1984年
ロック編 (ハードロック、メタル以外)
何と言ってもブルース・スプリングスティーン、
"BORN IN THE U.S.A."。
ブライアン・アダムスの"RECKLESS"もこの年、
マイナーロックの出る幕無し!という年でした。
個人的評価100点満点作品 全26枚
REO SPEEDWAGON |
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名曲 |
超名作"HI
INFEDERITY"の次、"GOOD TROUBLE"で大きくブッこけたこのバンド。いい曲がなければ苦しいスタイルということを露呈してしまったが、すぐにヒットチャートに帰り咲いた。歴史的名曲"Can't
Fight This Feeling"の誕生である。 ただし、名曲集というには苦しいアルバムかもしれない。歴史的名曲の余韻はしばらく続いたが、このアルバムを最後にヒットチャートから姿を消した。 |
DAVID GILMOUR |
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名曲 |
ロック界の生き神様PINK
FLOYDのデイヴィッド・ギルモア、2作目のソロ。前作もそうだったのだが、全然PINK
FLOYDぽくない。ゆったりとした普通のロックである。 "Cruise"はかなりの名曲であるが、確かに、こういう爽やかな曲はあのバンドではあり得ない。 |
THOMAS DOLBY |
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名曲 |
"She Blinded
Me with Science"ほどぶっ飛んだ曲が入っているわけではなく、あの曲の印象からすれば非常に地味なサウンドであるが、これは狂人というより自閉症("Hyperactive"除く)サウンド。 暗くて、なかなか素晴らしい。暗い世界は奥が深い。 |
PETER WOLF |
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名曲 |
J.GEILS BANDを抜けたフロントマン、ピーター・ウルフの初ソロ。"Centerfold"のあの人だ、と誰が聞いても即わかるくらいのアレ路線。初ソロはこれでよかったんじゃないでしょうか。このあとから、まだまだぐーんと渋くかっこよくなっていく。 |
CHICAGO |
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名曲 |
こっちのほうがアルバム的には、20世紀代表の名曲"Hard
to Say I'm Sorry"収録の前作よりも良かったと思う。 寝てしまうような曲も確かにあるが、ハイライト曲を聴けば、例えばNIGHT RANGERと同じような空気を醸し出す瞬間もあった人たちだと思う。 |
SURVIVOR |
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名曲 |
個人的にはあまり好きなバンドではなかった。メロディー軽すぎ。癒しのハードロックとか、何だそれ。じじいだけ相手にやっていろと。 しかし! 元COBRAのジミー・ジェイミソンが加入し、その素晴らしい喉を聴かせたこのアルバムだけは素晴らしかった。 このバンド節満開、ほんとにくだらない曲もあるが、"I Can't Hold Back"に、日本盤ボーナストラック"the Moment of Truth"(懐かしー、映画「ベスト・キッド」の主題曲)は80年代ロックとして最高品質である。 |
PRINCE AND |
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名曲 |
誠に幼稚なことしか言えないが、これは白人も黒人もない、ワールドワイドロックだと思った。 あるいは雑多な人種が住むアメリカの印象そのものなのかも。アメリカ版「はとぽっぽ」が最高であるが、アメリカの子供がこれを歌ってたらコワイという気がする。 |
JOHN WAITE |
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名曲 |
BON JOVIの兄貴!という雰囲気のハードポップ作品。オープニング曲は無茶苦茶元気である。 "Missing You"が大ヒットしたが、"Restless Heart"も素晴らしい。さりげない、そして裏のないバラードロックでもある。 |
DEPECHE MODE |
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名曲 |
このバンドの作品では最高傑作93年"SONGS
OF FAITH AND DEVOTION"以上に攻撃的な作品だと思う。 ロックというより電気ポップス、それも基本的に、えらく暗いバンドであるが、リズムの激しさはハードロック顔負けだった。いや、リズムと言わずにビート、という言葉が使われ出したのもこの時期だと思う。 |
ROGER TAYLOR |
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名曲 |
アルバムで言えば“THE
WORKS”周辺、1984年、ジョン・ディーコンを除く3人がそれぞれソロを出した。(ブライアン・メイはミニアルバム) 80年の“THE GAME”こそ誰もがピークと思ったはずが、創作活動がここでまた新たな勢いを見せるとは何と凄い人たちだったのだろう。 中でも一番かっこよかったのがロジャー・テイラーのこのアルバム。ドラマーの作品らしくビートが素晴らしく冴えまくっていて、それでいて極上の今風ロックンロールスペシャルである。これは知らない人がかわいそう。“Man on Fire”はF1レースのテーマ曲みたいな曲で、子供心が感動する名曲。 ちなみにジョン・ディーコンだけが今まで1枚もソロを出していない。今何をやってらっしゃるんだろう。 |
RAMONES |
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名曲 |
とてつもなく「帝王」になった時期の作品。1、2、3、4ロックンロールからはもうかなり離れた作品。 何ともこのバンドオリジナルの不思議なドスが全体を支配しており、あるジャンル代表というよりアメリカンロックの代表と言える存在に成り上がったような雰囲気である。 |
SIMPLE MINDS |
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名曲 |
ブリティッシュポップスの底力を知れ!というサウンド。何を歌って何楽器を使おうと、ここまでのグレードを聴かせてくれれば、メタルファンもごめんなさいと頭を下げる。 屁曲もあるが、ファンだけが誉め倒すアート性がなければ、もっとアホになってたら、このバンドはもっと高い位置にまで上っただろう。と思う。 |
QUEEN |
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名曲 |
腰でヘニャヘニャ踊るようなヘンなダンスミュージックチューンが特に印象的だった、ロックファンが大いに困り果てた迷作“HOT
SPACE”を経て、この時期、余程のマニアでさえもその後の方向性が予想できなかった、そういう時期だったと思う。 届いた作品はハードロックファンも大喜びの、現在過去路線入り混じる傑作だった。創作意欲は初心に帰っている。 オープニングナンバー“Radio Ga Ga”は新境地ではあったが、この人たちにしかできない、この時期風にファンタジックな童話だった。“Shake It Up”、“Hammer to Fall”はハードロックファンに向けたブライアン・メイからのプレゼント。大鉈を振るうような重量感が、さすがさすがの70年代スタイルである。 コンテンポラリーから懐古路線から何でもアリ、そして時代を代表するような名曲あり、一番売れた代表作品“THE GAME”以上にクイーンらしい作品である。 |
ORION THE HUNTER |
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名曲 |
100%あのBOSTONのコピーサウンド。といっても元BOSTONの人たちなんですから当然。 太さ、重量感は本家に及ばないが、メロディーラインで引けを取っていないから、聴き応えはほとんど同等だった。BOSTONファンなら何があっても絶対聴かなければならない名作。 |
THE PRETENDERS |
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名曲 |
"Middle of the
Road"は乾坤一擲の大スタンダード。「おっさんねえちゃん」の凄みが炸裂した。 クリッシー・ハインド、ジョーン・ジェット、ミュージシャンではないが元WWFのチャイナ(ジョーニー・ローラー)、みんな同じ顔をしている。全員、大男よりも強そう(実際強い人もいる)だった。 "Middle of the Road"は渋すぎるんだかかっこ良過ぎるんだか、これは今でも十分通用する。 |
INXS |
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名曲 |
"Original
Sin"は本当に衝撃的だった。 都会的な印象でありながら、しかし土のにおいがするという。 その後、土のにおいがアルバムごとにだんだん薄れていくにつれて、面白みのない音になっていった。 |
THE CARS |
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名曲 |
ハードロック畑売れっ子プロデューサージョン・マット・ランジの手による、ポップス史上最も攻撃的なポップスがこの作品。 ハードロックになったわけではなく、CARSはしっかり以前と変わらずCARSだったというところが凄い。大ヒット曲を数々生んだモンスターアルバムであるが、なんせオープニング曲は呆気、唖然の一言。 |
ベスト10!
BRYAN ADAMS |
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名曲 |
これもまた凄い名曲集。 仮にもし売れなかったとしても、こういうアルバム出せたというだけでミュージシャン冥利に尽きるだろう。このアルバムがあるという事実だけで以降2〜30年は食っていけそうな。ベスト盤で済ませてる人、かえってもったいないと思いますよ。 |
DIRE STRAITS |
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名曲 |
大体私がハードロック、メタルのライブ盤があまり好かんのは、元々からして汗の音楽、激しい動きの音楽を、ライブ!なんていっても、背ビレ尾ビレが加わっただけ。とか、ひねくれておるわけですよ。 生演奏の素晴らしさは、こういうバンドに比べるとメタルなんぞはものすごく不利だと思う。 尻を重たくしてなかなか動こうとしない部分の感情まで、この演奏を前にして躍り狂う。これが本当のライブサウンドである。熱狂以上の感動があった。 |
JOE JACKSON |
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名曲 |
おもいっきりパワーを増幅させたAORである。感動的だった。 ハードロック、ハードポップというわけではなkったが、この力のこもったサウンドは真の音楽好きには必ず伝わる。ビッグバンド風(ブライアン・セッツァーみたいな)の曲が大半を占めますが、ロックにはないスケール感があった。 |
BRUCE SPRINGSTEEN |
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名曲 |
仮にこのアルバムのタイトルがこれでなくても、84年ビルボード年間チャートグランプリという偉業は絶対変わらなかった。名曲しか詰まっていないような、無茶苦茶なアルバムだった。 星条旗持った男が誇らしげに叫んでいるようなジャケットではなく、労働者のさりげない後姿のケツというところが本当にこの人らしい。 特に90年代以降「アメリカが嫌い」というのはひとつのトレンドのようになっていたが、このアルバムが嫌いというロックファンは私は一切信用しない。 この時期の海賊盤で"PORN IN THE USA"というのがあって爆笑したことがあった。(PORN...ポルノ) |
TOTO |
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名曲 |
"TOTO IV"ほどは売れなかった作品だと思うが、断然あれより素晴らしい作品。埃くささも泥臭さもまったくない、かなり清潔な音であり、この空間を居心地悪く感じるほどわしは育ちが悪くなくって良かった。 ここまで豪華な出で立ちになっても、相変わらずスティーヴ・ルカサーのギターには太いポリシーが貫かれている。 |
ROGER HODGSON |
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名曲 |
SUPERTRAMPの、常人離れした雰囲気のボーカリスト。これ1作でSUPERTRAMPすべてを上回ってしまったような、それほど凄い作品だった。 8分半に及ぶオープニングは宇宙的にダイナミックである。プログレ? いやいやとんでもない。飛んで跳ねて8分半だから本当にすごい。 |
BILLY RANKIN |
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名曲 |
NAZARETHにいっとき参加したギタリスト(後年復帰)のソロアルバム。 かなりの佳曲集である。こういうのこそブリティッシュポップと呼んでほしい。絶唱も熱唱もせずに、歌が非常に素晴らしい。音こそ違えどSTATUS QUOにも似た趣きがある。 |
第3位! |
THE ALAN PARSON PROJECT |
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名曲 |
名作尽くめのこの人の作品群にあって、特に名作なのがこのアルバム。一日100円生活の貧乏人もこの豪華さにバカ負け。つくづく感動的なメロディーライン。真にゴージャスなものは実は万民向けなのだ、なんて哲学をも教えてくれるサウンド。 「アンモニア・アヴェニュー」とはしかし語呂の悪いタイトルだが、昔実在した工場街のお話。 |
第2位! |
SPANDAU BALLET |
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名曲 |
デビュー時はジャンルを越えた強力な演奏が光っていたこのバンドであるが、なめ〜っとしたボーカルにリスナーの好き嫌いが分かれた。 この4作目になると、まあこれが、AORでもこれほどうまいボーカルがいるかというくらい、スタンダードに超うま過ぎるボーカル。今風の言い方をいすれば神声である。こんな歌、音楽性の発展進化では済まない。世界一うまい歌だと思う。まあいっぺん聴いてみなさいって。 前作くらいから、この歌のおかげで路線そのものも一気にスランダード洋楽化した。 |
第1位! |
LITTLE STEVEN |
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名曲 |
わしの生涯ベスト3に入るくらい好きなアルバム。 サミー・ヘイガーも同タイトルの作品を出したが、まさにふさわしい人以外つけられない、つけちゃいけないタイトルである。 ブルース・スプリングスティーンの長年の相棒マイアミ・リトル・スティーヴン、もちろんこのタイトルそのものの風格を持つ御大ミュージシャンだった。 あのマイケル・モンロー、あのジョン・ボン・ジョヴィが師匠と仰ぐ人物としてそのへんに詳しい方なら名前はご存知だと思うが、確かにこの作品は一流一線級のミュージシャンたちに対してでさえ、大きな勇気とインスピレーションを与え得る作品だった。 ボスの代表作品“BORN IN THE USA”と同時期リリースとなったが、ボスのサウンドがいかにも表的であるのに比べ、荒いサウンドにフニャフニャの声のリトル・スティーヴンの個性は裏的であったのかもしれない。 本当のアメリカの声はどちらだ、となると、やっぱり両方だったのだ。 20世紀を代表する名曲中の名曲“Out of the Darkness”、これほど勇ましく男らしくそして優しい曲はない。これ1曲でメタルの有名チューン50曲分くらいの重みと奥行きがある。ホントに泣く。男性諸君、これを聴かずして死んではいけない。 |