1980年
ロック編
 (ハードロック、メタル以外)


さて、この年から80年代、
「ロック編」と「メタル編」に分けて紹介します。

すごい数の名作が。

ちなみに番外編もあります(↓一番下)


個人的評価100点満点作品 全37枚


VILLAGEPEOPLE

37位!

UTOPIA
DEFACE THE MUSIC


名曲

聴いた人が決めよう

 まるっきりビートルズのパロディーアルバム。笑わせるだけでなく、繰り返して聴いてしまうところが名作たるゆえん。こういうことは本当に限られた人たちしか出来ない。トリビュートとか言って誤魔化さず、年に誰か1バンドくらいは本気でこういうアルバムを作ってほしい。




36位!

STRAY CATS
same


名曲
"Runaway Boys"
"Rock This Town"
"Rumble in Brighton"
"Stray Cat Strut"

 90年代、ビッグバンド風のブライアン・セッツァーバンドも素晴らしいが、意外といえば意外、なるほどといえばなるほど、どっちなのか、今のサウンドにもおもいっきり共通するロック万歳根性はこのデビュー作品ですでに大きく花咲いている。
 形でいえばロカビリーだが、80年というこの時期に、この人たちがロカビリーという音楽に付け加えたパーツのほうが、ロカビリー本体より絶対大きかった。かもしれない。




34位!

YES
DRAMA


名曲
"Machine Messiah"
"White Car"
"Does It Really Happen?"

 内容は結構ハードロック寄りで、すごくストロングな音であり、早くもプログレッシブロックから勇猛果敢に距離を置いたようなアルバム。
 この、肉体改造したかのような雰囲気は新メンバージェフリー・ダウンズ(のちASIA)、トレヴァー・ホーンの2人のおかげ。YESらしくないという評もあったが、だからといって内容が良くないとは限らない。
 この2人は同年あのTHE BUGGLESを結成する。




33位!

GENESIS
DUKE


名曲
"Behind the Lines"
"Turn It On Again"

 もしスピーカーを震わす重低音が加えられていたなら、とてつもない名作になったと思われる作品。
 しかし物足りないという印象はない。この重量感ゼロという空気=何か新しいジャンル、という気が確かにする。
 フィル・コリンズ、この時代まだまだ若かったキューピーおやじに陰鬱な印象はまだ似合わない。プログレッシブロックの最ポップサウンドという解釈もありかと。




32位!

BOB SEGER & THE SILVER BULLET BAND
AGAINST THE WIND


名曲
"the Horizontal Bop"
"Against the Wind"

 アメリカンロック最大の穏健派。ここまでくればもう、裏がないから素晴らしいのだと言いたくなる。裏を知っていても裏を歌わない、そういうミュージシャンを尊敬しろ。こういう世界がアメリカンロックの「親」であった、と信じたい。大ヒットしたタイトル曲は本当に和める。




31位!

THE ROLLING STONES
EMOTIONAL RESCUE


名曲
"Dance"
"Where the Boys Go"
"Emotional Reaque"

 ミック・ジャガーのファルセット唱法が賛否両論生んだ作品。私はあまり好きではない。オカマが爪先立ちで床を歩いているような声である。
 何曲かはさすがさすがのストーンズ節、しかしこのアルバムではそういう曲があまり目立っていない。
 結局アルバムとしては傑作だと思うが。




30位!

AIRPLAY
same


名曲
"Stranded"
"She Waits for Me"
"After the Love Has Gone"

 アメリカンAORの重鎮プロデューサー、デイヴィッド・フォスターとジェイ・グレイドンがバンド組んでアルバム出した、という作品。
 これがまた、音の感触はAOR風といえど、結構なハードポップ作品である。LOVERBOYよりも前にこんな音があったとは、という音。
 アメリカの新文化、大人のAORを味わえというそれ風の曲もあるが、活きて弾んで転げ回ってるハイライトチューンの勢いにAORの醍醐味がくすんでしまっている。ロック側の人間からすればそれで大歓迎である。




29位!

PETER GABRIEL
III


名曲
"Intruder"
"I Don't Remember"
"Family Snapshot"
"Not One of Us"
""Biko"

 世界に響く名曲"Biko"収録。
 ジャケット同様気色悪い曲で始まる。やっぱりさすがとしか言いようがない。
 陰であろうが鬱であろうが、スケールのでかさがまさにこの人の音楽。こういう雰囲気で幕を開けながら、ラストナンバー"Biko"、こういう締め括りとは恐れ入りました。
 ロックともポップスとも掛け離れたリズム感が支配するサウンドなので、退屈か一生の愛聴盤となるか、評価も極端なものになるだろう。しかしこれは決して環境音楽などではない。




28位!

DEAD KENNEDYS
FRESH FRUIT FOR ROTTING VEGETABLES


名曲
"Kill the Poor"
"California A'Ber Alles"
"Holiday in Cambodia"

 90年代になってもあちこちのバンドに顔を出していたハードコアパンクおやじジェロ・ビアフラ。
 これは自分が主(あるじ)であったバンドのファーストアルバム。
 パンクロックといえばパンクロックであるが、癖でいえばKILLING JOKEと並び世界一癖のあるパンクロック。ハードコアパンクというほど音は激しくないが、尖った気というものがハードコアパンクを大きく上回る。90年代以降のエキストリームメタルバンドに人気が高いというのもうなづける。




27位!

ELECTRIC LIGHT OECHESTRA + OLOVIA NEWTON-JOHN
XANADU


名曲
"Magic"
"I'm Alive"
"Xanadu"

 ELOとオリビア・ニュートン・ジョンとの共演。当時は夢の共演だった。音としてはアメリカの正しいお姉さんオリビアさんがELOに誘われてしまった、という摩訶不思議な音。摩訶不思議だから、ファンタジーである。曲もELO史上真ん中よりはぐんと上に来る佳曲のオンパレード。




26位!

THE ALAN PARSONS PROJECT
THE TURN OF A FRIENDLY CARD


名曲
"May Be a Price to Pay"
"People Games Play"
"Time"
"the Turn of a Friendly Card"

 オーケストラ楽団の手法でロック楽器を操り、映画音楽クラスの名曲をたくさん生んだこのバンド。大衆性で言えば地球的な名曲がこの時期の作品から生まれ出た。これぞポピュラーミュージックの究極、エンターテイメントの究極だと思う。
 本命!本命!だけしか聴かずそれに月何万も使うって、アホらしいぞ。そんなに音楽はカッカして聴くものではない。私が言っても説得力はない。
 しかしこのアルバムの音は音楽の神様の優しい手である。




25位!

JOHN WETTON
CAUGHT IN THE CROSSFIRE


名曲
"Turn on the Radio"
"Baby Come Back"
"Cold Is the Night"
"Paper Talk"

 ASIA結成直前のソロアルバム。
 ASIAほどスケールはでかくないが、しかしプログレッシブ畑から抜け出たジョン・ウェットンのポップな魅力が開花した名盤である。ジョン・ウェットンファンならずとも、包容力のあるメロディーが好きな人はぜひ。




24位!

BETTE MIDLER
THE ROSE


名曲
"the Rose"

 女性ロックシンガーの短い生涯を描いた映画"THE ROSE"、主演はかのベット・ミドラー。このおばちゃんは素晴らしい。アメリカのおばはん丸出しの人であるが、素晴らしい役者+シンガーなのだ。
 コメディーはそれはもう抱腹絶倒で、そして感動モノでは泣かせる泣かせる。この人はコメディーか人間ドラマしか出てないような気がするんですけど、出世映画、この"THE ROSE"で主役を演じたことによりアメリカではシンガーとしても認知されている。
 映画はみんなが言うほど感動的なものでもない。
 ジャニス・ジョプリンをモチーフにした女性シンガーの悲劇じみた生涯。意外と淡々とした映画である。
 だからこそ、私などおっさんになってから初めて素晴らしさが理解できたような映画だった。歌のシーンでは確かに感動である。タイトル曲はあまりにも有名。
 都はるみが宮崎アニメのどれかで、動物とかオバケが出てこないやつだったと思う、日本語で歌っていたのを知っている人はいるだろうか。(なかなかいい歌だったのだ)




23位!

U2
BOY


名曲
"I Will Follow"
"Twilight"
"Out of Control"
"Stories for Boys"
"A Day without Me"
"the Electric Co."

 90年代のベスト盤なるものも出ているが、U2は80年代で終わった。90年代〜今の、チャカポコ音に取り憑かれたU2を絶賛する人の気が知れん。全然違うバンドじゃないか。
 ファーストアルバムは100%別人である。
 寒村出身という空気のサウンド。決して暖かい場所から生まれて来る音ではない。でも、ここでだって人間は立派に力強く生きているのだという、人間の強さが美しく感じられる音世界。




22位!

THE J.GEILS BAND
LOVE STINKS


名曲
"Just Can't Wait"
"Come Back"
"Love Stinks"
"Till the Walls Come Tumblin' Down"

 いいな〜、このタイトル。80年代ロック・ポップス黄金時代の幕開けというこの時期、名曲が歌う内容はそのへん日本の歌謡曲と全く同様、愛やら恋やらぬかす浮かれた世界が多かったですが、そんな時期に"Love stinks!"、「愛など屁だ!」などと無頼なことをぬかすこのバンド。らしいぜまったく!、とファンは大喜びしたと思う。
 とかいいながら「ねえちゃんカムバック」という曲もあったりするが、この曲は結構ハードロックでかっこいい。




21位!

BOZ SCAGGS
MIDDLE MAN


名曲
"Jojo"
"Breakdown Dead Ahead"
"Simone"

 世界的ヒットになった76年"SILK DEGREES"、AORの名盤というだけあってあまりロックファンには縁のない世界。
 それが、このアルバムは曲がとにかく素晴らしいですからジャンルの壁を越えて私はよく聴いた。"Simone"は90何年にアンプラグドバージョンで再録音されたが、これは本当に名曲である。




20位!

CHEAP TRICK
ALL SHOOK UP


名曲
"Stop This Game"
"Just Got Back"
"Can't Stop It But I Gonna Try"
"Worlds' Greatest Lover"
"High Priest of Rhythmic Noise"

 "DREAK POLICE"もいいが、このアルバムも捨て難い。弾けは抑え気味。オープニングしばらくの空気がこのアルバムの印象そのもので、ポップでハードなアメリカンロック男たちが土の地面にしっかり足をつけ、トレンドを生むことよりも、以降死ぬまでプロのロックバンドであり続けることを心に刻み込んでいるかのような、本当にどっしりした印象だった。




19位!

STEVE WINWOOD
ARC OF A DIVER


名曲
"While You See a Chance"
"Spanish Dancer"

 ほとんどがロックファンには退屈な曲かもしれないが、1曲、"While You See a Chance"はベスト盤でも何でもいいから1回聴いてみてほしい。
 弾けた曲ではない。泣かないバラード、というかバラードにちょろっとリズムがついたような曲である。いで立ちとしては非常におとなしい曲であるが、これほど元気をくれる曲もない。




18位!

THE POLICE
ZENIYATTA MONDATTA


名曲
"Don't Stand So Close to Me"
"Driven to Tears"
"When the World Is Running Down, You Make the Best of What's Still Around"
"Canary in a Coal Mine"
"De Do Do Do, De Da Da Da"

 ゼニヤッタ・モンダッタ。関西の人間が着ぐるみ着てモノ売ってるのかと思う。エスニックテイストは日本人には通じなかった。
 ポップなREGATTA DE BLANC、マジじゃないSYNCHRONISITYという感じで、この3作目はまさに起承転結の「転」だった。
 でも、「ドゥドゥドゥ・デ・ダダダ」の日本語バージョンは株落としたぞ。




17位!

MADNESS
ABSOLUTELY


名曲
"Baggy Trousers"
"EmBarrassment"
"Return of the Los Palmas 7"

 スカ、というらしい。こういうジャンル。でも日本語ではあまりに語呂が悪い。
 その「スカ」自体全然詳しくないが、このMADNESSというバンドが「スカ」というジャンルなら、間違いなくこのアルバムは「スカ」の最高傑作でしょう。
 フォークダンスをロック風にアレンジしたというこのバカ楽しさ。演奏しながらメンバーがこんな格好で踊り倒していたそうだ。一度観たかった。

(ファーストアルバムのジャケット)




16位!

BILLY JOEL
GLASS HOUSES


名曲
"You May Be Right"
"Sometimes a Fantasy"
"Don't Ask Me Why"
"It's Still Rock and Roll to Me"
"All for Layna"
"I Don't Want to Be Alone"

 オープニング、ガラスの割れる音があまりにも有名。
 エンターテイメント人としての優しさを後ろに下げ、ロック的にあくまで正統肌のカッコよさ、そして少々のシビアさも歌い込んだ名作である。ロックンロールアルバムとしても名作だと思う。
 どのベスト盤にも入っていない"All for Layna"という曲が今聴いても痺れる。




15位!

FOREIGNER
4


名曲
"Night Life"
"Jukebox Hero"
"Break It Up"
"Waiting for a Girl Like You"
"Urgent"
"I'm Gonna Win"

 JOURNEYの"ESCAPE"あたりと並んで80年代メジャーロックの顔と言っていい作品。どのジャンルの要素もバランスよく配合されている。
 アメリカでは音楽とはまったく縁のないような家でも必ず置いてあったという(多分)、普通人の部屋のインテリア化したロックだった。




14位!

QUEEN
THE GAME


名曲
"the Game"
"Dragon Attack"
"Another One Bites the Dust"
"Need Your Loving Tonight"
"Crazy Little Things Called Love"
"Sail Away Sweet Sister"
"Save Me"

 意外にハードロックなアルバムである、これも。
 ハードロックというか、ダイナミックロックである。小慣れているのか初めて触ったのか全然わからない、珍妙なシンセサイザー音が目立っていて、何とも微妙な趣きが最高である。
 メロディアスロックとしても完全無欠。勢いも冴えも最高潮であった時期の名盤。




12位!

REO SPEEDWAGON
HI INFIDELITY


名曲
"Don't Let Him Go"
"Keep on Loving You"
"In Your Letter"
"Take It on the Run"

 "Keep on Loving You"ももちろん名曲であるが、"Take It on the Run"のほうが歴史的な響きがあると思う。このアルバムでバラードロックの頂点に君臨した。このバンドの歴史は本当に長い。ファンは涙が出たことだろう。
 バラードでなくバラードロック。80年代メタルでいえばSTRYPERのお師匠とでもいうべきサウンド。ベスト盤で済ませずにこのアルバムだけはフルで聴いてほしい。


 

11位!

BUGGLES
THE AGE OF PLASTIC


名曲
"Living in the Plastic Age"
"Video Killed the Radio Star"
"Kid Dynamo"
"Clean Clean"
"Elstree"

 トレヴァー・ホーンとジェフリー・ダウンズ、この時期YESのメンバーであった、あるいは脱退直後の2人が作った、当時は100%未来形のポップスと呼ばれた作品。
 確かに人間の体温は感じないエレクトリック天国であるが、しかし人間の情がここに大きく存在する。
 「ラジオスターの悲劇」があまりにも有名だが、しかし当時からしてオールディーズの名曲を聴いているような、妙に懐かしい響きがあった。哀愁度は極めて高い。私の趣味でも特別な位置にある作品。




ベスト10!

10位!

DAVID BOWIE
SCARY MONSTERS


名曲
"It's No Game"
"Scary Monsters(and Super Creeps"
"Ashes to Ashes"
"Fashion"

 死にますよ、このオープニング。
 日本語をこういう風に使った人はひとりもいないし、このあとも未来永劫ひとりも出てこないと思う。聴き所がそこだけなら珍作になるが、猛るパワーを溜め込み、放出させるハードロックも真っ青のタイトル曲、そしてデイヴィッド・ボウイ史上いちばん美しい曲と言われる"Ashes to Ashes"が収録されているので、見所も聴き所も満載の名作である。




9位!

STEVIE WONDER
HOTTER THAN JULY


名曲
"Did I Hear You Say You Love Me"
"I Ain't Gonna Stand for It"
"Master Blaster (Jammin')"
"Lately"
"Happy Birthday"

 このアルバムこそロックファンが感動できるスティーヴィー・ワンダーである。レゲエに傾倒した作品、だそうだが、個人的にはこのアルバム500回くらい聴いて堪能したあとで、「レゲエって何?」というスッとぼけた感想である。
 翌年全面協力したポール・マッカートニーのアルバム"TUG OF WAR"と聴き比べるとわかるが、この"HOTTER THAN JULY"こそスティーヴィー・ワンダーがスティーヴィー・ワンダー流にロックンロールしているアルバムだった。いや、違うとしてもかまへんのだ。




8位!

ADAM & THE ANTS
KINGS OF THE WILD FRONTIER


名曲
"Dog Eat Dog"
"Ant Music"
"Los Rancheros"
"Kings of the Wild Frontier"
"the Magnificent 5"

 もう一度リバイバルしてほしい。
 アダム・アントは今アメリカで映画俳優になっているが、このアダム&ジ・アンツ。80年代、いやロック史上これほどアホなバンドはなかった。
 しっかりとメロディーはあるが、意味不明の打楽器が所狭しと鳴りまくり、これまた所狭しと暴れるコーラスなどすべてが雄叫び仕様。アホロック世界一である。ここまで来れば比較対象は「阿波踊り」くらいしかない。
 あまりのアホさに今、最も反応するのが幼稚園児だったりして。ホトホト呆れたそのあとは、ホトホト感心するしかない。
 次のアルバムではこのアホ音が西部劇風ヒーロー像を思わせるかっこいい音になる。




35位!

KATE BUSH
NEVER FOR EVER


名曲
"Babooshka"
"Egypt"
"Breathing"

 フォークロアの世界がずんと前に出た非常に妖しく艶かしいサウンド。この人の音楽は結局陽性なのか陰性なのかいまだにわからない。
 でもカントリーとかフォーク以上に、森やら林やらが似合う世界である。人間なんでしょうか、この人。




7位!

ABBA
SUPER TROOPER


名曲
"Super Trooper"
"the Winner Takes All"
"Happy New Year"
"Our Lat Summer"
"the Piper"
"Lay All Your Love on Me"

 メタルバンドにもたくさんファンがいたというABBA。
 歌詞などこっ恥ずかしくて読む気しないが、しかしメロディーの活かし方は全ジャンルのお手本だった。この音に影響を受けたメタルバンドは数え切れないほどたくさん存在する。この作品こそメロディー構築美学の究極形。この例を見ない完成度。10年かけて1曲完成する超努力の結果か、10の名曲を1日で作ってしまう超天才の腕か、どちらかしかない。




6位!

RAMONES
END OF THE CENTURY

 

名曲
"Do You Remember Rock and Roll Radio?"
"I'm Affected"
"Chinese Rock"
"the Return of Jackie and Judy"
"This Ain't Havana"
"Rock'n'Roll High School"

 "Do You Remember Rock'n'Roll Radio?"は永遠の名曲。90歳になってもこれを聴いて童心に帰ることができる。聴いているときの幸せ感が違う。
 この曲があまりに突出していて、他の曲の印象がどうしても薄くなるが、何を何を、名曲揃いである。
 1、2、3、4ロックンロールから一歩上のステージに立った、バラエティーあふれるロックの遊園地である。




5位!

BRUCE SPRINGSTEEN
THE RIVER


名曲
"the Ties That Bind"
"Sherry Darling"
"Independence Day"
"Hungry Heart"
"I Wanna Marry You"
"the River"
"Point Blank"
"Cadillac Ranch"
"Ramrod"
"Drive All Night"
"Wreck on the Highway"

 2枚組大作、全20曲全部が名曲というモンスター作品である。強烈にスケールアップしたこのサウンドを、特にフォークロックサイドからこの人を評価していたファンは「派手すぎる」と敬遠したそうだが、それはそれで平和な話である。
 ここにはアメリカンロックのすべてがあった。今聴いてもまったく古いとは思わせないこの音の艶。今風も何もなく、この艶が歴史的名作のいちばんのエッセンスである。




4位!

XTC
BLACK SEA


名曲
"Respectable Street"
"Generals and Majors"
"Towers of London"

 明るくない印象の中に玩具博物館のような楽しい印象もちょこちょこ顔を出す、独特のスタイルである。根は明るい自閉症、と言えば怒られてしまうだろうか。
 これで3作目であるが、のちのちのスタイルにもつながるメロディー技がこのアルバムで初めて炸裂しているような。まっすぐ行きそうで全然まっすぐ行かない独特のメロディーラインがオープニングから楽しめる。



第3位!

DIRE STRAITS
MAKING MOVIES


名曲
"Tunnel of Love"
"Romeo and Juliet"
"Skateaway"
"Expresso Love"
"Solid Rock"

 結局、どの曲もサビらしいサビのない、当時からしてもまったく今風ではなかったスタイルであるが、しかし曲全体のメロディーラインが強烈に耳にこびりつく。ある種これも大いなるパラダイスサウンドだと思う。
 初めて聴く人にはえらくヒョウヒョウとしたメロディアスなフォークロック、そんな印象かもしれない。
 女性がこの世界をどう評価するか、昔から同胞のいない私はまったくわからないままであるが、しかしハードロックの何倍も「男」を感じさせるサウンドである。男らしくて、男臭くて、無骨で、不器用で、無愛想で、そして最高の人格者である。わしもこうなりたい。しかし産み直してもらわなければ無理、ということで、次産まれるときはイギリス人に産まれようと心に決めた次第である。




第2位!

DARYL HALL & JOHN OATES
VOICES


名曲
"How Does It Feel to Be Back"
"Kig Kids"
"Hard to Be in Love with You"
"Kiss on My List"
"You've Lost That Lovin' Feeling"
"You Make My Dreams"
"Everytime You Go Away"

 95、6年ごろだったか、1年以上メタルから離れて黒人ソウル、ブルースに没頭していた時期があって、なんでまたメタルに戻って来たのか自分でもわからんが、はじめ、黒人ソウルやモータウンに没頭するきっかけになったのがビリー・ジョエルの「イノセントマン」や、このへんのアルバムだった。
 正確に言えば黒人ポップスの窓口というより、黒人ポップス王道のエッセンスを体得した白人ポップスである。心の皺(しわ)をメロディーに変えて歌う、そういう辛気臭さはこの人たちの場合かなり薄められてはいるが、その分倍加したFUN精神が花咲いた、音楽界でいちばん景気のいい世界だった。これほど理屈抜きの音楽もない。




第1位!

BLONDIE
AUTOAMERICAN


名曲
"Europa"
"Live It Up"
"the Tide Is High"
"Rapture"
"T-Birds"

 売りはセックスシンボルでもあったデボラ・ハリー嬢でありながら、「恐怖のアリ軍団」という曲があったり、アホなのかと思えば特にギターのフレーズがぎらっと光ったり、デビュー時から只者ではなかったこの人たち。そんなバンドが本気のマジになったのがこの作品。
 鳥肌が立ち、興奮し、笑い、哀しくなり、懐かしくなり、そして元気になれる。これが音楽である。
 絵筆を緻密に走らせることだけが天才の表現方法ではないという、まったくもって正しい声が聞こえてくる。デボラ嬢が完全にマリリン・モンロー化に成功した曲もあり、アメリカ文化史では非常に重宝されるアルバムだと思う。



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13位!

GENGHIS KHAN
ROM

名曲
"Hadschi Halef Omar"
"Moskau"
"Rom"
"Dschinghis Khan"

 なんでこんなんが。
 私の趣味です、ほっといてください。
 VILLAGE PEOPLEもこのジンギスカンも、私の育ちには欠かせないスーパースターだった。ジンギスカンという曲しか知らないという人は、ジンギスカンの魅力の20%もわかっていない。
 アース・ウィンド&ファイヤーがショープロレス化したような世界だった。実際エンターテイメント音楽としては非常に手の込んだ音楽である。
 リアルタイムで聴いていた時期、この他にもいろいろとアホのようなバンドがいたが、今においても凄い、素晴らしいと思うのがこのジンギスカンとVILLAGE PEOPLEくらいである。


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