ちなみに「駄作ポイント」は拙僧の意見じゃございません。
リリース当時、そういう風に見られていたという事実です。
誇張もたまにありますが。


〜I

その一

IAN GILLAN “NAKED THUNDER” (1985)

駄作ポイント

久々のソロアルバムだというのに・・・

文句垂れた人たち

そりゃ期待していた人に決まってます。

 別にハードロックやらなくても結構。ソロアルバムだから。おっさんロックでも大いに結構。おっさんだから。
 でも、こんな平坦な作品は作ってほしくなかった。本職以上に完成度も高く、すごく耳さわりのいい音であるが、だからといっていいアルバムとはならない。日和(ひよ)るならもっと徹底的に日和って、暴れるならもっとぎゃあぎゃあ叫んでほしい。和気藹々とした雰囲気が伝わってくるのはいいのだが、リスナーが中に入っていけないような和気藹々は駄作の素である。

かばった人たち

マニアックな方。

ショボい...

メタル度

曲によってはOK、あかんのはあかん

いちげんさん愛想度

似合わずあり過ぎ。

固定客満足度

こ、こんなもんですか?

和尚様曰く

駄作とまではいきませんが。



その二

ICED EARTH “NIGHT OF THE STORMRIDER” (1992)

駄作ポイント

ひょ、評論家にダマされた。(私は、ですよ)

文句垂れた人たち

ぼく。ぼくの知り合いのMくん。

 メロディーないし、バタバタし過ぎですんなり曲が進まん。この2作目は日本でも雑誌で絶賛されてたけど、これ以上に絶賛できるマイナー作品はこのアルバム以前になんぼでもある。大仕掛けなそれ風のオープニングも、なんか安っぽい。一応正統派らしいけど、こんなに真っ直ぐ進まない音が正統派なのか?
 ま、ファンは結構多いバンドなので私の言うことは信用しないでくだされ。

かばった人たち

評論家筋をはじめ、ちょろちょろいたかと。

気合いのわりには印象に残らん。

メタル度

力は入ってますが。

いちげんさん愛想度

あるようなないような。

固定客満足度

−−−−−−−

和尚様曰く

バタバタせずにもっと落ちつきなさい! 近所迷惑だ!



その三

IMPELLITERRI “GRIN AND BEAR IT” (1992)

駄作ポイント

なんでこんなモダンな音になった?

文句垂れた人たち

様式美メタルファン。

 90年代様式美をリードするミュージシャンと期待されていたので、早々路線変更したことがいけなかったようだった。
 音的には決して悪くなく、「別の人がやれば誉められたところをこの人がやったから叩かれた...」パターンの作品だろう。傑作の趣きは感じられないにせよ、この路線でいっても何作後かには傑作、名作級の作品ができたかも、と思う。

かばった人たち

若干いたと思います。

そんなに悪くない。

メタル度

パワーはある

いちげんさん愛想度

まあまあ。

固定客満足度

さて??

和尚様曰く

中古盤屋で買うくらいの価値はあるんとちゃいますか。



その四

INTRUDER “PSYCHO SERVANT” (1989)

駄作ポイント

前作に比べあまりにフツーすぎ。

文句垂れた人たち

そりゃあ前作買って感激した人でしょう。

 見かけは(おそらくルックスも)前作よりもよくなったようだが、そこそこ名が売れれば音楽面以外にもいろいろ気合いを入れなければいけないことも多くなって、それで失敗したというマイナーメタルバンド凡作の好例(少しも「好」ではないが)かもしれない。
 こういうパターンに陥るバンドの人たちって、人間的にはきっといい人が多いと思う。
 貧乏予算で出したファーストが売れる→そこから人の輪が広がる→より大きなレーベルへ移籍(あわよくばメジャーレーベルへ)、となると、いい人なら気を遣わなければならない人の数も増え、本来何も介在してはいけないミュージシャンとその人が作る音楽との間にいろんなものが雑多におかれることになるのだろう。
 それががんばるぞという発奮材料になることもあれば、大きなプレッシャーになることもある。決して悪気のある作品ではないのだが。

かばった人たち

知りません。

全然印象に残らん。

メタル度

最低限のパワーはあるが。

いちげんさん愛想度

まあまあ。

固定客満足度

次、いこか。

和尚様曰く

無難すぎるヘヴィ・メタル。




和尚特選!
その五

IOMMI “IOMMI” (2000)

駄作ポイント

なぜ今風の音などやる!?

文句垂れた人たち

今風の音嫌いなリスナー。特に男のリスナーがこういう場合よく怒る。

 もちろんブラック・サバスのトニー・アイオミである。
 と書かなければならないくらい、意外すぎる1枚だった。
 この人とヘンリー・ロリンズ、FOO FIGHTERS、ビリー・コーガン、ビリー・アイドル...との合体なんて、聴く前は悪夢だったが、しかし音を聴けばこれが、70年代ロックから今のロックまでずっと耳を傾けてきた人間にとっては悪夢どころか、誠に夢そのものの世界だった。トニー・アイオミらしさ、不器用に重々しくギターソロは細い音、そういうならではの個性に一切陰りも何もない。
 トレンドがOKか駄目か、中年リスナーにとってはそれを判断するサウンドになるだろう。
 そしてこの音を攻撃する連中は狭い部屋で古臭い夢語っておればいいのではないか。
 トニー・アイオミが、この人を尊敬するミュージシャンを味方につけてロックシーンの頂点に再び登ってみたいと思って、一体何の無理、何の不思議があるのだ。

かばった人たち

耳に正直な人。

良い。

メタル度

たっぷり。

いちげんさん愛想度

この人が作ったとは信じられないくらい愛想よし。

固定客満足度

満足した人間しなかった人間半々。

和尚様曰く

今の爆音ロックが好きではないファンにあてた、
壁を取っ払ってくれる効用もあり。名作!!




和尚特選!
その六

IRON MAIDEN “SEVENTH OF A SEVENTH SON” (1988)

駄作ポイント

メイデンらしくない。オープニングに大ショック。
シングル曲くそポップ。タイトル曲プー。

文句垂れた人たち

いつまでも戸惑っていたリスナー。

 なんせこのバンドが、かのアイアン・メイデンが、オープニングで弾き語りである。弾いている人間と歌っている人間は違うが、それでも弾き語りである。
 初めて聴いたときはそれはもう大いに戸惑ったが、さて、肝心要の曲の方はどうかというと、悪くない。
 めっちゃくっちゃポップな曲もあったりして、一体何をそこまで掘り下げたいのか、よく伝わらない部分もあるが、物語より先に音楽ありきと考えるリスナーには、戸惑いから抜ければ結局かなりの満足感があったと思う。

かばった人たち

評論家若干、長期的にはリスナー大多数。

良い。

メタル度

ポップすぎる何曲かはいらんが。

いちげんさん愛想度

かなり!

固定客満足度

さすがの味と唸る固定客もおれば、老舗を守れと怒って帰る人もあり。

和尚様曰く

このバンドに駄作はない! いや、次に紹介する作品を除いて。



その七

IRON MAIDEN “THE X FACTOR” (1995)

駄作ポイント

駄曲ぞろい。

文句垂れた人たち

こりゃ仕方ないだろうという感じで多くのファンも見捨てた。

 この作品が何を言われようと、他の作品同様の曲質を備えていたなら、後のブルース・ディッキンソンの出戻り劇もなかったかもしれない。
 オープニング曲は確かに素晴らしい(歌が入るところはゾクっとくるほどかっこいい)が、それ以降のあまりの退屈さをどないしてくれんねんという感じ。
 “PIECE OF MIND”のころは説得力あったスティーヴ・ハリスのお言葉も、この作品に関しては説得力なかった。“SEVENTH SON 〜”を速攻気に入った耳からしても、この作品だけはつらかった。ブレイズ・ベイリーのせいではない。単純至極、曲がつまらなかった。ブレイズ・ベイリーには同情する。

かばった人たち

すべての作品を平等に愛するのだと聴く前から決めている熱狂的マニア。

オープニング曲はカッコいいけどそのあと急に穴から落ちたようなつまらなさ。

メタル度

これは情けないでしょう。

いちげんさん愛想度

結構あったりして。

固定客満足度

店間違えたかな?

和尚様曰く

これは駄作である。
おもしろいことに、ブレイズ・ベイリーは今もバリバリのメタルで頑張っております。
ご存知、アイアン・メイデンは失速中。



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