1983年
ロック編
 (ハードロック、メタル以外)


大御所ミュージシャンが代表作品を連発させた年。
一般ロックでは天才の新人が
あまり目立たなかった年でもありました。

U2の「WAR」、
ポリスの「シンクロニシティー」がリリースされた年。



個人的評価100点満点作品 全38枚



38位!

BILLY IDOL
REBEL YELL

名曲
"Rebel Yell"
"Flesh for Fantasy"
"Catch My Fall"

 このネチ〜とした歌はかなり好き嫌いが分かれると思うが、ギターはスティーヴ・スティーブンス。演奏、特にイントロがやたらかっこよく、オープニングのタイトル曲は血が騒ぐ。アルバムとしては「?」のものが多いかもしれないが、アルバムオープニングがどれも、えらくかっちょいいアーティスト。
 最新映像をこの間見たが、30年前と何も変わっていなかった。




37位!

INXS
SHABOOH SHOOBAH

名曲
"the One Thing"
"To Look at You"
"Old World New World"
"Don't Change"

 3作目であるが、全世界デビュー作。LITTLE RIVER BANDが今風になったような音。さすがさすがのオーストラリア産である。のどかな音というわけではないが、それなりに大らかな音で、曲はどれも素晴らしかった。




36位!

BRYAN ADAMS
CUTS LIKE A KNIFE

名曲
"Take Me Back"
"Straight from the Heart"

 のちの作品と比べるとさすがに青い感じがするが、青すぎてこそ最高という"Straight from the Heart"(いまだファンクラブ?あたりでは人気上位の曲だそう)を聴いて背を向けるほど、ひねくれたくはない。




35位!

MOVING PCITURES
MATINEE

名曲
"Back on the Streets"
"Back Where We Belong"

 もう、むちゃくちゃ懐かしい80年代ロックの傑作。セカンドアルバム。知っている方がいても、今みんな忘れてらっしゃると思う。
 アダルトなLOVERBOYみたいな音だが、AOR的な空気はまるでない。サックスを非常に効果的に使ったバンドだった。当時はメジャーレーベルから出ていて、雑誌の評価も上々だった。オーストラリアのREO SPEEDWAGONみたいな音である。いや〜、ホント懐かしい。




34位!

STEVIE RAY
VAUGHAN & DOUBLE TROUBLE

TEXAS FLOOD

名曲
"Love Struck Baby"
"Texas Flood"
"Testify"

 今聴けばフッツーのブルースロックかもしれないが、リアルタイムでは古いんだか新しいんだか、とりあえずなんちゅうロックだ!と思ったのを覚えている。躍動感というよりも攻撃的な印象があった。暴れる曲のパワーはハードロックも真っ青。
 この人は兄貴のジミー・ヴォーンよりもずいぶん早く逝去した。兄貴は今でもFABULOUS THUNDERBIRDSで張り切っている。




33位!

TEARS FOR FEARS
THE HURTING

名曲
"the Hurting"
"Mad World"
"Pale Shelter"
"Suffer the Children"
"Change"

 のちのあのダイナミックなスケールはまだうかがえないが、しかし最初から天才だった。そう思わせる曲の数々。
 私のように繊細さに欠ける人間が聴けば、暗いんだか美しいんだか全然わからないが、かなり具体的に音の景色が見える。絵心あふれる素晴らしい世界。80年代初めにはじまったブリティッシュニューウェイヴロックとしても最高品質だったと思う。




32位!

WILDFIRE
same

名曲
"Somewhere in the Night"
"Just a Friend"
"Surrender"
"Rocka dn Roll Dreams"

 元バッド・カンパニーのドラマー、サイモン・カークを中心に、のちFMを結成する渋うまボーカリスト、スティーヴ・オーヴァーランドとクリス・オーヴァーランド(ギター)兄弟、そして90年代オジー・オズボーンとの競演で有名なベーシスト、フィル・スーザン、そしてプロデューサーがバッド・カンパニーのミック・ラルフスときている。通好みかもしれないが、スーパーバンドである。
 メタルと呼ぶには軽すぎる、ポップスと呼ぶには激しい、凄腕がこれといった凄腕を見せず、悪く言えばどれ聴いても無難な同じ路線であるが、音感が判断する肝心の内容が極上ゆえ、リラックスして楽しみたい方は是非買うべき。バッド・カンパニー、FMと聞いて想像するまったくその通りの音でである。
 ベテランたちの新生作品という色もあって、そのへん音質なんかは凄くクリアーである。80年代流に今風の音だった。




31位!

BAUHAUS
BURNING FROM THE INSIDE

名曲
"She's in Parties"
"Slice of Life"

 このアルバム以外は全然ワケわからないものばかりだが、甘美なのか気色悪いんだかよくわからない、しかしメロディーがやたらわかりやすいというこのアルバムは傑作である。
 どういうリスナー層をターゲットにしたんだろう、ナメッとヌメッとしたオカマっぽい艶かしさを売るバンドは当時数多くいたが、このバンドはヌメッとはしていなかったから良かった。




30位!

A FLOCK OF SEAGULLS
LISTEN

名曲
"Wishing (If I Had a Photograph of You)"
"Transfer Affection"
"Over the Border"

 見かけはこいつらマネキン人形かと思うくらい機械ぽい人たちで、音も80年代丸出しの電気ポップスだが、ここまで徹底しておれば異色のかっこよさがある。
 曲によってはSF映画音楽風の空気もあり、ホントにいいバンドだった。
 このバンドの見かけから何から全部パクった日本のアイドルバンド(?)が当時いた。




29位!

TALKING HEADS
SPEAKING IN TONGUES

名曲
"Burning Down the House"
"Swamp"
"This Must Be the Place"

 1ヒネリ2ヒネリ、1ねじり2ねじりも効いた何とも変哲なポップスバンドであるが、ある世界ではいまだ王様である。
 このアルバムに至っては変さも極まって、やはりサイコ・チキン同様、幼稚園児に聴かせれば大喜びのような曲が並んでいる。「は〜い、はいはいはいはいは〜い」という、マンガの大巨人が歌ってそうなサビがあまりに印象的な曲("the Swamp")があり、こんな個性はこのバンドしか私は知らない。




28位!

GREG LAKE
MANOEUVRES

名曲
"Too Young to Love"
"It's You, You Gotta Believe"
"Slave to Love"

 セカンドソロアルバム。前作に続きゲイリー・ムーアが大々的に協力しているが、ゲイリーさんは前回と違い、ほとんど目立っておらず、これぞまことのGREG LAKEサウンドになっている。
 かなりメロディアスなアルバムだが、アコースティックカラーが濃いせいで、甘ったるい雰囲気はない。
 全然関係のない話だが、アルバムタイトルmanoeuvresはマヌーヴァーズと読み、「編隊」という意味である。
 アメリカではこれがプロレス用語として使われてるようで。日本で言う「ツープラトン攻撃」をmanoeuvres attackという。
 「ツープラトン」の「プラトン」の語源ってなんだろう。プラトーン、小隊というのが語源かな。




27位!

HANOI ROCKS
BACK TO MYSTERY CITY

名曲
"Malibu Beach Nightmare"
"Mental Beat"
"Until I Get You"
"Ice Cream Summer"
"Back to Mystery City"

 一応最高傑作とされる1枚。ファーストほど音は厚くないが、しかしガンガンと暴れる曲のメリハリがハードロックファンをも大いに喜ばせた。
 といっても日本盤のジャケットがこれ↑だったから、野郎どもにはちょっと敷居が高かったか。
 キック力の強さがロックンロールスタイルの意地である。痩身な格闘技者のような力強さ。ヘヴィ・メタルなんて贅肉だらけだ、と言わんばかり。




26位!

STEVIE NICKS
THE WILD HEART

名曲
"Wild Heart"
"Nightbird"
"Stand Back"

 この時期から結構おばちゃんだとの噂がありましたが、しかし今現在60を越えていても、いつだったか、衛星放送で見たら、何とまあ麗しいことよ。
 デボラ・ハリーはクチビルゲみたいだったが、この人だけはいまだ妖精風の不思議なオーラをまとっておられました。




25位!

THE KINKS
STATE OF CONFUSION

名曲
"Labour of Love"
"Come Dancing"

 かっこよくて渋いバンドなら他にいっぱいいる。
 何とも微笑ましいタイトルチューンであるが、この味がTHE KINKSである。この時期になると巷のロックの名盤とは違う位置にあるようなアルバムばかりが並んでいるように思えるが、これでいいのだ、これが80年代THE KINKSだ、という大きな説得力あり。




24位!

THE ROLLING STONES
UNDERCOVER

名曲
"Undercover of the Night"
"She Was Hot"
"Wanna Hold You"
"Too Much Blood"

 初回盤はレコード盤ジャケットにシールがいっぱいついていた。本当に剥がせた。男なら、一番最初にはがす場所は決まってるぜ、がははは、というジャケットだった。
(剥がした後何が出てきたのかは...覚えてない)
 しかし強烈なノリだった。この時期にもう年寄りの冷や水とひどいことを言うリスナーもいた(だったら今はどうなる?)が、これはワールドミュージックですか、先進国にはないような、無茶苦茶な馬鹿ノリすら感じたアルバムである。オープニングが強烈過ぎて、他のストーンズらしい曲があまり響いてこないアルバムであるが、それゆえ長く聴けるアルバムにもなっている。




23位!

BIG COUNTRY
THE CROSSING

名曲
"In a Big Country"
"Inwards"
"Harvest Home"
"Fields of Fire"

 スコティッシュなんだかアイリッシュなんだか、どっちでもいい。この近年、いちばん勇ましい音だった。
 ハードロックサウンドではないが、この元気さ、跳ね具合をしてハードロックと渡り合っている。
 「シャッ!」という掛け声がしびれますなァ。大ヒット曲以外にも素晴らしい曲がある。名盤。




22位!

CHEAP TRICK
NEXT POSITION PLEASE

名曲
"I Can't Take It"
"Borderline"
"I Don't Love Here Anymore"
"Next Position Please"
"Dancing the Night Away"
"Y.O.Y.O.Y."
"Heaven's Falling"

 トッド・ラングレンプロデュースによる、少し違った場所にある作品。とんでもなく名曲集です。ずっと昔からこういうバンドなのかと思ってしまうような音。
 アンプラグドは以降腐るほどありながら、アンプラグドロックというのはなかなかなかった。最低あともう1枚、こういうアルバムを出して、こんなジャンルを完成させてほしかったな、とも思うが、この人たちは今現在(2013年)の今も現役活動中。




21位!

ROD STEWART
BODY WISHES

名曲
"Dancin' Alone"
"Baby Jane"
"Stranger Again"

 素でロッカー、ミュージシャンということを魅せてくれた、肩の張らないロックである。スピード感も圧倒感も全然無縁の音楽ゆえ、メタルファンにはあまり縁のない音かもしれないが、メタラーもハードロッカーも歳くえば絶対こういう音も好きになる。ならなければ、危ない人である。






20位!

PINK FLOYD
THE FINAL CUT

名曲
"the Post War Dream"
"Your Possible Past"
"the Final Cut"
"Not Now John"

 ピンク・フロイド史上、最も映画音楽化している作品。ここまで徹底しておれば痛し痒しで、映像なしの物足りなさにどうしてもイライラしてしまった。
 THE WALL以上に映画音楽的な一枚。もちろん効果音や環境音楽に終始しているわけではない。
 デイヴィッド・ギルモアのカラーが薄いというか、ロジャー・ウォーターズの色が濃すぎるアルバム。




19位!

38 SPECIAL
TOUR DE FORCE

名曲
"If I'd Been the One"
"See Me in Your Eyes"
"One of the Lonely Ones"

 38スペシャル最高傑作。
 アメリカ南部、荒野の空気がこれだけ優しい空気で表現されている音もない。癒しのサウンドなどというくそふざけたものではなく、しっかり熱いロックであるからして、熱い男なら聴かねばならない。
 あともう1枚、もう1枚これクラスのアルバムが続けばアメリカンロック正真正銘の人気者になれたのに、以降失速してしまった。




18位!

TOY DOLLS
DIG THAT GROOVE BABY

名曲
"Dig That Groove Baby"
"Glenda and the Test Tube Baby"
"Nellie the Elephant"
"Blue Suede Shoes"

 名曲"Nellie the Elephant"の日本題は「ネリーさんだ象」という(本当)。アホらしさに力が抜けると同時に、本当にこのバンドらしい見事なキャッチフレーズと言える。日本の担当者に大拍手。
 私は一気にはまってしまい、全アルバム持っている。解散したと言いながらいまだにアルバムを出し続けている。ふざけたバンドであるが、音も相当にふざけている。
 ウッドペッカーがRAMONESやってるようなバンドである。今までにたくさんアルバムを出しているが、全部こんなカラーというのが凄い。




17位!

GENESIS
same

名曲
"Mama"
"That's All"
"Home by the Sea"
"Illegal Alien"

 ピーター・ゲイブリエルという伝説の巨人が在籍していた昔のプログレ一辺倒時代については、わしは何かよくわからず、それに、"Duke"というアルバムは名作だと思うが、シリアス・キューピー、フィル・コリンズが先導する80年代のバカポップ時代のサウンドもその軽さに閉口であって、結局、この83年のアルバムが凄い+わかりやすい、でベストアルバムだと思う。
 名曲中の名曲"Mama"、フィル・コリンズの狂いっぷりは凄い。




16位!

ERIC CLAPTON
MONEY AND CIGARETTES

名曲
"Everybody Ought to Make a Change"
"the Shape You're In"
"Ain't Going Down"
"Rock'n'Roll Heart"
"Crosscut Saw"
"Crazy Country Hop"

 デレク・アンド・ドミノスを除き、総じてこの人のサウンドが昔からよく理解できないという私はロックファンの風上にも置けない馬鹿者である。
 ただ、このアルバムだけは別。こんな目立たんアルバムが、私は一番名作だと思っている。
 大人しくアダルトなスタイルが定番と言われるこの人の路線の中でも特におとなしいサウンドでありながら、アダルトコンテンポラリーな色、AOR色が全然ないという不思議なサウンドである。
 つまり、おっさんサウンドなのである。西洋人はパッチ、ももひきなど履かないが、それでもこれはパッチ、ももひきサウンドである。えらくパッチの似合う西洋人である。
 齢(よわい)40、50過ぎてこの音の素晴らしさが理解できたというのならわかるが、18、19のときこれを愛聴盤としていたなんて、なんて変な奴だったんだろうと自分でも思う。




15位!

PAUL RODGERS
CUT LOOSE

名曲
"Fragile"
"Cut Loose"
"Live in Peace"
"Rising Sun"
"Boogie Mama"
"Talking Guitar Blues"

 素〜過ぎるジャケットがおもしろい。この時代の音なんだから何も狙ってなどいない。
 音のほうも然りで、これがこのオッサンなのである。FREEの"HEARTBREAKER"あたりの空気でBAD COMPANYの名曲再び、のような曲が並ぶが、しかし名曲集である。私は「シンプル」がこれほど美しいサウンドは他に知らない。ここまでくればもう、渋いとかいう印象はない。ドは他に知りません。ここまでくれば、もう渋いとかいう印象はゼロですね。めっちゃノリノリですよ。




14位!

MIKE OLDFIELD
CRISIS

名曲
"Crisis"
"Moonlight Shadow"
"Foreign Affair"

 シャンソンなどにアレンジされている、スタンダード化した名曲中の名曲"Moonlight Shadow"であるが、前作"FIVE MILES OUT"に続いてマギー・ライリー、この人の歌姫ぷりというか、存在感は多大なものがあった。優雅といっても、化粧っ気のある声じゃないし、熱唱しているわけでも全然ないが、若いもアダルトもない、女性ならではの包容感のある声である。わしはいまだに惚れておる。




13位!

ECHO & THE
BUNNYMEN

PORCUPINE

名曲
"the Cutter"
"Back of Love"
"Heads Will Roll"
"In Bluer Skies"

 ある意味すごくマンガ的なこの詠唱ボーカル、今のリスナーにはどう聞こえるのだろうか。
 この時期、ニューウェイヴロック歴史的名作として、83年ベストアルバムに推す人も多かった。
 XTCの強力なライバルだったと思う。今聴いても目の覚めるようなインパクトがあります。このバンドはジャケットもまた名作なのだ。



12位!

RICK SPRINGFIELD
LIVING IN OZ

名曲
"Human Touch"
"Affair of the Heart"
"Living in Oz"
"Souls"
"Like Father, Like Son"

 このメジャー進出3作目になるとぐんと精神年齢が上がり、どんな悪評をも返り討ちにするような屈強なロックサウンドに仕上がっている。没個性の温床と言われるハードポップスタイルでありながら、ここまでのオリジナリティーを聴かせるところはナイト・レンジャーもひっくり返った。
 ハードロックとポップの境界線があいまいな90年代以降のソフトなやつなんか聴いてるより、仕掛けこそ少ないが、こういう骨格のしっかりしたロックを聴いてるほうがよっぽどいい。




11位!

KILLING JOKE
FIRE DANCES

名曲
"the Gathering"
"Fun and Games"
"Rejuvenation"
"Frenzy"
"Feast of Blaze"
"Song and Dance"
"Let's All Go (Fire Dances)"

 「いかなるジャンルであれ良いものは良い」という、リスナーが何年何十年かけて培ってきた優しい毛布のような音楽観をビリっと破いてしまうような音楽である。死ぬほど好きなバンドである。2013年、今でもこんな音を出している。
 アングラの芸術、というのか、そういうものを創るにおいてヘヴィ・メタルというのはまだまだ壁を越え切れないジャンルやなあ、とこの作品を聴いて当時ひしひしと感じた。
 何をもって「芸術」と呼ぶのか、アホのぼくにははっきり言えないが、しかし「メジャーへの反骨心から生まれる過激スタイル」と「その世界からしてメジャーには成り得ない暗黒音楽」、2つは似ていて異なるものである。
 格の高い暗黒音楽には音の(演奏の)暴れ具合に左右されない怖さがある。猛り狂う鬱屈感情があちこちで踊る必殺の爆裂サウンド。真の暗黒芸術作品である。好きな人間には本当にクセになるから、やっぱりこれも堂々とした音楽なのだ。




ベスト10!

10位!

PETER GABRIEL
PLAYS LIVE

名曲

オンパレード!

 "Rhythm of the Heat"の呪術ロック世界が、破格のスケールを持って再現されている強烈なライブアルバム。
 全体的にものすごくバラエティーあふれる内容となっている。この人のこれまでの集大成アルバムであり、おどろおどろしいんだか雄大なんだか全然わからない世界も、すべてパノラミックワールドの見せ場のひとつといった具合である。
 今ではダンディーなおやじになっているが、長い間、かぶりものパフォーマーとしても有名だった。


 

9位!

ELVIS COSTELLO & THE ATTRACTIONS
PUNCH THE CLOCK

名曲
"Let Them All Talk"
"Everyday I Write the Book"
"Shipbuilding"
"the Invisible Man"
"the World and His Wife"

 イントロの印象そのままで曲が進む、素直で真っ直ぐな素晴らしいサウンド。
 エルヴィス・コステロについては、私はガキのころ聴いたこのアルバムのインパクトというか、味が忘れなくて、どれだけ渋くなってもロック版盆踊りのイメージがある。盆踊り、阿波踊り、佐渡おけさ、何でもいい。楽しすぎるロックである。




8位!

ELTON JOHN
TOO LOW FOR ZERO

名曲
"Cold As Christmas"
"I'm Still Standing"
"I Guess That's Why They Call It the Blues"
"Kiss the Bride"
"Saint"
"One More Arrow"

 しかしまー、つくづく節操のないアルバムが並んでますけど(このページ上から見たら)。
 曲の素晴らしさがどうしようもない、というアルバムである。聴かない人は一生聴かない音だろうが、あるとき何かの機会で聴いてしまったメタルバカ坊主は以降何年何十年に渡って大好きなアルバムになってしまいましたとさ。
 "Cold As Chiristmas"は毎年毎年毎年毎年この時期になると無性に腹が立つ寂しい私と一緒に泣いてくれるような、素晴らしい名曲である。


 

7位!

XTC
MUMMER

名曲
"Beating of Hearts"
"Great Fire"
"Deliver Us from the Elements"
"Human Alchemy"
"Lady Bird"
"Funk Pop a Roll"

 92年の最高傑作"NONSUCH"が正統派ポップの名作ならこっちはよりXTCらしく、ひねくれポップの名作である。"Great Fire"や"Lady Bird"などまともな名曲もあるにはあるが、"Deliver Us from the Elements"や"Human Alchemy"など妖怪のような迷曲が、ファンを超えた信者をごそっと獲得した理由である。この時期は私も信者だった。




6位!

STYX
KILROY WAS HERE

名曲
"Mr.Roboto"
"Cold War"
"Don't Let It End"
"Just Get Through This Night"
"Haven't We Been Here Before"

 前作“PARADISE THEATER”同様、この作品も80年代アメリカンロックその勢いを象徴する名作中の名作である。
「ドモアリガットミスターロバット」は初めギャグかと思ったが、その歌がクセになる。私は当時バイト先でいつでも口ずさんでいて、馬鹿かと思われた。
 駄曲がないなんて当たり前で、密度のすごく濃い演奏に極上メロディーが当然のように上乗せされた名曲の数々。もちろん当時流にコンテンポラリーな要素もあれこれうかがえるが、しかしアメリカの人たちが極上の安堵感をもらう歌は、こういう形である。と思う。
 何曲かあるバラードナンバーの説得力が、さすがに絶品中の絶品。全メンバー、凄すぎる。




5位!

BILLY JOEL
AN INNOCENT MAN

名曲
"Easy Money"
"An Innocent Man"
"the Longest Time"
"This Night"
"Tell Her About It"
"Uptown Girl"
"CHristie Lee"
"Keeping the Faith"

 特に名作がアホほど多いこの年、私が一番よく聴いたアルバムがこれだと思う。
 どうしても1枚だけ選べ!と言われたら、この人の音楽とともに長い時期を過ごした私のような人間はやっぱりこのアルバムを選ぶ。
 黒人モータウンポップスを仰ぐという新路線と同時にビリー・ジョエル流ピアノのエンターテイナー路線が究極にまで高められた作品でもある。




4位!

U2
WAR

名曲
"Sunday Bloody Sunday"
"New Years Day"
"Like a Song..."
"Two Hearts Beat As One"

 シンプルの大勝利、という名盤。名曲"New Years Day"、これだけの少ない音数でこの名演。知らない人は明日CD屋へ走ろう。あなたの音楽観を変える経験になる。
 "New Year's Day"より、Sunday Bloody Sunday"。歴史の動く音が聞こえたこの名曲オープニングは今でも涙腺が緩む。
 自分にとっての聴きはじめが今のアメリカンVIP化したU2なら、今という時代を斬る最先端のバンド、という評価も出せる。しかしこの時期のU2を堪能した私などは、今のU2はよくわからん。




第3位!

THE POLICE
SYNCHRONICITY

名曲
"Synchronicity I"
"Walking on Your Footstep"
"Mother"
"Synchronicity II"
"Every Breath You Take"
"King of Pain"
"Wrapped Around Your Finger"
"Tea in Sahara"

 「見つめていたい」収録の名盤、といえば確かにそうであるが、この曲は「僕たちは結構常識もある人間なんですよ」ということをアピールしたいがために入れられた曲である。
 と私が勝手に思っているだけであるが、スピード感もあり、そして狂気も感じられる("Mother"を聴け!)最高傑作。
 凄い、としか言いようないサウンド。1900年代ロックの名作ベスト1に推す人がいても何ら不思議ではない、というか、納得である。




第2位!

YES
90125

名曲
"Owner of a Lonely Heart"
"Hold on"
"It Can Happen"
"Changes"
"Cinema"
"Leave It"

 この作品のリリースから30年経っているが、古臭いどころか、いまだ大衆ロックはこの時期この人たちの力量に追いついてもいない。
 30年経った今の話。当時は20年後のサウンドだとか思ったが、今聞けばちっとも10年前の音ではない。
 相変わらず20年先にいる。時間を超えた音楽、つまり魔法の音楽である。
 70年代全盛期の勇姿はファンタジー風に未来形だったが、新生成ったサウンドはSF風に未来形だった。歴史的名作。




第1位!

ZZ TOP
ELIMINATOR

 

名曲
"Gimme All Your Lovin'"
"You Got Me Under Pressure"
"Sharp Dressed Man"
"Legs"
"If I Could Only Flag Her Down"

 大地を大またで闊歩するリズムがアメリカ大陸を揺り動かした、ロックの歴史に堂々とその名を残す名作中の名作である。
 曲の組み立て、展開その他ラモーンズ級=中学生レベルと言っていいくらいシンプルでイージーであるが、地球上の誰一人としてコピーできない強烈無比なオリジナリティーがここにあった。この音は誰にでもコピーできる。しかしこの色は誰にも真似できない。
 これほど強力なオリジナリティーはない。渋くもあるし、派手でもあるし、おっさんの音楽であって、おねえちゃんが楽しげに踊り狂っている。何という空気か。ミュージシャン歴およそ20年のおっさんたちが、おっさんの世界に引きこもらずによくぞやってくれました。「踊るアホウに見るアホウ」その究極路線である。
 たかが2000円のCDであるが、ロックファンにとっては100万円の価値があるCDである。
 オープニングの何分間に今でも夢心地。頭の中を空っぽにしたいときはこれである。




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