1991年
ハードロック、メタル編
しみじみ聴ける、何年も楽しめる名作が多かった年。
ベスト10はほとんど順不同ですが、ベスト1はこれしかない。
一般評価のベストアルバムは間違いなく
メタリカかスキッド・ロウのどちらか。
ファイアーハウスとサウンドガーデンが敢闘賞!
といったところだろうか。
個人的評価100点満点作品 全32枚
DARE |
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名曲 |
後期THIN LIZZYのキーボードプレイヤー、ダーレン・ワートンが結成したバンドの2作目。まず、全然THIN
LIZZYぽくない音である。 透明な空気が他バンドと全然違う、と思わせたハードロックだったが、今聴けばこれが、人気のメロディアスハードの典型というサウンド。厚いコーラスパートと時々登場するケルトミュージック風の展開が素晴らしい。 ジャンルの数がまだ今に比べれば少なかったと思えるこの時期、器をメロディアスハードというジャンルに用意してもらっているような今のバンドに比べ、さすがは元祖、このバンドは数段格が違った。 近年もしっかり活動しているが、メタル度はゼロになっているから寂しい。 |
TANGIER |
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名曲 |
実際リリース時に買ったのだが、土着カラーあふれるファーストアルバムが非常に気に入っていただけに、フッツーのハードロックサウンドになっていたのが当時は不満で、中古屋へ売ってしまった。 しかしいつだったか、どなたかがこれは名作だと教えてくれて、再び中古屋で買い直したわけでして。 なるへそ、大人のハードロックサウンドではありますが、勢いだけでしぶとく金を儲けてなさるどこかの大御所様たちとは違い、路線に何も突き出たところがなくとも、丁寧に丁寧に心に残る音楽を造っている。 歌のバカうまさもギターのバカ渋さもファーストに比べ抑え気味であるが、曲いちばんという方針ゆえだったと思う。素晴らしく聴き心地の良いアルバムである。 |
PRAYING MANTIS |
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名曲 |
私はファンだからこのアルバムも好きである。 当時結構辛い評価もあったようだが、確かに捨て曲もあるにせよ、オープニング曲"Can't See the Angels"の哀愁、5曲目"Time Slipping Away"の様式美を素晴らしいと思わないメタルリスナーがいたなんて、一体何にかぶれておられはったのでありましょうか。 |
NAZARETH |
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名曲 |
本国イギリスでは復活ぶりが雑誌でも大きく紹介された、まさしくナザレスらしいアルバム。 アップテンポの曲で聴けるハードロック丸出しの迫力が本当に久しぶりという気がした。 9曲目、a)the Rowan Tree b)Tell Me That You Love Meというちょっと変わった曲名表記も、実は昔、このバンドならではだったのだ。 この人たちはこういうバンド。この作品が響かないようでは70年代全盛期とされる時期の作品も堪能できないと思う。 |
MIND FUNK |
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名曲 |
2作目3作目がホントにプーだったが、このファーストは素晴らしかったぞ。 PEARL JAMがもっとメタル化したようなサウンドで、走りという単純なメタル要素がめちゃくちゃかっこよかったりする。何路線であっても単純なかっこよさがいちばん大事である。そういえばここにはCELTIC FROSTのドラマーリード・セント・マークがいた。 (13年5月20日現在) |
MAGELLAN |
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名曲 |
プログレ専門レーベルとして有名なMAGNA
CARTAレーベル、このバンドのこのアルバムが記念すべきレーベル第1弾作品だった。 オープニング曲がいきなり15分。しかし5曲くらい組み合わせたような感じで、まったくだれない。結構メタルカラーもある。プログレッシブメタルの夜明け、のようなバンドであるが、その名にメタルという言葉があるように、しっかりとメタルの一種だったと思う。 以降のアルバムでYES化する。 |
U.D.O. |
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名曲 |
日本では高評価だったにかかわらず、ヨーロッパでは叩かれまくったメタルアコースティックアルバム"FACELESS
WORLD"の反省からか、即軌道修正、屈強の鋼鉄サウンドに仕上がっている。 もちろんメジャーサウンドであるのは言うまでもなく、しかしいつまで経ってもウド・ダークシュナイダーの変わった個性は変わった個性のままで、ある意味かなり無理のあるメジャーサウンドであったということが、かえって途切れのない好評価を今に至るまでキープさせているのだ。 「メタルはメタルなんだよ」と言い切る人間がメジャーにいなければメタルも終わり。この当時、いちばんハードコアなメジャーメタルという観方も間違いではないと思う。 |
SHOTGUN MESSIAH |
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名曲 |
オープニングナンバーが"Sex,Drugs,
Rock'n'Roll"という曲で、確かにそういうバンドだったが、ギタリストひとりがめちゃくちゃかっこよかったアルバムだった。 次作"VIOLENT NEW BREED"(名作!)でギターリフオリエンテッドのインダストリアルサウンドに大変身しましたが、その片鱗はこの作品ですでに聞き取れる。 個人的にはロッケンローな何曲かが非常にじゃまであるが、それでも"Heartbreak Blvd."1曲が突き出て素晴らしい。 |
PINK CREAM 69 |
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名曲 |
2作目。アンディー・デリスの原点という作品。今でもこういう歌を歌っている。 メロディアス以外に何がある?というサウンドかもしれないが、それなりにパワフルなサウンドではある。メロディアス部分のツカミが本当に強引というか、結局メロディアス部分がかなり優れていたバンドだった。スラッシュファンもデスメタルファンもすべてノックアウト、という力強さを持っていたメロディアスバンドはなかなかいない。 アンディー・デリスがHELLOWEENへ移った後もこのバンドは続いているが、どうしてもパワー不足に思えた。 |
BAD MOON RISING |
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名曲 |
LIONが日本以外では全く当たらなかった、カル・スワンのニューバンドがこのBAD
MOON RISING。中身は...バンド名だけを変えたLION。なかなか威風堂々の、素晴らしいハードロックサウンドである。 "Full Moon Fever"級の曲があと2曲あれば名作になったのに、という惜しい作品でもある。 しかしLION時代から「惜しい惜しい」ばかりだったので、うんざりしていたファンもいたことも確か。 (13年5月20日現在) |
OUTRAGE |
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名曲 |
ジャパニーズメタルで1、2を争う名盤。私はこのアルバムだけ好きだ。私の耳は外人かぶれも極めていて、日本人らしさがどんくささと聴こえてしまうアホ耳だから、敵が多い。 しかしこのアルバムはプロデューサーがアクセプトのステファン・コーフマン、欧米産のメタルと並べて何ら遜色ない。メタリカのコピーと言う人は言うが、コピーであっても全然かまわんと思うけどな。メタリカ級の感動をくれる作品とどうして解釈できないのだろう。 |
VAN HALEN |
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名曲 |
「違法な肉欲的知識専用」という変なタイトルだが、頭文字並べればウヒヒヒヒという素晴らしいタイトルである。 サミー・ヘイガー時代の作品としてはこれがベストだと思う。細かい個性よりも、音がアメリカンロックサウンドの王道を突き進んでいる。オープニング、これほど威風堂々という言葉が似合う曲は知らない。 (13年5月20日現在) |
OZZY OSBOURNE |
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名曲 |
オジーがAOR化したアルバム。怪人オジーの作品としては賛否両論。マライア・キャリーと並べておいても全然おかしくないという高品質洋楽テイストがその理由かと。 個人的にはあまり好きじゃないアルバムで、バラードロックばかりという構成は確かにあんまり楽しめないが、しかし名曲の連発であるのは間違いない。 そもそも、バラードも昔からオジーの十八番である。BLIZZARD OF OZZのときから、アルバムには必ず名曲レベルのバラードが最低1曲は収録されていた。 こんなカラーのアルバムが続いたわけでもなし、今となれば、他のアルバムと並べて普通に聞いている。 (13年5月20日現在) |
RATA BLANCA |
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名曲 |
サードアルバム。アルゼンチンらしさというものが音にどう表れているのかはわからないが、スパニッシュメタルのものすごく完成度高い版、のような雰囲気である。 ちょこちょこ出てきた無国籍スパニッシュバンドよりはかなり野人らしさが感じられるサウンドで、激しさに酔っているとやはり飛び出す、華麗なギターソロ。 レインボーのパクリなんて低い次元で話をする人こそ本当にセンスがない。パクリじゃなくて、ここまで来ればレインボーの後継者だったのだ。音的に、であるが。 その証拠に日本盤のタイトルは「虹の戦士」だった。(速攻廃盤...) |
BADLANDS |
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名曲 |
絶賛されたファーストアルバムであったが、個人的には焦点が全然わからない変なアルバムだった。 個性的であればいいのかい、なんて思ったが、その個性をぐっと正統派側に近づけたのがこのセカンドアルバム。まったくのアメリカン・サザンハードロックサウンドである。 澄んだ、伸びのあるレイ・ギランの歌は英国風ハードロックにぴったり来る(...PHENOMENA IIがそうでした)と思えて、実際このようにホコリくさいバッキングでこそ最高の歌を聞かせてくれたボーカリストだった。名曲らしい名曲はないかもしれないが、ハードロックが快適さをもたらしてくれるのなら、こういう色しかないんじゃないか、という説得力がある。 |
RUSH |
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名曲 |
この91年のアルバムこそRUSH久々の快作だった。オープニングナンバーが胸のすくようなRUSHらしいスピードチューンで、これは"Tom
Sawyer""Big Money"に並ぶ名曲である。 90年代は特に難解というイメージがあったこのバンド。"Dreamline"で打ちのめされて認識を改めよう。 |
GUNS N'ROSES |
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名曲 |
なしてみなさん、vol.2のほうが素晴らしい!とおっしゃったのか、全然わからん。vol.2のほうが断然売れたらしいし。 vol.1、こっちのほうがオープニングぶっ飛ばしてるし、「死ぬのは奴らだ」がやたらかっこいいし、"Don't Cry"はこっちのバージョンのほうが絶対いいし、"November Rain"もvol.2じゃなくてこっちに収録されているのだ。 (13年5月20日現在) |
VIPER |
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名曲 |
本国ブラジルでは89年にリリースされたそうだが、しかし91年当時は本当に驚いた。 実際に行ったこともないわしら普通の人間がブラジルについて持つイメージはやっぱり「ブラジル」でしかないわけで、この、北欧メタルも道を開ける澄んだサウンドとブリティッシュネオクラシカルもごめんなさいと謝るこの完成度。意外もいいところだった。 このバンドも、アンドレ・マトス関連(ANGRA,SHAMAN)もこの作品を超えてはいないように思う。 クラシック音楽関連メタルサウンドとしては結構エッヂ感際立っているサウンドであり、いわゆるプログレ色はありそうで、まったくなし。常識を逸脱して本物よりも素晴らしい本物ができたという印象だった。 |
LITTLE ANGELS |
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名曲 |
メタルというよりハードポップの名盤だったが、跳ねているのに決して走り回らない、跳ねているのに風格があるという、大英帝国産のハードポップとしては曲も何も、これ以上ない質を持っていたバンドだった。 なぜこういう素晴らしいバンドが短命で死ななければならないのか、ロック界に神様はいるのかと思った。 洋楽の中でも最も買いやすい場所になければならないアルバムでありサウンドだと思うが、探さなければ買えないなんてあまりにも悲しすぎるぞ。アホ。 |
SOUNDGARDEN |
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名曲 |
3作目にして大ブレイク作品。 初めてアップテンポナンバーが目立つような仕上がりで、メタルファンにも好意的に受け入れられたようである。歌もずいぶんとすっきりしている。濃いことは濃いが、少なくとも暗いとこから聞こえてくる呪文みたいな不気味さはなくなった。 クリス・コーネル、アメリカでは稀代のボーカリストとされており、近年は007の主題歌シンガーに抜擢もされた。その片鱗はすでにうかがえ、3曲目"Slaves and Bulldozers"が特に素晴らしい。 ここまでメジャーな音作りになると、このバンドの個性がいちばん出ているとマニアが言うところのスローナンバーが、一般初聴きリスナーには退屈きわまるという難点はあった。 |
ALICE COOPER |
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名曲 |
まさに90年代幕開けにふさわしい、笑うほどド派手なアルバム。例によってミュージシャン30人くらい参加している。 有名どころではオジー、ガンズのスラッシュ、ニッキー・シックス、スティーヴ・ヴァイにヴィニー・ムーアあたりか、それでもゲスト陣のカラーを全然目立たせないアリス御大の存在感は凄いの一言。 作風としては前作“TRASH”のパート2。"Snakebite"や"Dangerous Tonight"なんか問答無用である。アメリカ大陸のアリス・クーパー。そこまで大きく広いオリジナリティーである。 |
RAVEN |
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名曲 |
これが本当の復活作品、83年"ALL
FOR ONE"以来のキラーメタルアルバムである。 なんせ走る曲がとにかくかっこよかったという、アホでもわかる点で感動したアルバムであるが、ミドルテンポでのドスもこのバンド特有で、名曲"Under the Skin"など誰が真似できるかという。 以降、またこのバンドはメタル街道その路頭に迷うようなアルバムを出し続け、ファンをがっかりさせる。2000年の"ONE FOR ALL"などまさに復活作品でなければならなかったのに、全然だめだった。 2000年代終わりになって"WALK THROUGH FIRE"というアルバムでみたび復活、来日公演までおこなった。 |
ベスト10!
VOI VOD |
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名曲 |
不評和音がどういうわけか非常に耳に心地良い、ついにここまで来た!、というメジャーアルバム。 垢抜けているも垢抜けていないも、そういうものを超越したメジャーサウンドだった。 80年代、このバンドがメジャーレーベルへ行くなど絶対、考えられなかったけどなあ。 そして本当にメジャーサウンドにスケールアップしていたこと、それが名作たる理由である。未体験の方はこのアルバムおよび次の"THE OUTER LIMITS"(93年)からお試しあれ。絶対忘れられない音です。気に入るかどうかは責任とらない。 |
SAVATAGE |
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名曲 |
バンド最高傑作の評価を賜る作品。 ロック・オペラそのままのコンセプトアルバムだが、走る曲がない、ということを除けば至って風格あふれるメタル作品である。オープニングのツカミが凄い。 前作収録の"When the Crowds Are Gone"の大胆アレンジセルフカバーというのか完成品というのか、3曲目"Tonight He Grins Again"があまりにも圧巻で気を失いそうになる。 後半バラードロックが並んでいるみたいで退屈に思ったが、ハイライト場面だけで名作と言い切ることができるバンドいちばんの力作である。 |
SAIGON KICK |
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名曲 |
この年のブライテストホープだった。 曲の素晴らしさで言っても91年屈指のアルバムである。メタル耳も大満足の、太くヘヴィーなサウンドでありながら、同じバンドか?と思うくらいのアコースティックな曲も目立っていて、それがまた名曲と来ているから、何とも凄い新人だった。 "My Life"という曲がまた風代わりな跳ね跳ねポップスで、これもまた聴いたら忘れられない名曲である。マンガみたいなバンドだった。 |
FIREHOUSE |
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名曲 |
日本盤はメンバー写真の後ろに火が燃えているという、かっこいいのかダサいのかわからんようなジャケットだった。 シングル"Don't Treat Me Bad"が最初にヒットして、腰が軽いというのか、(当時)今風にチャラチャラこいたこの曲に、特に激しいもん好きのメタルマニアはそっぽを向いたが、今になってよく聞けば、メジャーメタルのお手本、教科書のようなサウンドである。 あのFAIR WARNINGのファーストに似たような空気を感じたが、音が似ているということではなく、音の感触、音の作り方(=プロデュース)がそっくりなのだ。 もちろん曲によってはノリが軽いが、この完成度にどんなバンドが文句をつけることができるのだろう。 |
METALLICA |
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名曲 |
この年いちばんの話題作であり、いちばんの名曲集だった。METALLICAヘヴィ・ロック化の第1弾みたいな言い方をされていたが、この作品の時点ではまだまだ、いや十分にヘヴィ・メタリックであった。 格が高いんだか単なる屁曲なんだか全然わからない曲が中途に並んでいた"AND JUSTICE FOR ALL"よりも何倍もメタル的に楽しめる作品である。解説不要でしょう。 |
MOTORHEAD |
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名曲 |
結構これが、評判良くない作品なんですねえ。 まさかモーターヘッド初のバラード"Love Me Forever"のせい?ではないと信じたいが、バラードがあろうがなかろうが、何の関係がある。確かに恐いモーターヘッドはここにはいない。しかしレミーおやじが張り切りまくって演奏し歌っている以上、これはやっぱりモーターヘッドなのだ。ファンが持つ矜持も結構だが、変な維持を持ったら損をする。 空気は決して軽くはなく、しかしこの聴きやすさ、これぞ本当のポップメタルと呼びたいような曲が並んでいるが、ヘヴィ・メタルのスピード感を売りながら実はブルース風コードに忠実な曲が多いのが実際いちばん素晴らしいと思ったところで、全然これは、やっぱり昔ながらのMOTORHEADではないか。と思った。 "R.A.M.O.N.E.S."はもちろんRAMONESに向けた曲で、これに感激した当のRAMONESがこの曲を「カバー」するという微笑ましい出来事もあった。 |
HAVANA BLACK |
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名曲 |
フィンランド産、セカンドアルバム。70年代欧米ロックへの憧憬...のような名作。ホント、悲しくなってくるくらい誰も知らない作品であるが。 オープニングが4分あまり、本当にヒョウヒョウとしたバラードである。続いて飛び出すレッド・ツェッペリン風に腰の重い70年代ハードロック。 しかしさすがに北欧出身の血か、ホコリくささ以上に透明感を感じさせるところはファーストアルバムといっしょ。本当によく聴いて和ませてもらった作品である。 |
第3位! |
SKID ROW |
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名曲 |
メジャーメタルがパワーメタルにもスラッシュメタルにも勝った瞬間の名作である。 ファーストの詰めの甘さ、サードアルバムのヘンテコな威圧感から考えると本当にウソみたいな作品である。ロック歴代、いちばんよく出来たメタルアルバムかもしれない。この総合的なカラーがあるだけでも名作なのに、曲まで素晴らしい。なんせこのゴリゴリのギターサウンドがいつ聴いても快感である。懐かしいどころか、今でも狂える。 (13年5月20日現在) |
第2位! |
ENUFF Z'NUFF |
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名曲 |
私は長い間、ファーストからサードまでしか聴いていない(しかも5年位前に全部紛失)に関わらず、このセカンドはひょっとしたらバンド最高傑作なんじゃないか、などと思っており、実際たくさんのこのバンドのファンの方もそう思ってらっしゃるようで、つまり何を言いたいのかというと、初心者もファンもみんなすべて認める、最高傑作ということである。 リリース当時あまり話題になったという覚えがない。こんな凄いアルバムが。 エアロスミスが87年、アルバム“PERMANENT VACATION”で突き抜けたポップメタル感覚を炸裂させたことにより「再結成の意義成った」と多くの評論家、リスナーに言わしめたが、このアルバムも、ああいうゴリ押しのポップメタルである。 ポップメタルという言葉がこのアルバムを知る前と知った後では、全然違った意味と重みを持つ。 曲部門で言えば90年代5本の指に入るアルバムである。出る時期さえ違ったら、これはひょっとしたら時代を代表したバンドになったのでは。それくらいの名曲集である。 ちなみに“Blue Island”は11作目のタイトルにもなっている。 |
第1位! |
GALACTIC COWBOYS |
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名曲 |
あのKING'S Xの兄弟バンドというフレコミでデビューしたバンドだが、正確にはメンバーつながりではなくプロデューサーつながりだったようである。 とりあえずファーストアルバムからメジャーデビューしたラッキーなバンドだったが、ラッキーというのか必然というのか、同じデビュー作を比較すればKING'S Xのさらに上を行く凄い連中だった。 KING'S Xと同じ道を歩ませようとする製作側の努力はちょろちょろと音にうかがえるが、こいつらのほうがもっと泥臭いサウンドで、そしてヘヴィ・メタリックだった。オープニングナンバーは超強烈である。ブルースロックのフレーズを使って遊んだりもしているが、しかしブルースで20分、30分平気なバンドであることも間違いない。奇抜なサウンドではあるが、真っ正面のスタンダードも演奏できる以上、この裏づけありの厚かましさこそ90年代という時代の産物だったのかもしれない。 こういうサウンド、80年代には絶対存在しなかった。 |