ADAM BOMB
(USA)

 1979年、14歳のときにあのジェフ・テイト(QUEENSRYCHE)とともにバンドを組んでカバーバンドをやっていたという人(WIKIPEDIAより)。
 ファーストアルバムがマイナーな話題になった程度だが、これが必殺の名盤だった。エアロスミス風ハードロックがメタル化したような、痩身でバイオレントなサウンドである。
 一時期ピンク・ギブソン(...)という名前に改名し、GET ANIMALというバンドをやっていたが、2000年過ぎて頭も冷え、またADAM BOMBと名前を戻す。2013年今現在も活動中。

website : http://www.adambomb.com/

wikipedia :
http://en.wikipedia.org/wiki/Adam_Bomb_(musician)

you tube :
http://www.youtube.com/results?search_query=adam+bomb

DISCOGRAPHY

FATAL ATTRACTION (1985)
PURE S.E.X. (1990)
GREVE NEW WORLD (1991)
GET ANIMAL 1 (1999)
GET ANIMAL : NUMBER 2 (2000)
NEW YORK TIMES (2001)
THIRD WORLD ROAR (2003)
  ACOUSTICA (2004)
  BONE YARD (2004)
ROCK LIKE FUCK (2005)
CRAZY MOTHERFUCKER (2009)
ROCK ON, ROCK HARD, ROCK ANIMAL (2009)


FATAL ATTRACTION (1985)



1.SST
2.All the Young Dudes
3.I Want My Heavy Metal
4.You'll Never Know
5.Fatal Attraction
6.Shape of the World
7.Take Me In
8.Russian Roulette
9.It's a Bust
10.Prime Evil
11.Edge of a Dream
12.All's Fair in Rock'n'Roll


g,vo:ADAM BOMB   g:JIMMY CRESPO
bs:PHIL FEIT
   ds:GREGG GERSON
produced by RICK ASHER KEEFER

 これは名盤! 昔レコードも持っていたが(どこかへ紛失)、CD化される際にボーナストラック大幅追加、曲順も全然違ったのでCDも買ってしまった。
 王道のミドルテンポで、チンピラヤクザの空気を放つレコード盤のオープニング(7曲目)も良かったが、しかしこっちのCDのほうが絶対素晴らしい。このオープニングナンバーも、リリース当時はなかったボーナストラックである。若僧の音ながら、エアロスミスに負けるのがわかっていて堂々とケンカ売ってるような、ものすごく偉そうな爆走ハードロックチューンである。
 続く2曲目はこれまたMOTT THE HOOPLEの名曲中の名曲。
 ひっさびさに聞いたが、もうツボ突きまくられた。
 3曲目はマイナーながら当時も話題を呼んだ曲。“I Want My Heavy Metal”、本当にそういう曲である。アメリカンメタルの音を誇るならあまり走ってはいかん、などと思わされるこれも名曲。
 オープニング3連発がとりあえず超強烈で、このインパクトは古臭い云々を超えて今でも絶対通用する。
 一時ジョー・ペリーの代役としてタラコさんに抜擢され、“ROCK IN THE HARD PLACE”というアルバムに参加、そして本格的再編とともにぷいっと捨てられたかわいそうなギタリスト、ジミー・クレスポという人がいた。このアルバムのほうが当然ながら、のびのびと弾いておられる。
 ソロがどうのこうのいうギターではなくて、例えばイギリス人バーニー・トーメにも似たジャンキーなギターサウンドである。
 音質の薄さのわりに非常にバイオレントな雰囲気のするアルバムで、何から何まで個性的でかっこよかった。

初心者おすすめ度 : ★★★★★
    マニアック度 : ★★★
くろくろさん推薦度 : ★★★★★
(5つ★満点)


PURE S.E.X. (1990)



1. Pure S.E.X.
2. Youth Will Lead the Way
3. You Take Me Away
4. High or Low
5. Dangerous When Lit
6. Lost in Time
7. You'll Never Know
8. Fallen Angel
9. Know Your Rights
10. What in the World

g,vo:ADAM BOMB
   g:JIMMY CRESPO
bs:PHIL FEIT
   ds:SANDY SLAVIN   etc...
produced by PHIL TENNANT & NEIL O'CONNOR

 だいたいこういうタイトルのアルバムに傑作はない。
 まずオープニング、こけて頭打つ。頭の上にポッポッとお花の咲いたゴキゲンにエンジョイな曲であり、これでピュアセックスなど言われても、本当に困る。
 アダム・ボムはアホになってしまったのか?と正直不安にならざるを得ない出来。
 アメリカンハードポップとしては評価のし甲斐もあるアルバムであろう。曲はまあまあ良い。アメリカンハードポップとしては傑作かもしれない。
 しかしファーストアルバムのやさぐれたカラーは1、2曲に生きているにすぎない。何という変貌。

初心者おすすめ度 : ★★★☆
マニアック度 : ★☆
くろくろさん推薦度 : ★★

GREVE NEW WORLD (1991)


1. Johnny in the Sky
2. Rock Sex City
3. Doin' the Business
4. Hug Me 'til Ya Drug Me
5. Sister Enemy
6. Grey
7. Hang It Up
8. Magenta Sky
9. Airport Called Sad
10. Down the Hole
11. Can You Hear Me ?
12. Don't Look at My Eyes
13. A Pretty Price
14. Killer Machine

g,vo: ADAM BOMB
   g,bs: STEVE JAMES   ds: DANNY STEINER

 JANE'S ADDICTIONみたいな曲がオープニングで、これまたこける。
 もはやこの時期、ファーストアルバムの印象が過去のものであったのはわかっていたが、それにしても、怒れるアメリカンアンダーグラウンドというカラーはまだ死んではおらず、そこらへんのごった煮の印象をいい意味に解釈すれば、HANOI ROCKSの完全アメリカンスタイル・・・のようなものと思えなくもない。2曲目のかっこよさなどまだまだ捨てがたかった。
 ハードロック風にバイオレントなファーストアルバムのオリジナル色は素晴らしかったものの、以降のアルバムみたいに曲がつまらなければ、90年代メタルの中で闘えるはずもない。ファーストアルバムの音以外ダメだと言うつもりはないけど、鳴り物があったほうが(=レーベルに大きく後押ししてもらったほうが)結果的に素晴らしいものを作ってくれる人だとこのアルバムを聞いた時点で思った。

初心者おすすめ度 : ★★☆
マニアック度 : ★☆
くろくろさん推薦度 : ★★

GET ANIMAL 1 (1999)




1. I'm on It
2. Swingin' on a Star
3. Bought the Farm
4. Hey Hey Nothin'
5. Might Makes Right
6. Miracle
7. Shake the Earth
8. S.S.T.
9. Crash Boom Bam
10. Shotgun (Saturday Night)
11. Countdown
12. Leader of the Gang

g,vo: ADAM BOMB
   bs: K. K. MCKAY   ds: CONSI SPICE

 GET ANIMALという名前の新しいバンドだったはずだが(フロントマンとしてピンク・ギブソンという名前を名乗っていた)、今現在、オフィシャルサイトでも4作目のアルバムとなっている。音楽性はソロと何も変わっていないので、どうでもいい話である。
 新しい店ではなく、これまでの店が華々しく新装開店といった雰囲気の音で、レトロな音全開である(この当時の感覚でも)。ヴァン・モリソンの名曲"Baby Please Don't Go"、AC/DCのファーストアルバム1曲目またはエアロスミス"HONKIN' ON A BOBO"のハイライト曲、あれを堂々とぱくった3曲目などは見事なもので、かと思えば、レトロな音のまま疾走メタルに挑戦しようとしている曲もあったり、何かと挑発的で個性的な音である。
 外国の大きなサイトに、ハノイ・ロックスに影響を受けたなんたらかんたらと書いてあったが、何曲かのギターがアンディ・マッコイみたいな音を出してはいるものの、ハノイ・ロックスとはあんまり関連ない音だと思う。90年代ロックンロールメタル、というひと括りのジャンルの中に入っていた音ではあるが。
 ちなみに、イギリスのKERRANG誌から年間ワーストアルバム大賞を賜ったアルバムである。

初心者おすすめ度 : ★★★★
マニアック度 : ★★
くろくろさん推薦度 : ★★★★

GET ANIMAL : Number 2 (2000)



1. D.W.I. on the Info - Superhighway
2. Pissed
3. New York New York
4. Je Taime Bebe
5. Better Red Than Dead
6. Lights Out
7. Star Crossed Life
8. Cali
9. Nine Times a Day
10. No! No! No! No!
11. Pills
12. Kerrang (Box O'Shite)
13. Faceplant

g,vo: ADAM BOMB
   ds: CONSI SPICE

 KERRANG誌で年間ワーストアルバム大賞を喰らってしまったその次のアルバムが、まったく同じ音である(+12曲目は逆襲)という根性の太いところを見せたGET ANIMAL2作目。
 2000年、業界真正面に配置されるような派手さではなく、ナイトクラブ風の派手な音という個性がこのバンドの売りであるからして、KERRANG誌及び取り巻きを余計にいらだたせる音、怒らせる音である。
 曲も前作同様素晴らしいが、古きよき時代の音を狙ったこの音全体が、2010年過ぎた今では、遥か過去のデモ音源みたいな印象となっている。音質の部分のみについてはここまで凝る必要はまったくなかった。
 3曲目は古いオールディーズのカバーで、名アレンジというか、名曲に仕上げている。こういう技を持つミュージシャンは今の時代は皆無である。

初心者おすすめ度 : ★★★
マニアック度 : ★★★
くろくろさん推薦度 : ★★★

NEW YORK TIMES (2001)



1. Lying with Dogs
2. More or Less
3. Cheyenne
4. New York Child
5. Doom Glorified
6. Walk the Other Way
7. Kick It Out
8. Saluda a Lola
9. Heaven Come to Me
10. Macdougal Street
11. It's Only Rock'n'Roll (THE ROLLING STONES cover)

g,vo: ADAM BOMB
   bs: KENNY AARONSON
ds: BOBBY CHOUINARD
   key: ALAN ST.JOHN
produced by JACK DOUGLAS

 1990年にレコーディングされていたお蔵入りアルバムだそうだが、理由は契約上の何とか。これが本来セカンドアルバムになるはずだったアルバムだろう。ゲストがミック・テイラーにニッキー・ホプキンス、スティーヴ・スティーヴンス、その他大勢、プロデューサーがエアロスミスで有名なあのジャック・ダグラスである。めちゃくちゃ凄いメンツである。
 さて、そこまで渋い音かといえば、、、そうじゃないかもしれない。ジャケットがまるで昔のBON JOVIみたいで、音も正しくBON JOVIの前座みたいな音である。
 曲的には結構充実しており、1曲目、5曲目などかなりの名曲である。ENUFF Z'NUFFのファンなんかおもいっきり響くと思う。
 アンダーグラウンドで高い人気を持つという音でもないし、音楽はまともでも、存在感が不思議な人である。
 今現在の版はどうだか知らないが、私が持ってるCDは、びっくりするが、倒産したはずのあのMAUSOLEUMレーベルから出ている。CDにドジャーンとあの気色悪いロゴが書いてある。

初心者おすすめ度 : ★★★★
マニアック度 : ★☆
くろくろさん推薦度 : ★★★☆


THIRD WORLD ROAR (2003)



1. 911
2. the Beginning of the End
3. Are You a Target?
4. Rocket
5. the Field of Bad Dreams
6. Time Flies
7. Willful Blindness
8. I Believe
9. Get Your Guard Up / Guitarmaggedon
10. Bio-Strike Epilogue
11. Dt6
12. Prayer for Destruction
13. Rebirth of the Earth / Star Spangled Banner

g,vo,bs,key: ADAM BOMB
   ds: TEDDY LEE WOLF   harmonica: SMITTY SMITH

 若さを売る時期でもなくなり、名作であるファーストアルバムと比べると露骨に角が取れた音になっている。だから情けない音になったというわけではなく、音楽に何らかのシンボルを込めない、真っ直ぐなエンターテイメント性が表現されている。田舎道を車でも転がして聴きたいような、のどかな印象すらある。
 これだけギターを自在に操るミュージシャンなら、普通あれやこれやと語るものだが、この人は全然語らない。賢そうな音楽が賜る偏差値の高さというのか、そういうものとは無縁の音で、みんなが大好きな「点数」すら関係のない世界かもしれない。シンプルの素晴らしさをアピールする気もなさそうである。
 ただ真っ直ぐに、普通のハードロックである。音の部品は例えばエアロスミスなんかと同じだと思うのだが、エアロスミス程度に凝った雰囲気もない。全然売れなかったアルバムだと思うが、それなりに起承転結もあるアルバムであり、聞いていて決して退屈なアルバムではない。傑作とは言えないが、私は非常に好きなアルバムである。

初心者おすすめ度 : ★★★
マニアック度 : ★
くろくろさん推薦度 : ★★★★

ROCK LIKE FUCK (2005)


1. the Big Event
2. Life's a Bitch and Then You Live
3. Stranded
4. Shattered Smile
5. If This Is Love I Want My Money Back
6. Jimmy Brown (HEAVY METAL KIDS cover)
7. I Wanna Forget You (Just the Way You Are) (STIV BATORS cover)
8. Backbiter, S.U.S. (RUTS cover)
9. Lie Down and Die
10. Mess Around
11. Rock Like Fuck

g,vo,key: ADAM BOMB
   bs: GARY TAYLOR MOORE   ds: THOMMY PRICE

 ライブアルバム2枚続けて出したあと、前作"THIRD WORLD ROAR"に続くスタジオアルバムであるが、またこんなタイトルである。たった3語のシンプルなタイトルながら、こんなタイトルをアルバムにつけたミュージシャン、バンドは私は他に知らない。伏字もなしである。
 ファーストアルバムの時期のいかつさを取り戻したいという意気だと思うが、年齢ゆえか、音楽性からいい人ぽさがどうしても抜けないという感じで、アルバムのセールスに露骨に影響してしまっただろう悪いアルバムタイトルである。
 シンプルなロックンロール路線+たまに意外な曲が出てくるという音はこれまでとまったく変わらず。アップテンポの曲が本当にHANOI ROCKSみたいになってきた。
 FOREIGNERが酔って階段から転げ落ちたような3曲目"Stranded"は名曲。

初心者おすすめ度 : ★★★
マニアック度 : ★☆
くろくろさん推薦度 : ★★★

CRAZY MOTHERFUCKER (2009)


1. Crazy Motherfucker
2. King of the World
3. Angry Angry (JOHN PAUL JONES cover)
4. Let There Be Rock (AC/DC cover)
5. Broken (BOB DYLAN cover)
6. Desires on You
7. Siete Lonchas
8. 9.11.2010
9. Zoll

g,vo: ADAM BOMB
   bs: PAUL DEL BELLO   ds: FUCKER

 デビュー時から、曲、演奏という一番大事な部分において、このミュージシャンはかなりの常識人で切れ者である。
 ただただ、いつもいつも、アルバムタイトルがアホである。俺はクレイジーマザーファッカーだ!と歌っているので問題はなかろう。ただ、ロックンロールスタイルと紹介されている場合が多く、こういう言葉は覇気でも何でもなくただのアホ語となる。聞かない人が聞かないままで終わってしまうじゃないかと。ドラマーの名前もまた。
 相変わらず深みのない音だが、深みがあるほうがおかしい音楽性なので、これでいい。曲は結構いい。ジョン・ポール・ジョーンズの3曲目など聞けば、実際凄い腕のギタリストであることがわかる。全然音を触らないギターだから曲によっては注意して聴かないとわからないが、どの曲も、ソロはかなり速い。速いだけじゃなく音階がぎっしり詰まっている。ジャケットは確かにギタリストであることをアピールしているようだ。
 それにしても歌声が年々若返っているのはどういうわけか。このアルバムでは20代のボーカリストと聞いても余裕で通用する。

初心者おすすめ度 : ★★★
マニアック度 : ★★
くろくろさん推薦度 : ★★★☆

ROCK ON, ROCK HARD, ROCK ANIMAL (2012)



1. Avalanche
2. Rocklife
3. Doctor 666
4. Powerhouse
5. Straight in the Tank
6. Stay Connected
7. One Punch Can Change the Fight
8. Float on by
9. Last Night on Earth
10. Anti-Social (TRUST cover)

g,vo: ADAM BOMB
   bs: PAUL DEL BELLO   ds: VIOLET CANNIBAL

 主要メンバーは3人だが、総勢9人のミュージシャンが参加している。(知らん人ばっかり...)
 90年代のロックンロールスタイル風ににぎやかな曲が増え、しかし印象的にはあれほどアホ丸出しであった90年代のパーティーロックも、この人がやるからアホに聞こえないのか、または最近では珍しいからかえって新鮮なのか。若いリスナーが聞けば新鮮だと思うのは間違いない。
 今回、ジャケットは露骨に「路上」であるが、ストリートロックの(ほとんど)第一人者であること、そこに気迫と気合を込めて制作されたアルバムだろう。これまでのアルバムと勢いが違う。ヘビー級サウンドではないが、ライト級ボクサーの真のパンチ力は大男のパンチ力など軽く上回る。これはボクサーのハードロック、メタルかもしれない。この人の得意技のひとつであるが、バラードでもしっかりロックである。
 素晴らしいのがラスト曲。かなり意外な選曲だが(元はフランス語)、英語でありながらアンスラックスとは全然歌詞が違う。サビはTRUSTのフランス語原曲バージョンそのまま。ほんまにこの曲はかっこよすぎである。(YOU TUBEでライブバージョンが見られます)

初心者おすすめ度 : ★★★★
マニアック度 : ★☆
くろくろさん推薦度 : ★★★☆

 

 

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