1981年
ハードロック、メタル編
メタル元年と言われた前年80年よりも
名作の多かった年。
よくもこれだけ...というくらい
有名な作品が並びます。
個人的評価100点満点作品 全34枚
THIN LIZZY |
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名曲 |
7年ほど後、ゲイリー・ムーアの有名作品に“WILD
FRONTIER”というのがあるが、あの世界のシン・リジー版がおそらくこれである。それがタイトル曲の“Renegade”。号泣などしないし、全然さりげない。だからこのバンドらしかった。 残念ながらこの作品のリリース当時の評価は「中」くらい、名盤を数多くリリースしているバンドの中にあって凡作扱いされている作品である。しかし私はめちゃくちゃ好きである。 |
HANOI ROCKS |
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名曲 |
わけのわからんタイトルがうっとうしいが、しかしサウンドは堂々たるメジャーハードロックだった。個人的には今なお気合いを込めて聴いている(?)フィンランド産バンドの初体験がこのバンド。 このファーストが一番勢いがあって一番ハードロックである。ロック原点回帰現象の仕掛け人みたいに言われていたが、あれは晩年の姿。ファーストアルバムはロックンロールというよりもろハードロックである。 踊れ踊れの印象は確かにあるが、ロックンロールバンドのお話中かなり高い位置に置かれるアティチュードやスタンスなんてもんは思い浮かばず、ただただ重量感を欲する耳が喜んだ。このサウンドは純に重く分厚いです。オープニングはいつ聴いても鳥肌モノである。 ただし巷のメジャーロックと比べてテクニック面で大いにへたくそ(泣)。そこもまた大きな味であるが。 |
THE RODS |
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名曲 |
こんな音がNWOBHMムーブメントと同時期、アメリカで出ていたということが非常に興味深い。 なるほど、当時よく比較されていたY&Tよりはかなり都会的な感じがする。コンクリートのひやっとした感触が全編に漂っている。 クリアで明快なサウンドではあってもアメリカンロックのあけすけな印象はない。都会のヘヴィ・メタル。 |
TYGERS OF PAN TANG |
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名曲 |
マイナーくささが良心とされていたジャンルにあって、かなりメジャー寄りの、それでいてめちゃくちゃハードコア(もちろんこの時代において)な音を出していた。セカンドアルバムにして別のバンドになった。 正統にまっすぐブチ切れのジョン・デヴァリルの歌、正しくヘヴィ・メタルである。ジョン・サイクスのゲイリー・ムーア信仰風爆音ギターサウンドも聴き逃せない。 |
ULI JON ROTH &
THE ELECTRIC SUN |
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名曲 |
ウルリッヒ・ジョン・ロート率いるエレクトリック・サンの2作目。この時期にしてもう昇天しておいでである。ジャケット絵そのままの悠久なる宗教画の世界。天に伸びるギターサウンドが何か新しく発明された楽器の音に聞こえる。天上の旋律の先にはブッダが待っているのでしょう。ドラマーの名前がゴータマなんていったから、もう筋金入りなんて次元じゃない。 |
JIM STEINMAN |
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名曲 |
一時裁判沙汰になるほど険悪だったMEATLOAFとそのお師匠JIM
STEINMAN。たった1作だけ出ている、そのお師匠の作品である。 90年代最大のモンスターヒット作品“BAT OUT OF HELL II - BACK INTO HELL”で3曲、この作品からカバーされている。もちろん音は言わずもがなのオペラロック路線。ミートローフそのもののサウンドであるが、オペラ調の歌ではないこのサウンドも、ならではの味があった。 |
MEAT LOAF |
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名曲 |
そして同時期に出た弟子のサウンド。 77年のデビュー作「地獄のロックライダー」よりスケールダウンしているようでありながら、ハードロック風の味付けが非常に素晴らしいアルバム。 当時急上昇の勢いを見せたヘヴィ・メタルを意識したのか意識しなかったのか、メタルファンを全部奪ってやろうと思ったのか全く無視してたのか。全然わからないところが凄い。実際聴き進むうちに、大作映画に批評は無用という具合に分析を跳ねつけられてしまう。 81年といえば私がメタルにハマり出した時期、そしてこのアルバムが聴けたのは幸せだった。当時はアイアン・メイデンもレインボーも、そしてミートローフも全部メタルだった。当時のファンはみんな、細かいことは言わなかった。 このアルバムが一番ハードロック寄りの作品だと思うが、90年代リスナーにもおなじみの有名作品"BAT OUT OF HELL II"ほど豪華な音というわけではない。 |
DEF LEPPARD |
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名曲 |
モンスターアルバム"PYROMANIA"の予兆は確かにこの作品にあった。あのアルバムの予告編と解釈しても構わないと思う。ファーストアルバムがまるで10年前のものであるかのように化けている。 ジョー・エリオットが別人みたいにうまくなっているだけじゃなく、まずいきなり飛び出すギターリフの音質が完全にメジャーロック&アメリカンロック指向。偶然これを手にしたロック初心者がメタルファンになるのか否か、それを判断する試金石のような見事なスタンダードサウンドを聴かせてくれる。 |
GILLAN |
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名曲 |
色は“MR.UNIVERSE”“GLORY
ROAD”前2作とほとんど同じなので、続けて聴いておればそう大きなインパクトはなかったが、まあしかし異様にド激しいサウンドである。パープル残党の中でもっともヘヴィ・メタルと言われたのがこのGILLANである。 ぶつかったら絶対怪我しそうな、ガサガサでザラザラの手触り。むちゃくちゃケンカが強そうな音である。 ベテラン勢の中にあって異色中の異色だった。もしNWOBHMムーブメントの中にこのバンドがいなければ、以降のメタルの流れが変わったかもしれない。 曲タイトル中に“Bull”なんて言葉があるが、イメージはまさにそれ。荒々しいプロデュースがかえって良かった。 |
DARK STAR |
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名曲 |
"Lady of
Mars"はNWOBHMムーブメント中ベスト1のナンバー。 アルバムを聴けば他の曲がその名曲の水準ではないというのが痛いが、名曲1曲だけのアルバムとは言わない。まあまあの佳曲が並んでいる。 青くさい音の割に結構大味な、メジャーロックらしいプロデュースの曲が並び、実はアメリカ大陸制覇という野望を秘めていたんじゃないかとも思わせたりする。1作で消えたが、この路線が2作、3作と続いていたらデフ・レパード級の存在になっていた。 (いや、セカンドアルバムが出ていたのを忘れていた。完璧に駄作だった) |
COZY POWELL |
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名曲 |
あまりに劇的な名曲“Sunset”はこのアルバム収録。ものすごくわかりやすい玄人ロックミュージック。ゲイリー・ムーアが八面六臂の大活躍で、“Sunset”の号泣プレイから“the
Blister”の超絶プレイまで、はっきり言ってゲイリー・ムーアのソロアルバムじゃないかこれは言う貴方の耳は正しい。 ボーカル入りの曲がライナーノートの絶賛に反してかなりプーである点、生涯の名作だと言い切るまでには至らないが、コージーさんの親友だったんでしょうか、バスの運転手なんて人も歌っていて、そこはそこで別の聴き応えもある。 |
MOTLEY CRUE |
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名曲 |
お菓子、ケーキというほどお子さま向け女性向けのかわいらしさはなく、かといってやはり甘味がかなり効いていて、アルコール度かなり高めの酒だろうかこれは。毒のようなアルバムである。 当時はグラムロックがメタル化したと囃す評もあって、それは確かに正しかった。今聴いてもかなり効く。 スラッシュメタル級に激しい音であるが、やっぱりめちゃくちゃポップなアルバムである。 |
WHITESNAKE |
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名曲 |
ダラダラやってこそ味があると言われるブルースロックを、再構築というかリ・オーガナイズというか、これだけわかりやすいものに改造してくれたということで、これは歴史的なロックアルバムである。 全曲、イントロのノリで最後まで行ってしまうというとてつもないポップ作品でもある。レコードを45回転にすれば(...って言っても若い方にはわからん、要は速回しにすれば、ということなのだが)、ラモーンズになったりして。 |
Y&T |
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名曲 |
個人的には、あまりにざらざらした音と重量感のなさがあまり好きでないが、良く言えばオリジナリティーがヘヴィ・メタルの重さやウネリすらキックアウトしている感じで、実際オーディオのbassを触ってもあまり音が変化しないような音質である。 重量間に難ありかもしれないこと音が、実際イギリスの普通のメタルバンドよりは100倍ヘヴィ・メタリックなインパクトがあった。この激しさこそヘヴィ・メタルの新解釈と言っていいかもしれない、そういうアルバムだった。まだ81年ですぜ、これ。 |
RIOT |
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名曲 |
77年"Warrior"、79年"Narita"に"Road
Racin"、あれだけの名曲出してて本国では盛り上がらなかったというから、単純至極にアメリカにはそういう土壌がなかったことになると思う。しかしこのバンドはめげなかった。 "THUNDERSTEEL"でステイタスを確立したのは88年、オリジナルメンバーはマーク・リアリ1人だけというあのラインナップになるまで6枚ほどスタジオ盤をリリースしている、比較的今のライオットに近い音を出しているのがこの3作目である。佳曲の宝庫である。アナログな感覚、レコード盤が本当に似合っていた音。 しかし新生になってからどうしてこのラッコ?オットセイ?は消えたのだろうか。 |
TANK |
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名曲 |
小型モーターヘッドというありがたいんだか迷惑なんだかわからない謳い文句でデビューした彼らであるが、プロデューサーがモーターヘッドのギターのエディー・ファスト・クラーク、3人編成でまた汚いかっこうが似ていた...というところ、もうどうしようもなくそれ風だったが、今じっくり聴けばモーターヘッドとの共通点と聞かれても、ありそうななさそうな、完全に独立したサウンドたと思う。小型とは何と失礼な。 とりあえずこのファーストアルバムでは、鉄ゲタ履いて走り回っているかのようなやかましさが何とも異色かつ最高にクールである。曲名通り本当に“ブラッド、ガッツ&ビアー!なサウンドだった。 |
GREG LAKE |
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名曲 |
邦題では「グレッグ・レイク&ゲイリー・ムーア」となっていて、確かにこれは完全に共同作業のサウンドだった。 オープニングはゲイリー・ムーアバンドの“Nuclear Attack”。原曲はお蔵入りとなっていた(のち"DIRTY FINGERS"となって陽の目を見る)名曲である。 これが弾き倒しの超絶ギターロックサウンドかと思いきや、実にアダルトなグレッグ・レイクの曲になっている。 ぼかすかケンカして超絶のロック感覚を叩き出すバンドもおれば、こういう素晴らしい調和の味わいを出してくれる人たちだっていたのがこの時代の音の素晴らしいところ。 全曲、ブリティッシュロック穏健派の帝王グレッグ・レイクがハードロックという音楽を自らのフィールドに引き込んだかのような印象。誰かが昔、メタル風にとち狂ったグレック・レイクのアルバム、のようなことを言っていたように思うが、それは違うと思う。 さすが「エピタフ」「クリムゾン・キングの宮殿」のボーカリストはダテじゃなかった。 |
THE MICHAEL SCHENKER
GROUP |
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名曲 |
中音域に固まりすぎたその音質をしてミスプロデュースだとか当時はいろいろ言われたが、さすがに曲の素晴らしさが異論をねじ伏せた。 UFOの“OBSESSION”あたりからダイレクトにつながるバンド一丸作品だ思う。名曲の数、名曲の説得力が違う。 |
PRAYING MANTIS |
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名曲 |
ファーストアルバムから何というアダルトな。 いや、アダルトなロックという印象ではなく、目指す場所が他のバンドと全く違い、ぎこちない場面もありながらも、一般ロックの一般リスナーを狙っていたかのような、分かりやすいメロディアス路線であった。 きれいなコーラスにポップなメロディー、これほどの高品質なサウンドは売り方さえ良ければ必ずアメリカのリスナーも認めたはずで、そのへん、鎖に皮ジャンという土地ならではの舞台装置の仰々しさがかえって足かせになったんじゃないかなと、このバンドに限ってそんな不謹慎なことも考えてしまう。当時から、メタルファンの評価は完全に二分していた。 ただ、曲の質はイギリスの新人では群を抜いてトップクラスだった。 |
BLACKFOOT |
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名曲 |
アメリカンサザンロック+ヘヴィ・メタル、すなわちレーナード・スキナードのハード&ヘヴィー版という個性が確立した代表作品。 メンバーの何人かは見てくれからして完全にそれ風なんだったが、インディアンを先祖に持つ人たちである。なるほどのメタルサウンドである。 このホコリくささは東西随一。アメリカンロックファンを自称するなら聴かんとあかんよ。 "Dry County"聴いて腰抜かせ。この曲に限りあの名作ライブアルバムバージョンよりこっちのスタジオバージョンのほうが良い。 全体的にへヴィ・メタルに迎合したサザンロックというより、あまりの男っぽさ荒々しさが母体を太い綱でもってごわっとメタルのジャンルに引っ張り上げたような雰囲気である。 |
ACCEPT |
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名曲 |
2010年過ぎて年間ベストアルバムクラスのアルバムを出したこのバンド、この名作が81年。サードアルバムである。単純に、息の長さに驚愕する。 スコーピオンズという大先輩がいたが、それでも、ジャーマン初のワールドワイドヘヴィ・メタル作品という感じがする。とにもかくにも、空中を舞うツインリード、ウド・ダークシュナイダーのボーカルが強烈過ぎた。当時は、今で言うエキストリームメタル同等のインパクトがあったと思う。 |
OZZY OSBOURNE |
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名曲 |
残念ながらランディ・ローズの遺作となった。 仮にオジーの指図であってもここまでオリジナリティーの完成に心血を注いだギタリストは、古今東西1人だっていない。ソロの妙はリッチー・ブラックモアと並び、リフの重厚さはブラック・サバスと並ぶ。各曲のソロはまさに名演の連続だった。 ライブのレパートリーでも何でもなかったが、“You Can't Kill Rock 'n' Roll”、“Tonight”、“S. A. T. O.”そしてタイトル曲等、単純に曲的に、まったくの名曲集である。 |
SAMMY HAGER |
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名曲 |
アメリカンロックの良心、全年齢のリスナーに安堵感と満足感を与える大スタンダードである。 激しい曲もスピード感あふれる曲もちゃんとありますが、それでもこの人はぶりぶり怒ってなどいない。と怒るなんて態度はこの人の辞書にはない。そして踊りもしないし、かぶりモノもないけど、音楽そのものが最高のエンターテイメントになっている。いつまで経っても名作中の名作と思える名作。 |
MOTORHEAD |
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名曲 |
この作品以降のモーターヘッドがダメだ、などとは毛頭思わないが、それでも歴史総括・集大成の雰囲気すら感じさせるのがこのライブアルバムである。 ギター音なのかベース音なのか全然わからんドガドガのガギガギの凶器サウンドが、ライブならではの臨場感を持って再現されており、その効き目たるや今のリスナーも卒倒モノである。この強さに匹敵するサウンドなんてあるのか。 現在の過激ブラックメタルあたりすら、この音を前にすれば口だけやかましいチンピラになってしまう。30年以上経った今聴いても、その凄みは何も全然変わっていない。これを書くにあたって久しぶりに聴いたが、やっぱり興奮するのなんの。 実際のライブに比べ実況録音にすぎないレコード(CD)はその凄みの10分の1も伝えていない、などとよく言われるが、だったら、このアルバムは10分の1でこの凄みだ、この時期の生音は一体どれほど凄いものだったのだろう。 ベストチューンはレコードで言えばB面中途に炸裂する鬼神レミーの叫び! |
ベスト10!
IRON MAIDEN |
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名曲 |
ファーストはあの場所あの時代が生んだ革命的な作品だったが、そのメジャーロックスタイルという最高の形でセカンドアルバムが完成する。メジャーだから聴きやすいなんて、とんでもない。 より多くの人に即効的効き目を与える、それこそメジャーロックです。メタルの最高形態である。恐さすら感じさせるこの一方的な凄みが、ヘヴィ・メタルとは何たるかを世界中のリスナーに知らしめた名作中の名作である。 |
SAXON |
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名曲 |
NWOBHMの頭領たらんその存在感の理由付けでセカンド、サードアルバムを最高傑作とみるファンも多いですが、曲でいえばこの4作目がベストである。シンプルなリフに歌とリズムが徐々に重なっていくオープニングナンバーは鳥肌モノ。 デビュー2年そこそこで、10年選手に匹敵する玄人サウンドです。それが走るわ暴れるわしてくれるもんだから、この極上の聴き応えはもう何と表現したらいいか。 |
LUCIFER'S FRIEND |
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名曲 |
通算8作目、硬派なイメージのジャケットから飛び出したサウンドは何と、贅肉をすべて削ぎ落としたソリッドなヘヴィ・メタルだった。 カラッとアメリカンな音質でメロディーもそれ風だが、ベテランでありながら視点というものが若手と同じ位置にあり、とにかくすべてが若々しい。 ここまでの意欲作が売れなければそりゃあ解散もするわな。というわけでこれがラストアルバムとなった。(94年再結成、最高傑作を届けてくれるも、また全然売れず、再解散した模様(泣) |
VENOM |
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名曲 |
こんな唐突な始まり方する作品があるか。何だこれは!と、一番最初に耳に接する部分でそれはもう物凄く究極的に衝撃的なアルバムだった。 代表曲“Witching Hour”の恐怖の世界。本当に恐怖である。パタパタと最後まで鳴っているバスドラが本当に不気味で、まるで呪術のBGMである。スラッシュメタルの粗暴な連中だってこれに比べれば健康的極まりない。 ずばり、90年以降のブラックメタルの元祖である。 こんなアルバムが1981年という時期に世に出ていたのだ。 |
AC/DC |
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名曲 |
号砲一発、このジャケット。アメリカビルボードで初登場1位、80年代メタル初の快挙だった。 通算9作目になる作品であるが、昔の作品からずっと通して聴いているとそれこそ見事な立志伝を読んでいる気になった。まさに80年代のレッド・ツェッペリン。 |
BLACK SABBATH |
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名曲 |
“Sweet Leaf”なんて曲があるが(71年作品“MASTERS
OF REALITY”収録)スローでこそ光ると言われたドゥーミーな超個性が音効果そのままでスピードを上げ、走ったら一体どれほど凄いものができるんだろうという大きな期待に答えた、これも名作中の名作。 信じられないことにトニー・アイオミがケツをまくって走った。その意気や「ネオンの騎士」どころではない。レインボーファンも聴いておくれ、という前作の幾分八方美人的なカラーはどこにもなく、それゆえ前作で初めてファンになったリスナーの一部を落胆させもしたかもしれないが、迫力と余裕が異様に際立ったこのサウンドはブラック・サバスの暖簾(のれん)を現代風に不動のものとした。オープニングの超重量級の疾走感は気絶級に凄い。 |
BILLY SQUIER |
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名曲 |
しぶしぶのブラックがよく似合うアダルトなハードロック。いわゆるメロディアスハードではなく、それの典型と比べれば100倍くらい音が太い。かなり重々しいし、ウネリもかなり効いてます。アメリカではヒットチャート上位にも顔を出し、かなり売れた作品だと記憶している。 以降この人もロックンロール化していくが、この作品に限ってはヒットチャートにおけるヘヴィ・メタル風音楽を教科書的に実践していたと今では思える。 そのへんのメタルミュージシャンとは異質のカッコ良さだから、聴いてない人は絶対に聴いて体験してほしい。 |
第3位! |
RAINBOW |
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名曲 |
この作品がなかったら、そしてレインボーがいなかったら、例えば90年代前半、パンテラのアルバムがアメリカヒットチャート初登場第1位になったような状況(...つまりリアルさを武器に世相を反映するもしくは世相を作るようなバンドがシーンを統治する状況)が5年くらい早く来ていたと私は思う。2000年にもなればハードロック/ヘヴィ・メタルという音楽は、暖かい人間の感情を忘れたまま機械モンスターへと進化していったことだろう。 つまり、メロディアスハードロック、メロディアスメタルはこのバンド、このアルバムによって完璧に完成した。 このアルバムがなければ私の80年代メタルに対する愛着もない。音楽の神様本当にありがとうの1枚。 |
第2位! |
RUSH |
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名曲 |
ラッシュの最高傑作。初めて聴いたときは(というか、今もそう)この音の分厚さにブッ飛んだ。映画よりすごい音楽、まさに映像を超えた音である。 “Tom Sawyer”はパノラミックロック大賞歴代ナンバー1。 頭脳派集団とかハイパーIQバンドとか、このバンドに対する一般的評価は何か普通の人間にとっては遠いことばかりに偏っているようであるが(ライナーノートの解説なんて全然意味わからん)、ハードロックバンドとしては歴代5本の指に入るであろう売上げを記録している欧米において、当の欧米の人たちが日本人ライターのおっしゃるような高尚で狭義的な解釈を持って聴いているとは到底思えない。この音は本当に門戸が広い!! |
第1位! |
BLUE OYSTER CULT |
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名曲 |
アメリカ史に残るロック作品。 日本では惨敗に等しい売上げだったそうだが(ずっと後に評価された模様)、アメリカでは名作の名に恥じないセールスは記録した。 何が凄いといって、これほどまでの絵と奥行きを持っている音なんて滅多にない。70年代早くにヘヴィ・メタルという言葉を歴史上初めて使用したバンドとして有名であるが、ヘヴィ・メタルは音という形ではなく精神世界のこと、その概念を堪能しろ!という、まさにバンドの歴史を代表して語る作品だった。 |