年、2枚のアルバムを出している、なんてことは12年の"GRANITE"を聞くまで全然知らなかった。そのLA PAZの80年代の音はいまだ聞いてないが、さてこのアルバム、あんまり良い言い方ではないが、ドゥギー・ホワイト関連のバンドの中で一番フツーのハードロックである。質の高いメジャー・ハードロック、一時のグレン・ヒューズのアルバムにそっくり。もはや何を歌っても安心のブランドなので、内容がつまらないなどとは口が裂けても言わない。AORというのも言葉が軽く、メロディアスハードって、アホか。高品質なスタンダードなメジャー・ハードロックとしか言いようがない。
 こういう音、こう歌こそこの人の本分という気もする。でも、またとんでもないバンドに参加して、驚かせてほしい。

 

DORMANT ORDEAL
"IT RAINS, IT POURS"

ポーランド
デビューアルバム
http://dormantordeal.bandcamp.com/
you tube
http://www.youtube.com/results?search_query=dormant+ordeal
 また物凄いデスメタル。何もかもが力の限り全力で吼えている。ボーカルがVADERみたいでかっこいい。さすがポーランド産である。最初から最後までとてつもなくブラスト天国(人によっては地獄)だが、血生臭い雰囲気はあまり感じない。景色を音にしたデスメタルではなく、最初から音楽として生まれたデスメタルである。私はそういうデスメタルのほうが好きである。全曲同じなのであまり書くことがないが、VADERのファンなら気に入ること間違いなし。また活きのいいバンドが入ってまっせ! と、昔のメタル専門店の親父ならそう言ったはずのアルバム。

 

DREAM DEATH
"SOMNIUM EXCESSUM"

アメリカ
87年デビュー、再結成
2作目
http://www.myspace.com/dreamdeath
you tube
http://www.youtube.com/results?search_query=dream+death+somnium
 くそメタルファクトリーNEW RENAISSANCEから87年にファーストアルバムを出し、誰も知らんがなという再結成。こういうのを25年ぶりのセカンドアルバム!とか言うのは、違うと思う。
 先日仕事の面接に行き、エクセレント・スマイルがどうのこうのと高説を垂れられたので、アホらしくてその場で帰ってきたが、今の客商売も一線を越えてるなあと思う一方、このバンドをエクセレント・スマイルで語らせていただくと、87年という時期にドゥームメタルを実践していた凄いバンド!、ということも言える。
 しかし素で聞いてみれば、ものは言い様、という言葉しか思い浮かばない。
 25年のちに届けられたこのセカンドをアルバムを聞いてみると、25年も経って、あの音のバンドだと思わせることは立派。そして少なくとも、昔のアルバムみたいな「どうしようもない感」はない。ドゥーム系のバンドとしてはいい意味悪い意味、普通のアルバム、音である。ただし元祖だどうのこうの言われても、こっちはエクセレント・スマイルで、はいっ、そうでございますかっ!と言うしかない。そして明日になったら忘れている。

 

DREAMSHADE
"THE GIFT OF LIFE"

スイス
11年デビュー
2作目
https://myspace.com/dreamshadeband
you tube
http://www.youtube.com/results?search_query=dreamshade+the+gift
 ジャケットが非常に風流であり、フォークロアを取り入れたメロディアスパワーメタルかと思ったら、全然違って、そろそろ下火感もあるも、まだまだ大流行アメリカン爆音スタイルメロディックデスサウンドである。
 ツッタカツッタカ走る曲にはスラッシャーの血も騒ぐが、しかしこの叫び声+クリーン声、ピロピロと歌のバックで鳴るリードギター、つんのめるテンポ、むちゃくちゃ手数足数の多いドラムス、等々、私はあんまり真似にはうるさくないが、ここまで誰かさんたちの真似することないでしょうと冷めた気分になった。いい風に言えばここまで完璧なスタンダードをキャリア2枚目の新人が出したということは驚異なのかもしれない。しかし音はちっとも驚異ではないし脅威でもない。ごくろう。

 

DREAM TALE
"WORLD CHANGED FOREVER"

フィンランド
02年デビュー
6作目
http://www.dreamtale.org/
you tube
http://www.youtube.com/results?search_query=dream+tale+world+changed+forever
 相変わらずの音である。SONATA ARCTICAほど弾けず。毎回毎回期待のフィンランド産なんとかと言われながら、傑作の域に至るアルバムはあっても名作には達せず、2番手3番手という存在感がいつまで続くのかというバンドであるが、今回もそういうアルバム。
 だから駄目だと言いたいのではない。近年のこのバンドのいいところは、初聴きのインパクトに欠ける分、じっくり聞ける大人の音になっているところである。アダルトな音ではない。アドレナリン発散的興奮度を求めるリスナー向けではなく、例えば、おんぼろ車でもいいから、夜のドライブにゆっくり聴きたいようなスピードメロディアスメタル、そういう、微妙に新しいジャンルという雰囲気である。一時は中途半端に感じられた音も、続けばいい印象だ。

 

ECLIPSE PROPHECY
"DAYS OF JUDGEMENT"

カナダ
デビューアルバム
http://www.reverbnation.com/eclipseprophecy
you tube
http://www.youtube.com/results?search_query=eclipse+prophecy
 音質、テクニック、プロダクションはかなりかちっとまとまっている。この舞台装置を作るだけでわしら素人には大したものだと思う。メジャーに視点を据えた音。
 ただ、工夫はあるけどヒネリが足らんというか、ヘボくはないけど特別凄いというわけでもない。最後まで曲を飛ばせず聴ける新人バンドというだけで点数をつけるなら80点は堅いかもしれないが、では次、いつこのアルバムを思い出して聞くかというと、さて。というアルバム。
 正統派で真っ向勝負となると名曲が作れるかどうかで評価が決まり、それは新人のデビューアルバムでもベテランの10枚目のアルバムでも同じであるというこの世界の厳しさ。
 バンド名は取ってつけられたような感じであって、実はそうでもないと思う。たまにイングヴェイ"ECLIPSE"風の空気が出てくる。

 

EDGE OF ATTACK
"EDGE OF ATTACK"


カナダ
デビューアルバム
http://www.edgeofattack.com/index.html
you tube
http://www.youtube.com/user/EdgeofAttack
 姉妹+女性+男2人の5人編成パワーメタルバンド。同じくカナダからデビューした同じくパワーメタル路線の↑ECLIPSE PROPHECYのようなありきたりの音ではなく、女性ボーカルの張り切り+マイナーメタルくささでもって、なかなか個性的な音を出している。
 ボーカルが特に気に入った。男に負けるか!も、女にしか出来ない!も、そういう狭い態度は何もなく、音楽を盛り上げるべく、ひたすらマイクの前で歌っておられる。もちろん熱い演奏を聞かせるアルバムではあるが、無理な気負いがない。ハッタリ、強がりもない。私たちの今の力量はここまで、と開き直っているのだろうか、そういうことはないと思うが、しかしマイナーくささを決して恥じない一生懸命さが光っている。マイナーメタルの良心、なんていう、昔の言葉を思い出した。
 マイナーメタルである今のこの時点では、まだ有名になることもなく、アルバムもまだ売れないだろうが、ゆっくりと着実にサクセスストーリーを築き上げていってほしい。老人メタラーは真面目が光るアルバムを聞いた後は、やっぱり気分がいい。というわけで今日はもう寝る。

 

EGONAUT
"MOUNT EGONAUT"


スウェーデン
11年デビュー
2作目
http://www.egonaut.se/
you tube
http://www.youtube.com/results?search_query=egonaut+mount
 真性ストーナーマニア、スラッジロックファンはこの音を許すか。祝福するか。
 ストーナーロックバンドはなぜか「山」が好きである。理由はよく知らない。これはエゴノートというバンドの「エゴノート山(やま)」というタイトルのアルバムである。
 ではストーナーの権化のような音かと思えば、なんという音だこれは。
 この2作目にしてある意味、ストーナースタイルの名作を作り上げたと言える。ストーナーの次のステージである。聞けばわかるが、ポップでメロディアスなストーナーロックなのだ。SPITIRUAL BEGGARSの名作"AD ASTRA"がさらにもっと聞きやすくなったような音を想像してもらったら。
 もう今なのだからこういう音もありだと私は思う。鬱屈感、鬱積感も全然ない。重苦しい音ですらない。爽やかな曲もある。暑苦しくないストーナーロックなど、そんなものはストーナーではないと言いたいリスナーの気持ちもわかるが、オフィシャルサイトにはrefining stoner-rockということで、つまり洗練されたストーナーなのだ。バンド自らこの音をBASTARD ROCKと呼んでいる。
 それはどうでもいい。BASTARD ROCKというのだからBASTARD ROCKなのだろう。
 メロディアスハードの達人がストーナーに挑戦したような雰囲気すらある。70年代ハードロックの影響もたくさんある。曲がとにかく素晴らしい。若いリスナーが応援して当然の音であるが、ロックを聞かなくなって20年、とかいうおっさんにこそ聞いてもらいたい音である。

 

EGYPT
"BECOME THE SUN"

アメリカ
デビューアルバム
https://myspace.com/egyptdoom
you tube
http://www.youtube.com/results?search_query=egypt+become+the+sun
 続いてこっちはストーナーらしいストーナー。アメリカ、ノーズダコタの出身、エジプトというバンド名でオープニング曲が「マッターホルン」というから、コンセプトが最初から世界視点である。ジャケットもたいがい香ばしいが、音はストーナーの入門用と言えるくらいわかりやすく、全10曲58分と、良心的な構成と言える。間違ってもアルバム1枚で1曲とか禍々しいことはやらない。
 ストーナー風に正攻法、正統派の音であり、重量感もまあまあ。鬱屈加減も結構なお手前で、メタルらしい重さがどうあっても前に出ている音だから、ストーナーの普通を知ってみたい人にはおすすめ。

 

EMERGENCY GATE
"YOU"


ドイツ
00年デビュー
5作目
http://www.emergency-gate.de/
you tube
http://www.youtube.com/results?search_query=emergency+gate+you
 アメリカンメロディックデスサウンドと外国のサイトに書いてあったが、そう言われてもなかなか想像通りではなく、だから面白い。デヴィン・ダウンゼントが今風の音を造りましたという雰囲気の音。つまりとげとげしくプログレッシブな音である。イントロのパターンがドラマティックな曲が多く、この音はアメリカよりも北欧に近いと思う。丁寧に造り込まれたアルバムである。音の塊の破壊感覚は申し分ないながら、それで虚勢を張ることなく、曲の起承転結がしっかりと考えられている。手と足は激しく動くが、ボディーが全然ぶれない音。このバンドは凄い。じっくり聴いてしまった。正直、COBの新作よりずっと素晴らしかった。

 

ENCIRCLE
"INTO THE DREAMSTATE"

アメリカ
11年デビュー
2作目
http://encircle.bandcamp.com/album/into-the-dreamstate
you tube
http://www.youtube.com/results?search_query=encircle+into+the+dreamstate
 Anthony DiGiacomoなるミュージシャンによる独り・プログレッシブメタル。
 独りブラックメタルは多いが、独りプログレとは凄い。実際プログレメタルとしてエンターテイメント性あふれる音で、こんな人物、大御所バンドやレーベルの人間が放っておくわけがない。途方もない時間と金をつぎ込んだ、とフェイスブックに書いてあったが、それはそうだろう。プログレバンドの人間5人6人がやることをこの人物たったひとりでやっている。言葉で書くと小学生でも言えそうな言葉だが、音が一番雄弁である。私はアホですから、プログレバンドのプログレ色よりも全然先に、メタル色を見てしまうのだが、この音には満足も満足、よくもまあここまで、と感激感動である。
 プログレというジャンルなんだから高品質が当たり前である。高品質ではないプログレは(何考えてるのかわからんマイナーメタルは置いといて)世に出る意味がないから世に出ない。だから、わかりやすさとか親しみやすさが、プログレというジャンルにあっては価値を判断する基準である。難しいそうな音楽だから、わかりやすいものが素晴らしいという世の道理である。5人6人のバンドが出す音を、この
Anthony DiGiacomoは独りで造り、演奏している。とにかく早く、有名になってほしい。

 

ENDLESS
"HUMAN INTOXICATION"

スペイン
デビューアルバム
https://soundcloud.com/endless-band
 侘び寂びの効いたジャケット通りの音(拡大したらもちろん造り物であるのがわかる)で、アホの華道デスメタルというのも誰にでも聞く前にわかる。もはやスペインからも普通にこういう音が出てくる時代になった。このデビューアルバムからひと月後にセカンドアルバムを出した。何を考えているのか。そっちのセカンドは聞いていないが、100%間違いなくこのファーストアルバムと同じ音だろう。
 まさにバンド名は正しく、約44分という限られた時間ではあるが、エンドレスで流れるデスメタルパラダイスである。デスメタルとして質は悪くない。と思う。デスメタルファンのどなたか、助けてください。

 

ENFORCER
"DEATH BY FIRE"


スウェーデン
08年デビュー
3作目
http://enforcer.se/
you tube
http://www.youtube.com/results?search_query=enforcer+death+by+fire
 ファーストから全部こんな音であり、わしの世代のおっさん連中は涙流して喜ぶ音である。おっさんバンドの再結成ならわかるが、リーダーは86年生まれの26歳というんだから感服である。線の太くないハイトーンボーカルも郷愁を掻き立てるが、もっと懐かしいのがギターのバッキング。80年代、スピードメタルはみんなこんな格好の悪い音を出していたのだ。そして開き直れば格好悪さが、かっこ良さになった。おっさんしか知らない世界である。
 80年代スラッシュをわざわざ派手に売っている若いバンドがたくさんいる。しかしわしは、ガキのクセにやたら演歌がうまいクソガキをテレビで見ているのとおなじ不快感に近いものを感じることがある。このバンドは違った。ファーストアルバムからずっとそうだが、クソガキ感とでも表現するものがまったくない。だからある種の天才だと思う。
 これが結構売れているというから、結局はメタルの本質である。どんな服を着ていても、質の高いものは耳が食べて美味いのだ。例えばHAMMERFALLの初期よりも、まだマイナーくさい音だから嬉しい。いつの日かproduced by Joacim Cansとなることを願いたい。

 

ENSHINE
"ORIGIN"

フランス/スウェーデン
デビューアルバム
you tube
http://www.youtube.com/enshineofficial
 この間紹介したフランスのCOLD INSIGHT、フィンランド産メランコリックスタイルのボーカルなしというバンド、あれは実は2011年のアルバムだった。新作ではない。申し訳ない。
 そのCOLD INSIGHTを独りでやっているSebastian Pierreが、スウェーデン人ギタリストと組んだプロジェクトがこれ。COLD INSIGHTのほうが聞きやすいような気がするが、このアルバム↑はしっかり全編ボーカル入りである。フィンランド産メランコリックの色も当然強いが、ボーカルは少しもメランコリックではなく、デス/ブラックメタルスタイルで、まるでSAMAELのような雰囲気である。
 ファンタジックではあるがマンガ的なものでなく、悠久の奥行きを目指しているかのような世界。単純なメタル度もこっちのENSHINEのほうが高い。
 残念ながらCOLD INSIGHTもこのENSHINEもマイナーの扱いだが、1年後、ヨーロッパ全土で話題になるようなアルバムを出しているような気がする。

 

EORONT
"NEVERENDING JOURNEY"

ロシア
デビューアルバム
http://eoront.bandcamp.com/
you tube
http://www.youtube.com/results?search_query=eoront
 ロシアからも出ました独りブラックメタル。広大な国なんだから100や200、独りブラックが生息しているに違いない。
 とても聞けた音質じゃない勘違いなドアホウ音を除き、私は根暗なもんで、結構独りスタイルが好きなのだが、Foltath Eternumことゲオルギー・ガブリエリヤンなる人物主催によるこのEORONTの音は、アルバムタイトルの印象通り、なかなかに壮大な音を聞かせてくれる。後期BATHORYの雰囲気もある。
 こういうミュージシャンが音楽だけでメシを食べて行き、小さな家のひとつでも建てることができるという時代は、おそらく来ない。寒さにめげず毎日を頑張れよ、と暖かい声のひとつでもかけずにはおれないというアルバムである。

 

EPICRENEL
"THE CRYSTAL THRONE"


フィンランド
第1弾アルバム
https://myspace.com/epicrenel
you tube
http://www.youtube.com/results?search_query=epicrenel
 AMBERIAN DAWN、RANDOM EYES、ADAMANTRAというフィンランドの中堅マイナー(?)どころのメンバーが集合したプロジェクトアルバム。
 STRATOVARIUSの初期の音のもっと曲が良い版のような、またはスウェーデンのDIONYSUSのマイナー版みたいな、とりあえずメロディアスファンは聞いて損のないアルバムである。もう少し音質が良ければなあ、と思うが、独りブラックメタルでも音質の素晴らしいのがごろごろある時代なので、わざとこういうガシャガシャした音にしているのだろう。とにかくたくさんの音が詰まっている。頑張り感、張り切り感、そしてアホになり切り感はさすがにフィンランド産である。
 唯一足りないのがメジャーの空気であり、これで2000年以降のSTRATOVARIUSのような音質ならどかーんと売れるに違いない。次のアルバムにも期待。インスト曲が本当に素晴らしい。

 

ETERNAL LEGACY
"SEEKING NO PEACE"

アメリカ
07年デビュー
3作目
http://legacymetal.com/
you tube
http://www.youtube.com/results?search_query=eternal+legacy+seeking+no+peace
 ジャケットのアホらしさそのままのアホメタルである。↑ジャケットを大きく表示したが、このあほさを鑑賞してほしいという意図であり、別に名作でも傑作でも何でもない。
 今どきデビューアルバムでも100万円くらいの音を出すバンドがざらにいるのに、このバンドはサードアルバムで、300円くらいの音である。だからゴミなのかというととんでもない。物の値段は全消費者を対象にした需要と供給のバランスで決まる。一般人には300円の安物であっても、決して粗悪な品とは限らない。好きな人間には何万円の価値がある。
 MUNICIPAL WASTE系の、流行の安もんスラッシュではなく、ジャケットなど似ていながら、よく見ると違う。こっちのほうが輪をかけて安っぽい。ロゴマークは手書きだ。こういう音こそ本当に80年代マイナースラッシュに近い音であり、余計なところが真面目で、実際、本当にアホらしい。学校の人間、会社の人間などにこのCDを持っているところを見つかったりしてしまった日には、弁解のしようもないだろう。しかしマイナースラッシュ10のうち、こういうバンドは1つくらい必ずいてほしい。

 

ETERNAL TEARS OF SORROW
"SIVON LAPSI"


フィンランド
97年デビュー
7作目
http://eternaltears.fi/
you tube
https://www.youtube.com/user/EternalTearsOfficial
 フィンランドの大御所。安心のブランドである。ゴシックメタルとメロデスの中間にいるようなバンドだったはずが、前作あたりから疾走する曲も名曲の空気をかもし出すようになった。今最もユニバーサルなメタルサウンドかも知れない。AMARANTHEのように一般洋楽チャートを狙おうという気負いはなく、右から見ても左から見ても真ん中から見ても1つの、大きな絵を描くバンドである。そしてその絵は大変緻密で、このジャケットのように寒く、美しい。デビュー時と比べると、普通にだんだんと質が上がってきているバンドであるが、最初からずっと変わっていないのが、これぞフィンランド産の極意というか、真髄というか、そこをアピールする睨みである。何があってもこのバンドは明るくならないし、愛想が良くなったりしない。少々音は違うが、SENTENCEDと似た空気がある。


EVILE
"SKULL"


イギリス
07年デビュー
4作目
http://www.evile.co.uk/
you tube
http://www.youtube.com/results?search_query=evile+skull
 デビュー時はイギリスからなかなかクールなスラッシュが元気よく飛び出してきたと思ったが、全メタルリスナーにその名前を浸透させるまでに成長した。売れなければアルバム1枚で終わってもいいわい、と実際思ったのかどうかは知らんが、そのくらいの気迫でもって、まず好きなことをやってデビューして、それが受けた、ではスラッシュメタルの聖典、METALLICAにOVERKILLにSLAYERあたりの一番スラッシャーだった頃の音に思い焦がれるファンの願いを研究し、ライブで実践し、時にはファンと長々話し合ったりしたんじゃないだろうか、本当にいい形で成長しているバンドである。デビュー時は少々恐い印象もあったが、この新作の音はフレンドリーという雰囲気すらする。もちろんスラッシャーにとっては、ということ。個人的には、この馬鹿馬鹿しいほど忙しい高速ギターリフに、同じくブリティッシュスラッシャーのONSLAUGHT80年代の、アンダーグラウンドの帝王だった時期の音を思い出した。名作、感動!というより、とにかく心から頼もしいアルバムである。


メタルではないよのページ

DAVID BOWIE
"THE NEXT DAY"


大御所中の大御所
10年ぶりの新作
http://www.davidbowie.com/
ウィキペディア(日本語) 
http://ja.wikipedia.org/wiki/David_Bowie
you tube
http://www.youtube.com/results?search_query=david+bowie+the+next+day
 この10年ぶりのアルバム、通算27作目にしてビルボード2位、アメリカで自己最高位を記録し、ついでに言うと日本のオリコンチャートでも初登場5位を記録した。
 私はメタルばかり聞くあまり脳みそまで難聴になっている部分があるので、あんまりこのへんの大御所の音について語る資格はないが、洋楽のジャイアントとして70年代の名作はもちろんのこと、"SCARY MONSTERS"あたりはたいがい聴いた思い出がある洋楽リスナーとして、これは誠に復活アルバムであるというのはわかった。このアルバムは、誰もがジャンル関係なしに素晴らしい音楽は何でも素晴らしいものとしてひとまとめにしていた時代を思い出させてくれる。すべての音楽要素を詰め込んでいるわけでもないのに、このアルバムはたくさんの部屋が音楽で詰まっている城を思わせる。
 ファンの方が言うような攻撃性、云々についてはよくわからない。ただ、80年代の名作以来の音壁感覚がある。願わくばもっと派手な曲も入れてほしかったが、年齢相応にということなのだろう。

 

DAYS BETWEEN THE STATIONS
"IN EXTREMIS"


アメリカ
07年デビュー
2作目
http://daysbetweenstations.com/
you tube
http://www.youtube.com/results?search_query=days+between+stations+in+extremis
 例えば、ネオ・プログレとポスト・プログレはどう違うのか、と訊きたいが、このバンドはポスト・プログレだそうだ。
 しかし非常に面白い音である。プログレなのだろうが、不思議な触手をいっぱい持っている音というか。宇宙人しか理解できない音というのがたまにあるが、これはそんな音ではなく、宇宙人が好きで聞いていて、地球人にもその良さがわかるという音である。テンポ、ノリ、リズムがしっかりあるから、普通のロックファンにも十分に楽しめる。
 このへんにはあんまり詳しくないから、何々を思わせる、みたいなことは全然言えないが、ペッシペシの軽い音を出している90年代以降のネオプログレと呼ばれる音よりは、重量感もあり、音の幅も広い。何となく思うが、80年代の音は素晴らしかったあのMARILLIONが、以降今に至るまであんな眠い音ではなく(ファンの人すまん)、こういう音になっていてほしかった。

 

DROPKICK MURPHYS
"SIGNED AND SEALED IN BLOOD"


アメリカ
98年デビュー
8作目
http://www.dropkickmurphys.com/
you tube
http://www.youtube.com/results?search_query=dropkick+murphys+signed
 ケルティック・パンクロックバンド(しかしアメリカ、ボストンで活動)堂々の8作目。THE POGUESのようなアイリッシュパブロックである。アルバム出すごとにTHE POGUESに似てきていると思う。THE POGUES亡き今、このバンドが元気でいてくれることで、あの感動と感激は同じ色で持ってこのバンドの世界で生きている。正確に言うと同じ音ではなく、DROPKICK MURPHYSはあくまでパンクロックバンドであるかもしれないが、アイリッシュロック、ケルティックロック、本当にロックと呼べるものはメジャーではほとんどいないので、このバンドはずっとこんな音でいいから頑張ってほしい。






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