ヤバイ人たち


90年代に入れば「エキストリームメタル」と
立派な呼び名をもらうことになったバンドの数々。

「あほ」が目立つというより
「あほ」だけしか存在しないようなスタイル、
モノによっては音楽と呼べるものではありません。
あほメタルというよりは「変態メタル」と呼んだほうが正しいかも。

「マジ」なので滑稽度は至って少なく、
まあ、普通の人なら
あまり入り込みたくはないでしょう。

AUTOPSY
(USA)

 

ACTS OF THE UNSPEAKABLE (1992) 3rd
SHIT FUN (1995) 4th
 今現在クールなデスメタルを聞かせてくれるABSCESSなるバンドの、その前身。↑、今何か食ってる人もいるだろうから黒で塗った。人間史上、最低のジャケットである。
 3作目で変態さんコンニチワの雰囲気をまといはじめたが、ファーストとセカンドは80年代マイナースラッシュメタルあたりの空気も活きる、まあ悪くない作品だった。
初心者おすすめ度 :
 
ゼロ
ヤケクソ度 :
 
お騒がせ度 : 
 
バンド名がそもそもやばい度 :
 
総括 : あほメタルも行き過ぎると普通の人は引きます。

BOLT THROWER
(UK)

 

REALM OF CHAOS (1989) 1st full
WARMASTER (1991) 2nd
 ヨーロッパではかなりの人気を誇っているバンドである。エキストリームメタル版マノウォー、と紹介されていたりするが、そんな、調子に乗ってはいけない。低音がのた打ち回るカミナリのようなリズムにデスボイスが乗る、激パワフルデスメタルである。
 メロディーもなければ山場もない。いや、全編怒涛の山場というべきか。近年になってプロダクションが良くなってきたというか、切れが良くなった感じがしたが、音はデビュー時からまったくと言っていいほど変わっていない。
初心者おすすめ度 :
 
ヤケクソ度 :
 
お騒がせ度 : 
 
ベーシストが活動当初から今に至るまで、ベジタリアンの女性というのがビックリ度 :
 
総括 : 1曲1曲、本当に区別がつかないんですが...

BRUTAL TRUTH
(USA)

NEED TO CONTROL (1994) 2nd
 こういう人たちとはお友達になりたくない。こういう極端なサウンドもしっかり市民権を得て、場所によっては「音楽」として語られていたりするが、結局「ハードコア」とは正統派との距離を言うのか。アホとはいえ、笑えないアホ。凄い。
初心者おすすめ度 :
 
ヤケクソ度 :
 
お騒がせ度 : 
 
腸閉塞という病気があるが、このアルバムを聴けば耳閉塞になるぞ度 :
 
総括 : このアルバムは結構好きやったりして...(すんません)

CARCASS
(UK)

REEK OF PUTREFACTION (1988) 1st
SYMPHONY OF SICKNESS (1989) 2nd
 ファーストのジャケットは本当に怖い。
 この大きさ↑では「ピザの具」みたいに見えるが、すべて人間の顔である。それも死体らしき。作りもんだろうが、怖い。
 音もまさにputrefactionであり、sicknessです。あかんだろう。これも笑えないアホメタルのひとつ。
初心者おすすめ度 :
 
ヤケクソ度 :
 
お騒がせ度 : 
 
やばいぞお前ら度 :
 
総括 : のち、あのマイケル・アモットがこのバンドをどっかーんと有名にしました。もちろんこんな音ではありません。

CELTIC FROST
(SWITZERLAND)

 

TO MEGA THERION (1985) 2nd full
INTO THE PANDEMONIUM (1987) 3rd
 欧州の極悪大魔王、セルティック・フロストの最高傑作。
 いまだどす黒い「気」を放ち続ける悪魔の音楽である。ヘヴィ・メタルの発展形究極形というより、ここまでくれば、悪魔が世の中に魔気を放つ作業中、たまたま近くにあったのがヘヴィ・メタルだったという気がする。理解できない人には最悪の類いのアホメタルに聞こえる。
初心者おすすめ度 :
 
ヤケクソ度 :
 
お騒がせ度 : 
 
欧州極悪大魔王様度 :
 
総括 : 88年のLAメタル風作品(ホント)こそ究極のアホメタル。そっちは駄作成仏に紹介してます。

CRO-MAGS
(USA)

BEST WISHES (1989) 2nd
 メタラー+パンクスによる必殺ハードコアメタル作品。
 下地を忘れて、ロックから見えない場所で踊り狂っている感じのするエキストリームメタル勢にくらべ、この音はヘヴィ・メタルの母屋を乗っ取りそこで暴れまくっている音である。激しさで言えばアホを超えた狂気を垣間見せる音だが、しかし至ってリスナー思いの親切なサウンド、バンドだったと思う。こんなかっこいいメタルサウンドはない。偉大なるアホ。
初心者おすすめ度 :
 
ヤケクソ度 :
 
お騒がせ度 : 
 
ここの中心人物の顔は世界一怒り顔が似合う顔だった度 :
 
総括 : ごちゃごちゃ作品出してますけどこの作品だけが異様に良い。

DANZIG
(USA)

DANZIG (1988) 1st
 何かこう、底冷えのしてくるような音楽である。
 なめ〜〜〜〜っと迫ってくる教祖グレン・ダンズィグの歌はまるで冷血の爬虫類。ヘヴィ・メタルの異端児中の異端児とされながらも、音はエキストリームメタルとは100%対極、スッカスカのカスカス、隙間だらけである。今にも朽ちかけの、床にボコボコ穴が開いた廃墟のビルが似合いそうな音楽である。プロデューサーのリック・ルービンとも、アホの暴走サウンドである。(しかし音はまったく疾走していない)
初心者おすすめ度 :
 
ヤケクソ度 :
 
お騒がせ度 : 
 
ぬっと出てきました度 :
 
総括 : 教祖はソロも出してますが、アルバム1枚キーボードの荘厳な音のみというブッ飛び具合。

DEATH
(USA)

 

SCREAM BLOODY GORE (1987) 1st
LEPROSY (1988) 2nd
 出た当時は何というめちゃくちゃなハードコアメタルだと思ったが、今聴けばこれが、80年代マイナーメタルファンにとっては非常によろしいスラッシュメタルである。デスなんだからデスメタルだろう、というのも正しいが、デスメタルというより、突貫昼夜休憩なしアホスラッシュサウンドである。意外に真っ直ぐで真面目な音だった。怖さよりも面白さを感じる。この真っ直ぐさ=アホ一直線の好印象、90年代の小難しくなった作品よりこっちの最初の2枚のほうが、近くて頼もしい気がする。
 ボーカルのみがデスメタルだった。
初心者おすすめ度 :
 
ヤケクソ度 :
 
お騒がせ度 : 
 
俺は好きだぞこっちのほうが度 :
 
総括 : チャック・シュルディナーのご冥福をお祈りします。

DEATH SS
(ITALY)

HEAVY DEMONS (1991) (3rd)
 「ゾンビ」「死霊のえじき」等を生んだイタリア発、「塗り」もせず「かぶり」もせず、さすがのゾンビメークで迫る。メタルだから、映画のようなアートカラーはまるでない。メンバーがこんなんだから、一体どのような恐ろしいサウンドが飛び出してくるのかと思ったら、意外に全然普通のメタルである(ズルッ)。
 97年には“ΔΟ ΩΗΑΤ ΤΗΟΥ ΩΙΛΤ”(読めん...)という凄い作品を出しているが、きっとその時期までは堂々たるアホメタルだった。
初心者おすすめ度 :
 
ヤケクソ度 :
 
お騒がせ度 : 
 
ラプソディーとは別世界もええとこ度 :
 
総括 : 97年の作品はホントに凄い。

MACE
(USA)

PROCESS OF ELIMINATION (1985) 1st
 メイスとは棍棒の先にトゲトゲの鉄球が鎖でつながった、ゲームでもおなじみの武器。
 CRO-MAGSみたいな「メタラー+パンクス」バンドであるが、あんなシャープな音ではないにせよ、強烈なアルバムである。
 横に水置いたら勝手に沸騰してそうな、もの凄い熱気である。音質がかなり劣悪な作品だが、そんなこと関係ない。こんな突っ走ってる作品知らん。神棚に飾っておきたいようなアホメタルである。
初心者おすすめ度 :
 
ヤケクソ度 :
 
お騒がせ度 : 
 
ジャケットもキテますなあ度 :
 
総括 : セカンドはつまらんかったなあ...

NAPALM DEATH
(UK)

FROM ENSLAVEMENT TO OBLIVION (1988) 2nd
 日本人から欧米人まで、小学生からじいさんまで、これほど幅広い層からアホ扱いされる音もないだろう。家族が一番迷惑する音である。メタルなど一度も聴いたことない人も、メタル歴20年以上の人も、これ聞いて持つ印象はあまり変わらない。何をやってもよい、というハードコアルールにおいてはひょっとしたら「最強」の音かもしれない。しかし最強がすべて魅力的だとは限らない。音楽ではなくこれは「轟音」である。
初心者おすすめ度 :
 聴くな。避けろ。逃げろ。
ヤケクソ度 :
 
お騒がせ度 : 
 
うんこ度 :
 
総括 : 最近の作品はこれまた素晴らしいのでありますよ、冗談抜きで。

OBITUARY
(USA)

SLOWLY WE LOT (1989) 1st
 かつて個人的に、そのハードコア加減に一番インパクトを感じたという「最エキストリーム作品」だったが.....今聴くとヘぼいね。わはは。怖さよりアホさが目立って聞こえたりして。
 しかし個人的にはデスメタル初体験のアルバムだった。ボーカルはやっぱり凄いなあ。
初心者おすすめ度 :
 
ヤケクソ度 :
 
お騒がせ度 : 
 
背中さすってあげましょうか?度 :
 
総括 : でもまだ生きている。

SODOM
(GERMANY)

GET WHAT YOU DESERVE (1994) 7th
 何があったのだ!と思うくらいの必殺ハードコア路線。当時はハードコアすぎてついていけなかった。ブチキレもいいとこである。
 ジャケットもベッドの上、デブのおやじの血まみれ惨殺死体。よくもここまでやるよなあ。このアホさについていくには音楽を超えた趣味が必要かと。
初心者おすすめ度 :
 
ヤケクソ度 :
 
お騒がせ度 : 
 
耳が爆裂してしまいますがな度 :
 
総括 : この時期の2、3枚の狂い加減は凄かった。荒れてらしたんですかね。

WARGASM
(USA)

WHY PLAY AROUND ? (1988) 1st
 アホだと笑われる、あるいは怖がられる、そういうコンセプトは持っていなかったように思うが、しかし「肉食」のイメージが強烈に濃かったバンドである。朝から牛丼特盛5杯である。メタリカ風のリフが嵐のように舞う作品だが、どういうわけか精神年齢の非常に高い感じがする作品だった。もちろん精神年齢が高い=品行方正ということではない。プロレスラー並に体力のあるホームレスみたいな連中だった。
初心者おすすめ度 :
 
ヤケクソ度 :
 
お騒がせ度 : 
 
屁がくさそうだぜ度 :
 
総括 : ファースト以外はプーです。



アホメタル表紙へ

inserted by FC2 system