1985年
ハードロック、メタル編
80年代、メタルに関しては最も充実していた年かもしれない中で、
自分で言うのもなんですが
意外なバンドがベストアルバムとなりました。
ワタシの今までの一生の中で、
いちばんカンカンになって
メタルを聴いていた年でもあります。
ちなみに地球的大ヒットとなった
"THE FINAL COUNTDOWN"ですが、
わしは★5つ作品とは思いませんので
ここには紹介してません。
マイナーメタルは別枠にして、
紹介してます。
個人的評価100点満点作品 全36枚
TYGERS OF PAN TANG |
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名曲 |
タイガース・オブ・パンタンの音ではない、とアホなこと言うメタルマニアは、前作のとき同様少なからずいたようだが、ジャケットにちゃんとTYGERS
OF PAN TANGと書いてある以上、タイガース・オブ・パンタンの音である。 まあ、曲の出来がどうでもいいという、マニアにしか楽しめないという作品であれば文句も言いたくなるが、このアルバムに至ってはマニアにしか楽しめないどころか、マニア以外の人がかえってたくさん楽しめるというハードロック賛歌となっている。 特にアルバム前半の曲の充実度は凄い。タイトルチューンは名曲中の名曲。ギターも頑張っている。 私にとってはTYGERS OF PAN TANGはジョン・サイクスではなくてジョン・デヴァリルである。これだけメジャー映えするボーカリストが埋もれてしまったのはあまりにも惜しすぎる。 バンドは今も活動中だが、ジョン・デヴァリルはとっくにいない。 |
FOREIGNER |
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名曲 |
ハードロックバンドに転身したというわけではなく、これまでのアルバムと寸分変わらないバラードロックの神様ぶりを変わらずも堪能させてくれた作品であるが、オープニングナンバー“Tooth
and Nail”が死ぬほど痺れた。ボカーンとハードロック爆発作品。 この音の厚さはかなり魅力的で、お得意のバラードロックにしても耳が感じる圧力が大きくて説得力が違う。 品行方正なジェントルマンたちをここまで燃え上がらせたものは一体何だったのだろう。 |
KIX |
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名曲 |
AC/DCがおもいっきり若返ったような超元気サウンド。重苦しいヘヴィ・メタリックな雰囲気がゼロなので、聴いた人誰もが気に入るとはいかないだろうが、それでもこの時期、このバンドの元気さと体力にかなうバンドはなかなかいなかったように思う。 青臭い音を出していて、曲はかなりベテラン。AC/DCもこんな時期があった。このバンドも80年代メタルのヒーローとして忘れることはできない。 |
LEE AAROM |
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名曲 |
1度もブレイクすることなくメタル界から消えた女性ハードロッカー。(90年代復活したが、やっぱり売れない) 女性ハードロッカーというとジョーン・ジェット、パット・べネター、あのへんのビシッっとした姉御風ロックンロールサウンドを思い浮かべてしまうが、このお人だけは可憐なルックスして音は裏腹、ハードロックではなくヘヴィ・メタルと言い切っていい、重々しく黒々したサウンドを聞かせてくれた。 陰気ではないが、間違っても陽気なサウンドではなく、弾けているというよりずぶずぶ沈み込んでいる。 そこでポップなメロディーを歌ってたりしているから、こんなことやってサマになったのは、80年代後半ヘヴィ・メタル時代のキッスくらいだったんじゃないだろうか。目立たずとも偉大なアルバム。ドスも効いている。 |
BON JOVI |
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名曲 |
前作の多大なインパクトのあとでは、かなりおとなしいタッチの作品だった。受けは当時あまり良くなかった。 名作“SLIPPERY WHEN WET”でヒットソングメイカーとしての力量が完全に確立されたのち、改めてじっくり聴いてみて、その何曲かの素晴らしさはまさに“SLIPPERY 〜”風だと思わせた、そんな作品だった。 “Price of Love”、“Only Lonely”、“Secret Dreams”、ベスト盤にも入っていないそんな曲すら素晴らしい。 |
SINNER |
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名曲 |
マイナーといってはもう失礼なサウンドになってしまっていた、偉大なマイナー作品。 おっさんくさい歌が、マイナーから足が抜け切れないような悪印象のひとつでありながら、ここは、メジャーに何もかも委ねることはしないぞという好印象のひとつでもあった。 おっさんなのに、それでいてこの作品で間違いなくジャーマンメタルのポップスタイル第一人者になった。特異な個性だった。メロディーに関しては哀愁から能天気まですべてOK。 |
UFO |
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名曲 |
アトミックなんて名前はダテではなかった。アトミック・トミー・M、この人も今どこへ行ってしまったのだろう。衝撃的なギタープレイだった。 昔から、サビになってもあまり沸騰しないというUFOらしい楽曲において、よくもここまで目立てたものである。このギターの働きあって、沸騰しないUFOならではの曲が、70年代全盛期さながらに再生している。 例えば10年も後の作品になりますが、95年ユーライア・ヒープの大傑作“SEA OF LIGHT”あたりと雰囲気がいっしょで、魔法をかけたように基本的なノリからして違った。 |
BLACK'N BLUE |
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名曲 |
幾分10代リスナー専用みたいな雰囲気はあるにせよ、誰にも邪魔されない真っ直ぐなスタイルを貫いていた、アメリカンロックの美点を感じさせる優良若手株の筆頭サウンドだった。 アメリカで売れなかったのが不思議。アメリカンロック謳歌スタイルに大変身、いや、変身というか、徹底の勝利である。エアロスミスの甥っ子のような音である。 プロデューサーにも注目、そういえばこのアルバムを聴いたジョン・ボン・ジョヴィが“SLIPPERY WHEN WET”のプロデュースをこのブルース・フェアバーンに依頼したのは本当の話である。 |
DIO |
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名曲 |
キング・オブ・ロックンロールとは何という必殺技御開帳だったのか。 DIOがロックンロール?と、アホウなこと訊いてはいけない。大元でロックと名のつくものは、どのようなスタイルであれ、いちばん気合いを込めたものを「ロックンロール」と呼ぶのである。 |
JOSHUA |
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名曲 |
前作に比べギターはあまり目立ってない代わり、極上メロディーの洪水である。ファーストミニアルバムには1曲、とてつもないバラードの名曲があったが(November
is going away)、あれほどの名曲はないにせよ、メロディアスバンドとして優秀すぎるアルバムである。 今聴けば、何屋とも言い難いような、存在感的にはあちこちに散らばっているようなサウンドである。でも、本当のところ曲がすべて。和みたい方はぜひどうぞ。 |
ICON |
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名曲 |
3曲目の“Danger
Calling”、映画のサントラになりそうなくらいかっこよくて、かといって映画サントラのパノラマ感に寄りかかることなく、いかにも覚えやすくて、誰が何と言おうと大きな名曲である。 一応メジャーから出てはいたが、大衆ハードロックバンドがヒットチャートを駆け上っていくのを尻目に、どうしてこのバンドだけがマイナークラスの憂き目に遭ったのか、いまだに不思議である。 バカテクを売ったサウンドではないが、しかしこの音のIQの高さは尋常ではない。カナダ産天才プログレッシヴスーパートリオ、ラッシュに相通じる雰囲気もある。よく聴けば、あるのだ。 |
HELLOISE |
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名曲 |
「宇宙進化論」なる大仰なタイトルでファーストアルバムをリリースしたこのバンド。プログレではないが、確かに大仰なタイトルに見合う大きな音楽性を持っていた。 初めからメジャーデビューなんて何とラッキーな(当時は少なかった)と思うが、この音ならごく当然ですわな。 オランダといえばVANDENBERG、VENGEANCEであるが、彼らに一時期迫る勢いを見せたのがこのバンドだった。 何のどこが凄い、みたいに突出した個性はないかもしれないが、そうであって然るべき一体然とした音楽性であり、非常に真面目な雰囲気にお好感が持てる。歌、ソロ、コーラス、感心するほど丁寧に作り込まれている。 |
KISS |
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名曲 |
前作“ANIMALIZE”に続いて飛び出した、必殺のヘヴィ・メタル爆弾である。激しさはそのままに、さすがのKISSらしいポップなメロディーが復活した。 こういう作品があるとないとでは、バンドそのものに対する評価も違ってくる。単純に強さをアピールしてくれたのが嬉しかった。メジャーヘヴィ・メタルとして一番素晴らしい形である。ずっと同じ音でも飽きない音である。 この先何年ずっとこの路線でも、ファンは絶対飽きることはなかった。バラードタイプの曲までしっかりとヘヴィ・メタル。これだけ繊細さを排した音は、英断でありまた快挙だと思った。 それが、以降、90年代がつまらんかったのだ... |
FORTUNE |
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名曲 |
ものすごく上質なメロディーラインのAOR超豪華サウンド。イメージはかなり大人であるが、ギターサウンドが厚くまた熱く、そしてコーラスワークも爽やか以上に厚く熱い。機動力の素晴らしい高級車のようである。 ハードロックファンが食いつきそうな部分がちゃんと活きているから、そのあとはメロディーの洪水に溺れなさい、ということで、まるで聞かせたモン勝ちみたいなスタイルだった。 のち、中心メンバーはHARLAN CAGEというバンドを組んでいる。 |
ADAM BOMB |
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名曲 |
王道のミドルテンポでチンピラヤクザテイストを放つ、レコード盤のオープニング(7曲目"Take
Me In")も良かったが、こっちのCD版のほうが絶対いい。 このオープニングナンバーはかつてはボーナストラックのようなもの、またはお蔵入り音源だったのか? しかし凄い名曲である。若僧の音でありながら、エアロスミスにケンカ売ってる、アマチュア時代全戦無敗のような爆走ハードロックチューンである。 音質は薄いが、決して軽い音ではない。非常にバイオレントな雰囲気のするサウンド。 |
THE CHERRY BOMBS |
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名曲 |
EP、シングルのたぐいをここで出すのは反則かもしれないが、ハノイ・ロックス解散後、ギタリスト2人が結成したこのバンド、正式スタジオ録音はたった2枚の12インチシングルしかないにせよ、私はこれほどまでに派手でゴキゲン(死語...)なロックンロールを他に知らない。 ハノイ・ロックスなんて屁ですよ、屁。私の言葉ではなく、音がそう言い放っている。 本体を超えた関連作品である。 ライブアルバムではなく、本格的なアルバムを出してくれてたら、必ず有名になれたのに。知る人ぞ知る、という存在感が余りにも似合わなさすぎる必殺ド派手ウルトラ御開帳爆裂作品である。 CD1枚でシングル全曲入った編集盤を見たことがあるが、あれは海賊盤だったのか? |
STRYPER |
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名曲 |
2作目で完全、完璧に個性を完成させたバンド最高傑作。 バラードロックと言いながら、実際は覇気あふれるロックバンドが歌うただのバラード曲を指す場合が多かったが、ストライパーこそまさに真のバラードロックバンドだった。単純に、バラードがロックしていた。このバンドの女々しさを攻撃するリスナーは数多くいたが、一番前に立っているものが他とは違うのである。 ロックの名を語りキリスト教を広めようとしている!と目くじらを立て、やたらこのバンドを妨害したライターやら評論家がいて、笑わせてくれた。このバンドはそういう攻撃にまったく負けなかった。 |
GARY MOORE |
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名曲 |
数あるこの人の名作中、私がいちばんヘヴィ・メタルを感じたのがこの作品。コンセプト的なものから外目のカラーから、音の激しさから、あらゆる面で。 フィルおやじとの掛け合いボーカルを聴かせる“Out in the Fields”なんて70年代ハードロック創世期、あの時代をリアルタイムで生きてきた人たちだからこそできる、とてつもない必殺技だった。このテンポで涙腺が緩む曲なんて、そう滅多にあるものじゃない。 とにもかくにもヘヴィ・メタル好きの人間がオープニングでがっつーん!ときたら、その衝撃の度合いがヘヴィ・メタルを判断するいちばん正直な目だと思う。この作品は本当に爆発していた。 |
ASIA |
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名曲 |
ジョン・ウェットンラストアルバム。(のち出戻り) 特に前2作に比べジョン・ウェットンの独り舞台という雰囲気が強いが、もともと暖かく感動的な歌にかけてはこの人の右に出る人はいない。すべての人が納得済みの独り舞台である。耳が感じる満足感だけで評価して然るべき作品である。もちろん100点満点。 |
ALCATRAZZ |
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名曲 |
イングヴェイが抜けて終わったなんてひどいこと言ったファン、アンタらこそひどい。 この後調子に乗ってホワイトスネイクまで壊してしまったスティーヴ・ヴァイであるが、そんなことができるミュージシャンがいたということが衝撃的だった。 ここアルカトラズでは壊れ具合がこれまた最高にクールな、最高にスリリングなロックが堪能できる。壊し方にも上手、下手があるということをこの作品は教えてくれた。 実際スティーヴ・ヴァイの本領発揮と言われている作品の数々を差し置いて、この作品がいちばんメタルリスナー向けの素晴らしいサウンドだと思う。 |
NIGHT RANGER |
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名曲 |
メタルバンドのくせにバラードで浮名を流すとは何事だ、とか言うリスナーが当時存在したということが、今となっては大変平和な時代のエピソードの一つである。 このアルバムはアメリカにナイト・レンジャーありというステイタスを築いた。 “Sentimental Street ”、“Goodbye”のあまりの完璧さを聴けば、名曲に時代は関係ないことをひしひし、しみじみ思う。 ちなみに全編バラードというわけではもちろんない。 |
ROUGH CUTT |
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名曲 |
アメリカンロックのくせに、陽光きらめく曲はない。LAメタルのくせに、ネオンライトきらめくド派手な曲なんぞ1曲もない。 そこがかえってとてつもなく痛快であり、私は大好きなバンドだった。オカルトチックな曲まである。向こう見ずというか、正反対の職人的というか、一言では表現できない超インパクトを持って、いまだにギラリと凄みを見せつけるサウンドである。 ほんまのLAメタルになってしまった2作目はプーである。 |
KING KOBRA |
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名曲 |
謎のフーマンチュー、カーマイン・アピス率いたハードポップバンド。 職人のハードポップと呼ばれつつも、実際は聴きやすさの上にヘヴィ・メタル様式美の要素がかぶさった、メタルマニアにとっても得るものが多い、大変美味な作品である。"Hunger"は本当に素晴らしい。 ちなみにボーカルの人はオカマになった(本当)。 |
IRON MAIDEN |
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名曲 |
これほど音質の素晴らしいライブ盤もない。これで、オランウータンが曲中、煽りまくる言葉がなければ、完全にスタジオ盤として通用してしまうくらいの高品質サウンドである。そのへんのライブ盤にはまずない、スタジオ盤と同等の完成度があった。ジャケットも素晴らしい。私はこれをレコード盤で持っているが、2枚組のずしっとした重みが良いのだ。 |
HELLOWEEN |
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名曲 |
カイ・ハンセンボーカル時代のこの時期は、マイナーメタルの良心炸裂というか、メジャーでは絶対聴けない個性で塗り固められた塗り壁サウンドであり、耳的にはスラッシュメタル創世期の過激な音作りが感じられるも、ときに童心に帰ったような、耳触りが良すぎるメロディーラインがリスナーを仰天させた。 ヒーローアニメの主題歌調とたとえられた、ある意味最高のメジャー性はここから開花している。 そして、ツインリードギターにはじまったヘヴィ・メタルのインスト世界、このバンドが新しい展開を提示したことによって、ヘヴィ・メタルはとにかく楽しめる音楽になった。ギターに歌の役割が加わり、ソロから第2のサビがはじまる。 |
ACCEPT |
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名曲 |
完全にメジャーロックの仲間入りを果たした、ジャーマンメタルNO.1の存在格を持つ代表作品。 古典クラシック曲の大胆なアレンジで幕をあけるオープニングに誰もが絶句した。 メジャーに魂を売った、などと常套句で攻撃するリスナーもいたが、何を言うのか、貧乏のままでいる方が余程魂を蝕まれる。魂が浄化したとなぜ考えない。 何の話だ。 手触り的に軽めになったサウンドは、確かに聴きやす過ぎるかなとも思うのは当然としても、あまりに魅力的な楽曲の数々を前に、この新生サウンドを納得せざるを得ないという気になった。当時は、ポップな歌を歌うウドが衝撃的だった。 しかし何が凄いといって、ウドのポップな歌が少しも浮いていなかったことである。 |
ベスト10!
PHENOMENA |
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名曲 |
グレン・ヒューズが本職以上の奮闘を見せた、ホワイトスネイク関連トム・ギャレー、メル・ギャレー兄弟主催によるプロジェクト作品。 これ以上の風格がどこにあるかという、英国産屈指の究極スタンダード様式美路線だった。グレン・ヒューズを筆頭にコージー・パウエル、ニール・マーレイ、ドン・エイリー、そっち系の人がぞくぞく参加。 この時期にしてかなりバブリーなメンツであったが、音は少しもバブリーではなく、あまりに役者然としたミュージシャンばかり集めていながら、ある意味真面目すぎるくらいの音に没頭させる、その音作り、方針、ポリシーが見事と言う他ない。グレン・ヒューズの熱唱が冴えるバラード調の曲が、特に感動的である。名作中の名作である。 |
METAL CHURCH |
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名曲 |
トンガリ具合に狂い具合、真っ直ぐ具合に落ち着き具合、どこをとっても満点評価確実の名作。他のロックジャンル同様、結局は大国アメリカが最強なのだということを示した作品かもしれない。 今聴いても、この音がまったく古臭く感じられないのは、何もこのバンドが未来系スタイルをとっていたということではない。スタンダードがもっともスタイリッシュに完成されているような気がする。高級感のある世界ではないが、メタルファンならスタイリッシュの意味を分かっておくれ。 |
ANTHRAX |
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名曲 |
メガフォースレーベルを一気に有名にした、2作目にして大出世作。捨て曲なしの大傑作。このジャンルにあって初めて歌えるボーカリストがフィーチュアされた、歴史的記念碑的スラッシュメタル作品である。 この人たちには激しすぎるサウンドの中に独特のユーモアと愛敬を持っていた。すでに“Gung-ho”がそうである。 今聴けば、当時抱いた「聴きやすいハードコアメタル」という印象の逆、「超過激なポップミュージック」という印象を持った。 |
Q5 |
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名曲 |
ギターアームの発明者、フロイト・ローズがバンド組んでハードロック界に殴り込みをかけたのがこのQ5なるバンド。 これがなんとまあ、アメリカンメタルとしてはひっくり返るような大穴だった。私はギターの細かいことはあんまりわからないが、そんな人間こそ一番楽しめたようなアルバムかも。 突っ走る一体然としたスタンダードさが名作の理由かと。オープニングナンバーのあまりの勢いとかっこよさに呆然とすること必至。タイトルチューンはスローナンバーの名曲であり、重々しさと縁のなさそうな風体して、一体何ですかこの悠久のサウンドは。 |
VANDENBERG |
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名曲 |
もともとシンプルな構成を身上としたバンドでありながら、ここまで肉を削ぎ落としたことはメタルバンドとしてはかなりの大冒険だった。 しかしそれが宿命であるかのように、ロックのバブル絶頂期においてこの路線をとったことは大拍手。この名盤があるからである。才能の上にあぐらかかないで、よくぞやってくれた。 何と言ってもこのバンドらしかったのは、その飾り気のなさが楽曲の素晴らしさを活かし切っているところ。 ファーストアルバムでは「超」やら「絶」やらいった雰囲気をビジュアル的に強く感じさせたが、この3作目(にしてラストアルバム)に至っては、それが楽曲だけの中に生きている。ならではの悟りを感じさせる。 復活はあるのだろうか。 |
SHY |
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名曲 |
デフ・レパード級に売れてもおかしくなかった、それ級のサウンドである。 シャイってあんたどこがシャイなんだ、みたいなサウンドであるが、バンドのロゴマークも音の確固さを象徴してるようで素晴らしかった。パワーメタルのスケール感で迫る哀愁ポップ路線、言葉にすると変かもしれないが、聴けば仰天、そうとしか表現しようのない音である。 |
TRANCE |
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名曲 |
80年代の代表足り得るワールドワイドメガロック作品と思っている。その理由は、単純に内容が素晴らしいにとどまらず、しっかりとドイツらしさ(ジャーマンメタルらしさという小さな解釈じゃなく、音楽を超えた国そのものの存在感)が光っているからである。 これはメタル界の至宝である。アクセプトもハロウィンもここまでの感動は与えてくれなかった。 しかしあまりに熱い音のため今のリスナーには「くさい」と言われてしまうおそれあり。 ラストナンバー、タイトル曲Victory"は80年代メタル永遠のアンセムである。 |
第3位! |
MAGNUM |
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名曲 |
80年代ブリティッシュハードロック、大衆部門ナンバー1はSTATUS
QUOかMAGNUMか。そういうバンドである。 こうも心の暖まるハードロックがあるだろうか。ジャケット、タイトルのイメージそのまま。寓話的なこの包容力はいい意味でハードロックとは別ジャンルという気さえする。いや、これもハードロックのひとつならハードロックファンであることが最高に幸せと思える、奇跡の作品である。 たまに真面目なことを言うと、腹の調子が悪くなる。 |
第2位! |
RUSH |
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名曲 |
このプロフェッショナル軍団のたくさんの名作の中で、一番ヘヴィ・メタル寄りなのがこの作品。と思う。 実際のところ、形で言うヘヴィ・メタルとは全然リンクする部分が少ないかもしれないが、巨大な迫力とパノラマ感が質量的にヘヴィ・メタルに勝っているというところで、多くのリスナーの共感を得たというサウンドである。 凄すぎる圧倒感覚。呑まれてしまえば意外に快適な、近い感じがする音になる。 |
第1位! |
MAMA'S BOYS |
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名曲 |
ついに★★★★★級最高傑作、おめでとう!と叫ばずにはおれなかった、バンド代表作にして最高傑作。 メタルらしからぬ人の善さそうな表情を持つ音楽性で、存在感だけで許せたようなバンドだった。別に傑作出さんでいい。末永くやっておくれと私などは思っていたが、まさかまさかの80年代メタル最高傑作作品が飛び出すとは予想外だった。 マクマヌス3兄弟の末っ子、ドラマーのトミーはのち白血病でこの世を去ったが、いつまで経っても大学生みたいな印象が抜けなかったこの人が、さて、激しさを越えここまで大きな打撃音を叩き出したとは、感動的以外に言葉が見つからない。 |