1971年
レッド・ツェッペリンが「天国への階段」を生んだ年。
イギリス勢力が全盛期だった時代。
個人的評価100点満点作品 全23枚
URIAH HEEP |
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名曲 |
初期の名曲"Lady
in Black"収録。人間椅子もぱくったという、なんとも昭和演歌調の曲です(本当だから聞いてみてください)。この曲だけは本当に素晴らしい。「天国の階段」何するものぞ、71年の名曲ベスト1と私は言いたい。 タイトル曲も名曲中の名曲であるが、アルバム全体的には地味かもしれない。次に来る同年リリースの歴史的名作"LOOK AT YOURSELF"の序章と呼ぶのは、少し違うような気がする。このセカンドアルバムにはこのアルバムのカラーがちゃんとある。 |
SAVOY BROWN |
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名曲 |
SAVOY BROWNはあのFOGHAT(フォガット)の本家。リーダーのキム・シモンズを除くメンバーほとんど全員が脱退し新しく結成したのがあのFOGHATだった。FOGHATより少々渋い雰囲気の大人のロックが味わえる。メンバーは当然若いが、それでもクールで渋い、悪く言えばおっさんみたいな音だった。 STATUS QUOが表ブギーバンドならこのSAVOY BROWNは裏ブギーバンド。全曲ブギーというわけではないぞというところはSTATUS QUOと同じ。名作は他にも何枚かある。 |
THE DOORS |
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名曲 |
前作"MORRISON HOTEL"は重々しいノリのあった作品なのに、まさに人が変わったというやつか、かなり軽いタッチの作品になっている。しかしファースト以上のTHE DOORS最高傑作と讃える人もいる。これほどフットワークの軽いピアノサウンドを聴かせる作品もない。 |
LED ZEPPELIN |
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名曲 |
71年最高の名曲集。20位とは何事、耳がついてんのか!と怒る人もきっといらっしゃるだろうが、こういう耳なもんで、仕方がない(泣)。 1971年というこの年に出たアルバムを10枚も知らない若かったときは、そりゃこのアルバムに勝つアルバムなどひとつもないと思ってたが、そう思いながら聴いているうちにも飽きが進み、今さらどこかで鳴っていてもおーっ、と思うどころか、逆にしんど〜、と思ってしまうというところ、このアルバムについては今はもう思い入れも何も失せた。 ただ、"the Battle of Evermore"や"When the Levee Breaks"なんて、ガキのころはかったるいと思っていた曲が、今聴いたら素晴らしい。"Black Dog"がやはりアルバム1番の名曲だ。 |
THE FACES |
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名曲 |
目の見えない馬にはうなずきもウインクも同じことだ、という意味から転じて日本盤タイトルは「馬の耳に念仏」。本当にそう意味にもなるらしい。「寝耳に念仏」と言う子供が知り合いにいた。 そしてこれはロッド・スチュアート&ロン・ウッドのバンド。ロン・ウッドはこのバンドからローリング・ストーンズへ引き抜かれた形となった。 音は、ローリング・ストーンズがあのツラのままでネクタイ締めて正装したようなサウンド。名曲"Stay with Me"は全ロックファン必聴。ハードロックではないが、途中で走るところがかっちょええ。 |
NAZARETH |
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名曲 |
NAZARETHのセカンドアルバム。初の名盤ということでどれほど元気なロックンロールが聴けるのかと思えば、ハズレ。それはもう少しあとの姿。 このアルバムのサウンドは一言で言ってプログレとブルースが合体したような、誠にへんちくりんな音である。曲がいいから名作。オーケストラが全面参加なんて曲もある。あの人相の悪いダン・マッカファーティーがどんな神妙な顔して歌ってたのだろう。 |
DEEP PURPLE |
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名曲 |
"Fireball"、前につんのめりながら突進する空威張りな勢いは今聴いてもめちゃくちゃかっこよく感じる。個人的にはこのアルバムはマシンヘッドの5倍素晴らしいと思う。 突進する曲もあればお昼寝してくださいという曲もあって、"Anyone's Daughter"などは走る曲と見事な対比をなすこれも名曲だと思う。この若い時期から結構おっさんくさい曲もやっていたということで、やっぱり只者じゃなかった。 |
BLACK SABBATH |
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名曲 |
オープニングがパラノイドではなく、"War
Pigs"である。それだけのことが、何か深く感じた。 私は「パラノイド」など高校生のときにすでに飽きていた。しかしブラック・サバスの魅力は、わかりやすいこの曲に凝縮していたわけではない。"War Pigs"は歌1/5、演奏4/5というまさにインスト重視というポリシーがあらわれた名曲。 "Iron Man"は元祖秒殺のロード・ウォリアーズの入場曲。懐かしいなぁ〜〜。 |
JANIS JOPLIN |
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名曲 |
悲劇の歌姫とか、そんな喩え文句は日本のねえちゃん歌手にでもくれてやればいい。間違っても姫という音ではないのだ。あれこれ物語は他のサイトでお勉強していただくことにして(しかし映画"THE
ROSE"が永遠の名作)、しかしこのアルバムは結構、というか、かなり渋くてかっこいいロックである。スタンダード、教科書。バイブル。こんなカッコいい音に女性も男性もない。"More
Over"は誰でも絶対聞いたことがある歴史的名曲。いまだ新作映画のBGMに使われているような曲だが、アメリカではいまだに熱狂的ファンが生きているという証拠である。こんな音を作った人なんだから、悲劇の何とかという形容は似合わない。 "Cry Baby"がこれまた何の映画だったか、たくさんの赤ん坊が口開けて泣くシーンに流れて、本当にハマっていて大笑いした。 |
EMERSON, LAKE &
PALMER |
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名曲 |
セカンドアルバム。この時点では「展覧会の絵」のような風格のプログレッシブロックへ行くのか、まだまだ攻撃的なハードロックへ行くのか全然わからなかったような、いい意味の中途半端さが光る音。つまりどっちへ進んでいてもこの人たちは絶対に名作を生んだ。 途中で少々退屈になるけど、このアルバムの凄さはギターレスサウンドのかっこよさ、それに尽きる。 |
STATUS QUO |
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名曲 |
ハードロック噴火直前のSTATUS QUO。ハードロック、メタルしか聴かないというリスナーにはまだまだ眠たい曲が並んでいるが、しかしイギリス版ジョン・フォガティー(CCR)とも言えるギターの妙、この時期にすでに名人肌である。特にブルースロック、ソロの微妙なメロディアス加減が素晴らしい。よくあったギターサウンドかもしれないが、よく聴けばこのバンドにしかあり得ない音だった。 |
PINK FLOYD |
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名曲 |
「吹けよ風、呼べよ嵐」はアブドーラ・ザ・ブッチャーの入場曲。歳がばれる。 これは本当に名曲。曲自体も名曲であるし、効果音の凄みも映画級。 1971年リリース当時、"One of These Days"の日本語タイトルは最初の初めから「吹けよ風、呼べよ嵐」だった。当たり前の話だが、なんか凄い。歌なしのこの曲、実際曲のカラーを見事に表現しているのは日本題のほうなんですから、これぞ名邦題である。 レコードB面全部使った25分近くある曲"Echoes"もまた、長さをまったく感じさせない名曲。曲がアホみたいに長い、しかし名曲だ、というバンドは私の育ちではこのバンドが唯一である。 |
FOCUS |
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名曲 |
ライララライララライララライララライララライラララ パッパーと書いてたら文字がただの絵に見えてくるが、歌はこれのリフレイン。そしてギターリフが強烈。音こそ違うがGUNの"Race
with the Devil"と同色の衝撃だったのがオープニングナンバー"Focus
Pocus〜悪魔の呪文"だった。 オランダの生んだ世界一、この1曲で伝説を作った。この歴史的名曲以外は、ヨーロッパ大陸産のプログレが好きな方でなければとりあえず退屈な曲ばっかりかもしれないが、したった1曲で名盤と言い切れてしまう作品である。ただ聞くことが大きな体験になるという、本当に名曲中の名曲。 YOU TUBEなどではこの曲のライブ映像を見ることができるが、全盛期のディープ・パープルが子供のお遊び、というか全然別物だと思えるくらいの超絶ウルトラテクニックバンドでもあった。 |
ベスト10!
MOODY BLUES |
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名曲 |
「童夢」なる素晴らしい日本タイトルがついた作品。この語こそこのバンドの音楽性をピタリと言い当てている。 暖かいメロディーラインを歌うスケールの大きい人類愛唱歌を謳うバンドでありながら、物凄いテクニック集団というカラーを出しはじめてきた作品。 昔、私は"the Story in Your Eyes"をどうしてもバンドでやりたくて、ベース兼歌のワタシは指から血が出るほど練習したんですが、結局断念した(というかドラマーが先にめげやがった)。素人ではプログレはコピーもできん。だからプログレッシブというのかもしれない。しかし何度聴いてもこの曲のベースは凄すぎる。柔らか〜い暖かい曲なのに。 |
PATTO |
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名曲 |
ロジャー・ディーンといえばYESやURIAH
HEEPのジャケットで有名、幻想的なタッチの絵を描く名人で、このジャケットもロジャー・ディーンというのが「??」である。 コミカルタッチの中に斬新なアート性うんだらかんだら言う人は絶対いたと思うが、この絵は実際、酔っ払ってやったやっつけ仕事なんじゃないか。 このセカンドアルバムではジャズテイストも強かったスーパーギタリスト、ピーター・ハルソールの腕はさらなる冴えを聴かせると同時に、ロックファンにもずっとわかりやすくなったす。曲もかなりわかりやすくなった。 |
THE ROLLING STONES |
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名曲 |
当時のレコード盤は↑このジャケット、ちんこのところに本物のファスナーがついていた。私は持っていたが、誰かに借りパチされた。今ならプレミアもんだと思う。 無敵のアンプラグドロックですなあ。この当時の連作中、えらく痩身な感じのするサウンドであるが、痩身というところがストーンズらしかったのだ。 体重はこの時期の倍近くになっているであろう2000年過ぎのストーンズ様でであるが、しかし音だけは何とか痩身をキープされておられた。 |
DEREK AND THE DOMINOS |
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名曲 |
名曲の宝庫! エリック・クラプトン&デュアン・オールマンの1作きりのスタジオ作品。LP2枚分のボリューム。 当時はブリティッシュロックとアメリカンロックの結婚などと言われたそうだが、確かにそういう両親を持つ音である。アメリカンロックがルーツの曲はワイルドに、ブリティッシュがルーツの曲は行儀良く。この聴きやすさを敬遠するマニアも昔から多いが、そういう奴に限って、誰も見ていないところで「レイラ」を聴いて泣いてたりしたと思う。名曲集は誰が聞いても名曲集である。 |
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名曲 |
凄いぞこのバンドは。誰もこんなバンド知らんけど、ジャケットはYESなどでおなじみのあの人。 大阪の西田辺だったか、けったいな中古レコード屋があって、そこのオヤジに聴けと言われて、買わされた私は当時14歳。無茶な話もあったもんだが、当時はほとんど聞かずに放っておいたものを、おっさんになってふと聞いて、物凄く感動してしまった。 ナイジェリアからロンドンに留学に来ていたミュージシャンが国に帰ってメンバー集めて作ったという、正真正銘アフリカのロックバンド。 それはもう、ただのロックで済むわけがない。 パッパカパッパカとホーンセクションもド派手に踊るファンキーなスタイルだが、コンセプトはダンスなどではなく、もちろんアフリカの大地。アース・ウィンド&ファイアーあたりのコンセプトとも大いに共通するものがある。 おもしろアイテムとして買うだけでも価値ある逸品。日本盤のCDの再発はまだないようだが、レコード盤は70年代当時リリースしたアルバムがほとんど日本盤でも出ていた。このアルバム2曲目"the Music for Gong Gong"の日本題は「狂熱のゴン・ゴン」という。そのセンスも相当凄まじい。 95年あたりに復活しアルバムも2枚出しているが、70年代ほどのインパクトはなかった。 |
THE FLOWER TRAVELIN'
BAND |
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名曲 |
日本の誇る世界一。なんとも信じられない話だが、あの内田裕也が手塩にかけて育てたのがこのバンド。1970年の大阪万博で、ステージの周りに60台ものバイクを走らせ観客を呆気に取らせたのもこのバンド。 オープニングのインパクト、これはまさしく音楽版ゴジラで、知識人が何と言おうが、日本のロックが世界に向けたアピールとしてはこれしかないぞと思う。 ボーカルのブチ切れ様も相当なものだが、CD化に際してどれほど音が触られているのか全然わからないにせよ、この重々しいギターリフはヘヴィ・メタルそのものである。哲学的なカラーはこのタイトルだから当然大きく感じられるも、まず最初に耳に飛び込んでくる音の印象は、素直にへヴィ・メタルだったりする。本当である。 というわけで、今ここを読んでくれてるメタルファンはこの時期の音に興味を持たれてるということですから、このアルバムを探して買い、そしてこれが日本のバンドであるということを誇らなければなりません。 |
YES |
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名曲 |
プログレッシブロックの世界的名作であると同時に、何がプログレだとも思わせる総合ロック作品。 単純にハードロックというカラーだから今なお知名度があるんだと思う。かつてあれほどぼくらが騒いだレインボーとかMSGとか今、口にするのはほとんどおっさんリスナーだけだったりする。勝ち負けの話ではないが、ハードロックというジャンルにおいても40年後まだなお大きく評価されていたのは実はこのアルバムだった。若い一般洋楽リスナーは誰でも"Roundabout"のイントロを知っている。 "Roundabout"はあくまで激しくカッコよく、そして"Heart of the Sunrise"は感動的極まる。何年も聴きやすい場所にある音なのに、全然飽きない。 |
第3位! |
BLACK SABBATH |
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名曲 |
ハードロックの名作ではなく、これはどうしようもなくヘヴィ・メタルという作品。無茶なアルバムだった。無茶にこそ活路を見出したという、実際のところ大変前向きで勢いのある音楽性だったのだ。こんなに暗い音でも。 ブラック・サバスのこのアルバムがハードロックの殻を破った音を創り出した。正真正銘、歴史上初のへヴィ・メタルサウンドである。何から何まで凄い作品。 重苦しいサウンドは70年代数々あったが、音そのものがここまで重いバンドはまずいなかった。 |
第2位! |
URIAH HEEP |
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名曲 |
鏡みたいな銀紙が張ってあって、そしてこのタイトル。私が持ってる日本盤のレコードは最初から1cm先の指も映らないしょぼい銀紙だったが、ちゃんと顔が映る豪華仕様もあったらしい。 "Look At Yourself"の、水車が高速度で回転しているような異様な疾走感。"July Morning"の津波のような曲展開。この2曲は個人的に70年代の名曲5本の指に入る。 日本盤の「対自核」というタイトルは奇をてらっただけで、ハズレだと思う。音と全然フィットしない。これはわかりやすい、聞きやすい音なのだ。 |
第1位! |
MOUNTAIN |
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名曲 |
これは1971年ベストアルバム。"Mississippi
Queen"はこのアルバム収録ではなく1作前のファーストアルバム収録だった。 ミシシッピ・クイーンなんてこのバンドのレパートリーの中では大したことなかった。私が勝手にそう思ってるだけだが。"Travelin' in the Dark"は耳にこびりついて離れない名曲。アメリカンロックを超えたアメリカンロックである。幌馬車に乗りたい気分になってもあなたはアホじゃなく、当然の反応である。 84年と96年、2回の再結成を果たしているが、誰も知らないのが悲しい。2002年にも新作が出ている。ギタリストのレズリー・ウェストは2010年過ぎた今も現役バリバリで、ソロアルバムもしょっちゅう出している。 |