1983年
ハードロック、メタル編
ヘヴィ・メタル一代メジャー化の年。
メジャーメタルの黄金期です。
順位が全然決められない。
半年後必ず順位が変わっていると思う。
おそらく89年に次いで名作名盤の多かった年です。
個人的評価100点満点作品 全34枚
QUIET RIOT |
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名曲 |
このアルバム、この音こそ80年代メタル代表、80年代メタルのアイコンというやつか、例えば衛星放送の音楽番組で80年代メタル特集なるものがあるとしたら、100%確実にこのアルバムの曲がトップに、オープニングに使用されること確実という、それくらい有名なアルバム。“Cum
on Feel the Noise”は本当に流行した。 典型的アホ・ロックであるが、見かけの派手さだけであれほど売れただろうか。歌・メロティー・リズム、あってこその代表選手だったことを信じたい。 中には感動的な曲も収録されている。しかししみじみと感動することすら根暗の行為に思える、究極のパーティーロックである。 このバンドのおかげでSLADEというバンドは30年長生きしたのだ。 |
EUROPE |
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名曲 |
曲さえ良ければプロダクションなどどうでもよいという極例を示した作品のひとつ。 惚れたリスナーには荒い音でいてかえって魅力的という印象を抱かせた。85年、"Seven Doors Hotel"たった1曲でメタルバンドの悲願をたやすく達成したこの人たちであるが、メタルファンとしては、大きくなりすぎた後年のステイタスより、若々しく一方的なこのファーストアルバムの音に愛着を抱いて当然。 ヘヴィ・メタルというジャンルが誇るべき名作中の名作である。ちっとも交響曲と言うほど豪華な音ではなかったが、「幻想交響詩」という日本タイトルは素晴らしかった。北欧メタルの歴史はこのアルバムから始まった。 |
GIRLSCHOOL |
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名曲 |
若手女性メタルとしてしか評価してもらえなかったサウンドが、あのスレイドのバックアップで大きく大変身。 この音にはメタル耳ではなくロック耳が先に反応してしまう。これまでの作品に比べたらかなりアダルトな雰囲気である。聴く人によっては迫力不足だとか、いかつさが減ったとか、そういうことかもしれないが、しかしハードポップ、ポップメタルと呼ぶには格がありすぎ、AORハードなんて呼ぶほど日和(ひよ)ってはいない。これまでのスタイルを考えれば、まさに奇跡的といってもよいこの風格と聴き心地の良さを評価してほしい。 ただしタイトル曲は、アレのぱくり。 |
ALDO NOVA |
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名曲 |
ファンタジー極まって、宇宙旅行絵巻コンセプトアルバム。これでまだセカンドアルバムだったというから恐れ入る。 鑑賞に値するロックでもありながら、ハードロック/ヘヴィ・メタルとして意外にナチュラルな部分もある。“Monkey on Your Back”は21世紀のヘヴィ・メタルだ、なんてことも当時言われていた。 これだけ凄く密度の高い音楽を、すべてひとりでやっていらっしゃった。密室作業がどうのこうの、そんな次元ではない。 |
ANVIL |
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名曲 |
オープニングに飛び出すのはなんとなんと重厚なスローナンバー。突貫小僧たちがえらいまた大胆なことをしでかした。だから駄作。 当時はそういう評価が大半だった。 ただ、走らなくとも正しくヘヴィ・メタル、重い鋼鉄である。重い鉄なんだから、走るほうが邪道とでも言いたげな雰囲気。 歴史を振り返るといった感じで聴くと、これはなかなか素晴らしいアルバムである 現在も活動中のこの人たちであるが、決してバンドの色に泥を塗るような作品ではないと断言したい。アンヴィル最大の名曲“ Free As the Wind”も入っている。 |
HEAVY PETTIN' |
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名曲 |
3作ほど作品を残したバンドであるが、このファーストだけが異常に素晴らしかった。 ヘヴィ・メタルというよりは古き良き時代のハードロックを教科書にしたハードロック。もし70年代のバッド・カンパニーがヘヴィ・メタルバンドになっていたら、きっとこんな音になったんじゃないかという音である。 熱いボーカルが馬鹿みたいにうまく、若返ったポール・ロジャースという雰囲気もある。 各メンバーこれといった見せ場がないわりに、曲そのものをじっくり聴かせるところは当時でも久々の正統派という気がしました。 プロデューサーはクイーンのブライアン・メイ。 ちなみにセカンドアルバムで大コケした。 |
EXITER |
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名曲 |
リリースされたときから、何か時代の幕開けを予感させたファーストアルバム。日本のメディア、雑誌などは何の反応も見せなかったが、ディープなメタルファンが集う輸入盤屋界隈では大騒ぎになったようなアルバムだった。 最初から誰にも似ていない強烈なオリジナリティーがある。スラッシュメタルの祖と呼ばれながらも実際似たサウンド、似たバンドがまったくといって存在しないのが不思議である。ブチ切れた歌に全然明確に聞こえないギターサウンド、全体的に中音域オンリーといった感じで、一体然とした印象はまさに怒涛の大津波である。 |
DIO |
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名曲 |
絶対意図的にだと思うが、何でしょうかこの軽い音質は。生々しい音というのを目指したのだろうか。内容がいいだけに、私はこの軽い音質は好きではない。 のちのち、ハズしの名人などと大変ありがたくない呼ばれ方をしていたロニー御大だったが、80年代は、曲作りの冴えはそれこそ無敵のものがあった。この軽い音質の作品にしても、結局曲の良さがすべての否定意見をねじ伏せた。 |
BARON ROJO |
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名曲 |
スパニッシュ・ヘヴィメタルの幕開け作品。 メディナ・アザーラ同様かなり個性的でエスニックな空気をまとっているが、埃ぽさと男くささという見たまま聴いたまま印象を重視すれば、バロン・ロッホこそスペインという国を代表するスタイルである。 ここに紹介する作品はそんな個性とイギリス発ヘヴィ・メタルが合体した、夢のようなインターナショナルサウンドだった。 度を越えて激しいハードロックがヘヴィ・メタルという形なら、どんな肌色であっても男くささというものは必ずそれにフィットするということで、“Las Flores Del Mal(Flowers of Evil)”、“Resistire(Stand Up)”は世界中のメタルバンドを心底ビビらせた名曲である。 |
AC/DC |
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名曲 |
“FOR THOSE ABOUT
TO ROCK〜悪魔の招待状”から1年足らずで届けられたこの新作、ジューダス・プリーストと並んで80年代ヘヴィ・メタルの理想形を示した超重量級サウンドの次なるステージはいかなるものに!?、そんな仰々しい宣伝とは裏腹に、飛び出したサウンドは現代風の重さなどまるでない、力いっぱいの70年代風ハードロックスタイル。ブッこけたリスナーもたくさんいた。 のどかさすら漂う野良仕事風オープニングナンバーには確かに前作以上にびっくり。 ただやっぱり、これがAC/DCなのだ。この空気はAC/DCだけ。これもこのバンドからはずせない名作である。 |
PICTURE |
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名曲 |
4作目。もともとNWOBHMスタイル+ロックンロールみたいな色のバンドだったが、何が起こったのか、このアルバムのタイトルとジャケットが象徴するように、ダークなイメージが似合うオカルトチックなサウンドに大変身。 これでも当時はかなり禍々(まがまが)しい印象があった。印象的なメロディーのオープニングナンバーもいいが、醍醐味は2曲目。 名盤名曲にはある線以上のステイタスが必要と考えている90年代メタルファンの大部分の方には決してわかってもらえない感覚かも知れないが、80年代最初の原点ヘヴィ・メタルを大きく評価した耳には、このヤサグレた疾走感覚はヘヴィ・メタルパラダイスそのものであった。 このバンドの路線試行錯誤はまだまだこれ以降も続いたが、息の長いバンドで、2013年今現在はこのアルバム"ETERNAL DARK"のカラーになっている。 |
NIGHT RANGER |
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名曲 |
mmadnessなんて言葉の響きが前作の能天気さ加減とは打って変わった印象をかもし出す2作目。 オープニング曲は相変わらずの80年代風パーティーロック路線のようでいて、レコードでいえばB面オープニングに置かれたタイトルチューンでひとつ新しい顔を見せた。 ヘヴィ・メタルバンドとして評価され得る感性はしっかりここにあるぞという意志表明。何をお祭り騒ぎやっとんねんと、ファーストアルバムのお祭り評価を冷めた目で観ていたリスナーも、この路線には納得したことと思う。 |
ACCEPT |
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名曲 |
“Fast As a Shark”を筆頭に“Restless
and Wild”、“Princess of the Dawn”、3曲の名曲がメジャーへの足がかりを作った。当時ハードコアメタルの一番手だったという事実が非常に興味深い。存在感でいえば現在のデスメタル、ブラックメタルみたいなものだった。 次作“METAL HEART”で完全にメジャーの仲間入りを果たし、この強烈ハードコア激烈様式美スタイルはこれ1作で打ち止めとなってしまったが、それゆえこの人たちの歴史の中でひときわ異彩を放つ重要な作品だった。 |
SATAN |
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名曲 |
私はこの作品で初めてマイナーメタルの醍醐味に呑み込まれてしまった。 NEATレーベルのお約束、90年代のサウンドに慣れた耳には雑音にしか聞こえないであろうひどい音質であるが、それでも評価しろとなると私はメジャーメタルをさしおいて迷わず★★★★★の100点満点をつけたい。 この混沌感覚には90年代ブラックメタルにも通じるものがある。中心にある音楽性はスラッシュメタルのようでいて、実際は様式美系に近いサウンド。NEATレーベルの同輩の音など思い浮かびもしない。この音感触でメロディアスであるということがまさにカオスチックであるが、それを一体感でまとめたのがこのバンドの大きな力量だろう。 カル・スワンタイプのボーカルが激烈なバッキングにしっかりフィットしているし、音のバランスはめちゃくちゃながら、それでも歌いまくるギターソロに注目してほしい。 |
Y&T |
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名曲 |
重厚なキーボードサウンドなどどこにも見当たらず、アコースティックサウンドもまるでなし。それでいてこの叙情性と絵画美、これぞアメリカン様式美である。 エレクトリックでこのスタイルを完成させたデイヴ・メニケッティの力量は奇蹟的なものがあった。一世一代の名演である。 ただこのバンドの弱点でもあったが、アルバム中、名曲の配置が悪かった。前半100点、後半50点みたいな構成がよくわからない。 |
RAVEN |
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名曲 |
陰にこもっても全然構わないマイナーメタルであって、意外や意外のスポーティーなサウンド。 太陽の光はあたっていないし屋外向けのサウンドとも言えないが、それでもこれは陽性のサウンドである。実にヘヴィ・メタリックに、陽性のサウンドである。 レコード製作に金をかけない(かけさせない)レーベルとして有名だったニートレーベルであるが、この作品ではマイケル・ワグナーとウド・ダークシュナイダーという2人のプロデューサーをつけるという大盤振舞。プロデューサーがメンバーに唐辛子100杯飲ませたようなすんばらしいケツの蹴り上げっぷりだった。 |
WARLORD |
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名曲 |
アメリカ出身のバンドとはとてもとても思えない、カジュアル感覚ゼロの異世界のダークファンタジーである。 こういうバンドが他にほとんどいないというだけで、まず一度聴いたら忘れられない音になるだろうし、実際メロディーは様式美路線の一線級と言っていい。 透き通った空気は北欧メタルも顔負け。重量感がもっとほしいという気もするが、実際音で感じる重量感以上に頭で感じる音世界の奥の深さ。そこで「ヘヴィ・メタル」を感じさせたブルー・オイスター・カルトなんて大先輩がいるから、そういった意味ではアメリカンメタルの隠れた歴史を引き出したバンドとも言えるかもしれない。 20年ぶりの再結成作品もまさにこのまんまだった。2013年今現在も活動中。 |
MOTLEY CRUE |
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名曲 |
全編に漂う、まずこの腰の据わった雰囲気がまるでアメリカンやくざである。音質というあらゆるリスナーにアピールする最初の部分で、それはもう十二分に個性的だった。好きになる奴にも嫌いになる奴にも、モトリー・クルーサウンドはしっかり耳に焼き付いた。 特にプロデューサー、トム・ワーマンにも大きな拍手を送りたい作品。メジャーサウンドにおいてこういう空気の音はすごく冒険だと当時は思った。 ここにアメリカンロック史に残る名曲なんてものはありゃしないが、冒険的な音創りという内的なもの、ファンの後押しという外的なもの、それらがあってこのバンドの今の(後の?)勇姿があった。 |
JOURNEY |
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名曲 |
メタルバンドとして紹介されることなど、あまりあり得なかったバンドだが、それでもこの作品に限りかなりメタルだった。曲的にもこの人たちの最高傑作に近い。オープニングのキーボードサウンドなど、完全にトレードマークになっている。 金かければいいってものじゃないだろう!と怒る評論家、リスナーが昔は本当にいたのだが、一部の、ヘヴィ・メタルが最強のジャンルだと信じるバンドとリスナーは、ポピュラーロックバンドが作ったこれだけ豪華な音を前に、そりゃ嫉妬もしただろう。 |
STATUS QUO |
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名曲 |
世界一の堂々たる我道邁進(まいしん)路線を身上にしていたこの人たち、70年代中期ハードロッカーの神様としての出で立ちを卒業して以来、83年というこの時期においてやっと、やっとという感じで他ジャンルへ屈強ぶりを再びアピールする作品を作ってくれた。 オープニングが最強のブギである。ファンは「そう、これこれ!」と泣いた。ステイタス・クオとはなんぞや? を新リスナーに一発、一言で語る代表曲としてオープニング曲“Mess with Blues”、この必殺ブギナンバー以外にない。 アルバム後半、この人たちならではのほのぼのポップロック路線もあるが、前半の威風堂々の帝王ぶりがハードロックそのものの歴史をも語っている。 |
ASIA |
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名曲 |
アメリカビルボード年間チャート1位を獲得した前作よりもっと聴きやすくなっていて、そしてもっとハードロックである。 何百万人、何千万人のリスナーの頭に閃光が炸裂したオープニングは見事の一言。名曲群の効果は劇的で、大音響で映画音楽を聴いているかのごとく部屋の空気が変わる。聴き手の生き方に立ち入る現代風のロックではないが、だからこそ素晴らしい。 |
KROKUS |
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名曲 |
AC/DC風の次はジューダス・プリースト風とは。 勢い余って何とロブ・ハルフォードがゲスト参加してるから、音的に100%純正、本物も本物。80年代鋼鉄サウンド5本の指に入る作品である。鋼鉄感覚を何よりも大事に、メロディーとスピード感が最高のバランスで織り込まれた感動また感動の名作である。 |
TRIUMPH |
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名曲 |
トライアンフといえばラッシュと並んでまさしくカナダ産の典型、どちらかといえば痩身のインテリジェントなサウンドがトレードマークとなっているが、この作品に限り強力に太く分厚い音。 前作“ALLIED FORCES”でコンテンポラリーメタルバンドへの接近を試みたこの人たちであるが、それからたった1作でその頂点を極めた。ブルースロック、アコースティックロックいろいろと極めてきた人たちであり、そんなバンドの80年代メタルへの本格的参加は、カナディアンメタルの風格を未来永劫決定づけたような心強さがあった。 |
SLADE |
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名曲 |
もともと大衆の心をつかむコツを熟知していらっしゃるこの人たち、昇り調子のヘヴィ・メタルの勢いを借りて、大衆ロックとして最強の出で立ちでヒットチャートに殴り込んできた。 “Run Runaway”、“My Oh My”には初めて聞いた人間をレコード屋へ走らせるポジティヴ極まる響きがあった。QUIET RIOTとの相乗効果で、」めちゃくちゃ売れたように記憶している。 オープニングから新装開店全台ドル箱大開放、近代稀に見るお祭りスタイルだった。ジャケットに登場する日本人(のような男)は小林克也である、という噂もあった。 |
ベスト10!
IRON MAIDEN |
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名曲 |
風格というものが尋常でない作品。後年、スティーヴ・ハリスがバンド史上最高の自信作と語っていたのを雑誌で読んだが、そのわりにはリリース当時、特に日本の評論家筋での評価が全然低く、右になれして「つまらない」とのたまう阿呆が日本ではいっぱいいた一方、本国イギリスでは相も変わらず大人気ぶり、しっかりヒットチャート上位を獲っていたのが痛快だった。 名曲割合、アイアン・メイデン偏差値で計るのであれば他のアルバムの方が数字は高い。しかしメタルはインパクトと勢いである。実際イギリス本国ではこの作品の評価はかなり高かった。オープニングナンバー"Where Eagles Dare"は世界一威風堂々の名曲である。 |
RAINBOW |
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名曲 |
レインボーが完全にフォリナーになってしまったと誰かが騒いだ、スタジオ作品ラストアルバム。 ま、聴いた人それぞれの意見があっていいと思うが、それにしてもこれほど聴き心地の良いハードロックアルバムがこれまでにあっただろうか。聴き心地の素晴らしさ、それに尽きる。1曲1曲が大きな世界を作っている。 ヒットメイカー、メロディーメイカーとしての力量が冴えを増したなんでもんじゃなく、行き着くところまで行ってしまったようなアルバムである。80年代HR/HM最メロディアス作品。 |
THE MICHAEL SCHENKER
GROUP |
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名曲 |
日本の評論家のバッシングに遭い改訂盤が出たといういわくつきの作品。 しかしそういうふうに話が持って行かれただけであり、新バージョンはアメリカ盤用に最初から計画されていた、という説もある。 曲的にはマイケル・シェンカーの最高傑作である。ファーストを超えてはいないが、“one of the 〜est”、英語の言いまわしのように「最高」はいくつあってもいいのだ。 ハードポップ化したテンポ良いメロディーラインが、ライブ盤のような荒々しさと裸馬の疾走のようなノリの上に成り立った、新生と表現し得るハードロックがここに完成している。荒いがしかし優雅に弾き倒すマイケル・シェンカー、UFOの名作ライブアルバム“STRANGERS IN THE NIGHT”を聴いてるみたいである。 改訂盤はさすがに聴きやすくとも、ワイルドな雰囲気が薄れていた。 |
COBRA |
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名曲 |
ギタリストはASIAのASTRAに参加することになるマンディー・メイヤー。ボーカルはSURVIVORのあの人。プロデューサーはトム・アロム。 それだけ言えばまったく音が見えないのも当然。 レコードもあっという間に入手困難になり、一度CD化されたが、それもすぐに入手困難、日本盤はレコードCD共に出ていないという理不尽な状況が長く続いたが、今では普通に買える。(通販で...) これは名作中の名作。LA風アメリカンロックの陽気と哀愁ヨーロピアンの雰囲気がベストのバランスで交じり合った極上のサウンドである。泣けるバラードも普通に入っているが、それ以前にこの音そのものに泣ける。 スイス出身のバンドでしたが、あのゴットハードがファーストアルバムでこの作品から1曲カバーしている(“Travellin' Man”)。これは正しくゴットハードのお師さんである。 |
VANDENBERG |
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名曲 |
神様仏様ヴァンデンバーグ様。もうしみじみ、つくづく、天才ですあなたは、としか言いようのない作品。 このサウンド、90年代まで生きていてほしかった。本当に。 オープニング10秒でもう感動。こんな天才的キャッチーなリフは前代未聞である。“Friday Night”、“Different Worlds”、“This Is War”、“Waiting for the Night”、4曲の名曲がレコードで言えば各面のオープニングとラスト、CDで聴いても最高の位置に置かれている。 |
MERCYFUL FATE |
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名曲 |
衝撃的極まった1枚。当時高校生のアホ坊主であった私は、ろくに金も遣わんのによく通っていた輸入盤屋、バイトの大学生の兄ちゃんにこれを聞かせてもらったことを今でもよく覚えている。 第一にマイナーバンドらしからぬ素晴らしい音質。第二に人間離れしたハイトーンボーカル。第三に重圧で押し切ってくるギターリフ。第四にアイアン・メイデンを彷彿とさせる曲展開。第五に第六に...とマニアがいらっしゃれば何時間でも話していたいような名作。 デンマークからメタルの快進撃が始まるのだ!と当時誰かが言ってたが、私もそうだと思ったが、PRETTY MAIDS以外はこれといって凄いバンドが続かなかった(笑)。 うだるように名作が多過ぎた1983年、新人ではこのバンドが堂々のベスト1である。セカンドアルバムも絶対のおすすめであるが、インパクトではこのファーストには到底叶わない。えげつないインパクトではない。今聴けば大変正統派の音である。ただしボーカルを除く。 |
THIN LIZZY |
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名曲 |
80年代メタル大御所インパクト大賞がこの作品。これに比べれば翌年ですか、ディープ・パープルの再結成作品など屁ですよ屁。(、、、いや、これを聴いている間だけそう思う) ジョン・サイクスのギタープレイがまさにアルバムタイトル然りといった雰囲気であるが、フィルおやじのブチ切れ具合もまた大いに壮絶だった。嵐の読経みたいなオープニングナンバーに腰が抜ける。 期待を完全に越え極端の域まで行ったこのサウンドは、ヘヴィ・メタルを欲する耳には大満足だったが、あまりの壮絶ぶりにどうしちゃったんですかと心配してしまうような、そこまで凄いアルバムだった。 THIN LIZZYの続きはなく、これが最後のアルバムとなった。今にして思えば、これほどラスト、という言葉が似合うアルバムもなかったように思える。 |
第3位! |
DEF LEPPARD |
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名曲 |
ワイルドで暴れん坊、若年層に支持されるヘヴィ・メタルの理想型を完璧に完成させたのが偉業だった。こんな激しい音でありながらスタンダードポップスとしての味付けが濃いのも、当時は凄いオリジナリティーだった。イギリスの血を捨てたサウンドかもしれないが、バカ売れすると国籍がなくなるのは音楽に限ったことではない。 |
第2位! |
OZZY OSBOURNE |
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名曲 |
これぞオジーの歴代最高傑作。パノラマ感極まって、破格のスケールである。これを最高傑作と言えばランディー・ローズの立場はどうなるんだとファンの方に言われるが、そういう次元の話じゃない。 この音圧と一体感がそれこそ奇蹟的だった。世の中いろんな趣味の奴がいるが、これ聴かせるとみんな間違いなく黙るだろう。今の10代の人にこそ絶対聴いてもらいたい名作である。 |
第1位! |
BLACKFOOT |
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名曲 |
この年のベストアルバムで済まず、私自身80年代HR/HMの頂点と思い込んでいる作品である。墓場まで持っていきたいアルバムである。 ブリティッシュロック代表URIAH HEEPの中心人物、鍵盤奏者ケン・ヘンズレーが、アメリカンサザンハードロック代表、BLACKFOOTに加入。ウソみたいな状況が産んだ、ウソみたいな名作である。 これが出てからもう30年も経つのか、という感慨と同時に、年々崖っぷちまで追いつめられていく自分の生活に暗い気分にもなってしまうが、この時期すべての名作が今普通にCDで買えるというのはメタルファンにとっては夢のような環境である。 |