ちなみに「駄作ポイント」は拙僧の意見じゃございません。
リリース当時、そういう風に見られていたという事実です。
誇張もたまにありますが。

〜N

その一

NAPALM DEATH FROM ENSLAVEMENT TO OBLIVION” (1988)

駄作ポイント

これほどめちゃくちゃな音楽がかつてあっただろうか。

文句を垂れた人たち

運悪く聴いてしまった人。

 これはセカンドアルバム。
 グラインド・コアの聖典とされている作品であるが。
 ドマイナーのグラインドコアの中には今でもこんな音を出しているのもいる。
 私のように、家に来た人間を驚かせる小道具として使ったりせず、ごく普通に音楽として聴こうとするなら、常人とかけ離れた感性を必要とする。死体のジャケットがほおずりしたいくらい好きな変態さんはぜひどうぞ。
 とか言いながら、市民権を得てしまったのだから、当序からすれば信じられない思いである。今現在、このアルバムを聴いてみれば、確かにしっかり、10分も経たずに聞くのをやめるけど、昔みたいな嫌悪感がないのが不思議である。
 ちなみに今現在のNAPALM DEATHは超スーパークールなエキストリームメタルバンドである。

かばった人たち

グラインドコア・マニア。

曲ですか? これが。

メタル度

人間オーバー

いちげんさん愛想度

ゼロ以下。

固定客満足度

これに満足する人、人間ですか??

和尚様曰く

アンダーグラウンドの極み。



その二

NECRODEATH INTO MACABRE” (1987)

駄作ポイント

人を怒らせるためにあるアルバムか!?

文句を垂れた人たち

普通の耳持ったメタルファン。

 VENOMやBULLDOZERをクサレメタラーの愛を大きく持ちながら、さんざん笑い倒し、その笑った分だけ元取れたわいと思っているリスナーならこのアルバム、買って損はないと思う。
 鉄クズいっぱい乗せた大八車が車輪片方取れて坂道転げ落ちているかのような、壮絶なまでのくそメタルである。
 イタリア、あのSADISTのプロジェクトバンドとして少しは有名かもしれないこのバンド、しかし正しくはSADISTの前身である。
 90年代後半以降、非常に冴えたデスラッシュを聴かせてくれるが、80年代のこれらの作品はまだまだあんな域じゃない。師匠はずばり、初期BULLDOZERという壮絶な世界である。笑います。

かばった人たち

くそメタル愛好者。

曲も何もあんた...

メタル度

気合入ってるのだけは確かです。

いちげんさん愛想度

ゼロ。気持ちいいくらいにゼロ。

固定客満足度

わはは

和尚様曰く

駄作も徹底すれば、明らかに何か別の味が出てくるぞ。



その三

NINE INCH NAILS THE FRAGILE” (1999)

駄作ポイント

おいCD屋、そこまで言うほどの名作かこれが!?

文句を垂れた人たち

これが理解できない人。

 2枚組の大作。クソ高い日本盤しかなかったら敬遠した。輸入盤で安かったから買った。
 しかしこれ、メタルだと思って買ったら怒るでしょう、誰だって。私個人的には「きっと理解できないだろう」なんて思いながら買ったので、意外に良かった。どなたかが言うほどメロディーレスではない。
 音的に詩的な部分というのか、何とも間延びしたように感じるところもあるが、それは英語をダイレクトに理解しない人間の言い草でしょう。
 でも2枚組の収録時間はやっぱり長すぎるが。

かばった人たち

これが理解できた人。

何とも...

メタル度

何とも...

いちげんさん愛想度

全然わからん。

固定客満足度

ファンは拍手大喝采でしょう。

和尚様曰く

理解できないと思って遊び金で買ったら、結構楽しめたアルバムでした。



その四

NIGHT RANGER MAN IN MOTION” (1988)

駄作ポイント

駄作扱いされていたわけではありませんが、出たか出たのかわからなかったくらい目立たなかった作品。

文句を垂れた人たち

極悪人。

 このバンドが純粋に80年代メタルだったのはセカンドアルバム“MIDNIGHT MADNESS”までで、その後はメタルバンドとしての姿よりも、ずっと出で立ちの大きい大衆ハードポップサウンドで大成功する。
 人が歳をとって円熟味を増すように、ハードポップサウンドも円熟の境地へ、完全にメタルファンのチェック外になってしまったころにリリースされた作品がこれ。
 もちろんメタルファンにはおすすめとはいかないが、曲の素晴らしさをしてさすがナイト・レンジャーと唸らせる作品である。
 円熟のサウンド、生まれたときからそういうスタイルを持つバンドが、90年代にはいっぱい出てきたが、ナイト・レンジャーを聴いていた耳には、雰囲気だけ作ってもあかんで、なんて思わせるバンドがほとんどだった。

かばった人たち

ロック聴いて感動できる耳をちゃんと持った人。

結構いいです。

メタル度

合格!!

いちげんさん愛想度

まあまあ。

固定客満足度

さすがのこの味。

和尚様曰く

いいアルバムです!



その五

人間椅子 “退廃芸術展” (1998)

駄作ポイント

だらだらだらだら....

文句を垂れた人たち

わしおよびぼくのまわりの人間。

 このわけのわからなさが素晴らしいんじゃないか、といった人もいたが、「わけのわからないバンド」ではない。
 走る曲のブチ切れ具合、ミドルテンポの重圧感、スローテンポの酔い、バンド像としては満点級のバンドである。海外のどこに出しても誇れるバンドだ。
 それが、この作品ではなんかこう、えらいわかりにくくなった。曲あっての歌詞だと思うが、曲がだらだらしている分、歌詞のインパクトが何とも音楽離れした妙なモノを感じさせて、こういうスタイルは勘弁と思った。
 ま、仮にこれが駄作であるにしても、このバンドの屈強なステイタスに何ら陰りは生じない。

かばった人たち

いっぱいいたんじゃないですか。

このバンドにしては全然つまらなかった。

メタル度

情けなくはないですが...

いちげんさん愛想度

全然ナシ。

固定客満足度

説教の多い店主じゃ...

和尚様曰く

歌詞あっての曲と思う日本人的ロック感覚の持ち主にはそれなりの楽しみ方があるかと。



その六

NIRVANA IN UTERO” (1993)

駄作ポイント

最初からメタルだと思って聴いているわけじゃないんですけど...

文句を垂れた人たち

バチ当たり人間のぼく。

 偉大なミュージシャンを襲った悲劇。
 確かにこのバンドの場合も悲劇以外の何物でもなかった。
 でも、このへん、私はホントよくわからんのだが、なんで、雑誌その他で「泣く」人が出てくるのか?
 知り合いが死んだりしたら、それはもう当たり前に悲しいが、個人的に話したこともない人が死んで、何で泣く?
 泣く人の悪口を言っているわけじゃない。大きな想い入れが崩れれば、泣くのも当然の行動だろう。泣くという行為そのものを不思議とは思わない。
 ただ、ミュージシャンが亡くなるたびに、私泣きましたよ、というアピールが何か、最大限の賞賛と曲解されている変な風習が不思議なのだ。
 話は飛ぶが、「ジョン・レノンが死んだとき、ぼくは夜通し泣いた.....」(←評論家およびそれ風の連中がよく使う、省略のニュアンスではない、自分の思い入れを理解しろというニュアンスを持った実に強引な『.....』)、なんて言う人、すごい常識人に思える。ミュージシャンの心を美しく持ち続けているように見える。
 それが嘘くさいのだ。
 70年代ミュージシャンなんか最近になってコロコロ亡くなっているが、そんなニュースを聞いて、例えば夜通しその人のレコード、CDを聴いたり、そういうことは私もあったりする。
 でも、そんなときの大きな心の喪失感が、「私泣きました.....」という通り一辺倒のフレーズで言われるのが、なんかいらっとくる。
 泣きました、泣きましたと誰にでも言ってるような人が実は、最新アルバム1枚だけしか持ってなかったりして。そういう奴、私知ってるもんですから。
 で、このNIRVANAの作品、遺作にしては、シビアなこと言って申し訳ないが、あまりに中途半端である。
 ど、どこが90年代ベストミュージシャン? 何もメタルじゃないからダメ、ってそんな身勝手なこと言うてない。
 しかし、これを誉めることが「私には一般以上の、最新の素晴らしい音楽観があるのだ」という風潮が、リリース当時そしてあの悲報以降、露骨に感じられた。
 これ以上のロックアルバムはいっぱいある。
 “NEVERMIND”は傑作だったが。

かばった人たち

うじゃうじゃといっぱ〜い。

つまらんよ。

メタル度

「根性」でいえば決して情けない音じゃないんですけど。

いちげんさん愛想度

教科書的には「ない」と断言できますが、今風にいえばすごく愛想ある音なんでしょうね。

固定客満足度

おもしろないからオレ帰る〜

和尚様曰く

特にメタルファンは避けたほうがよろしかろう。聴くなら前作“NEVERMIND”を。



その七

NOTORIOUS NOTORIOUS” (1990)

駄作ポイント

SEAN HARRISがロバート・パーマーになっちゃった!!

文句を垂れた人たち

ダイアモンド・ヘッドのファン。

 ロビン・ジョージというギタリスト兼シンガーはフィル・リノットとも信仰のあったミュージシャンで、80年代何枚かソロも出していたが、どれもとにかく、軽かった。デュラン・ヂュランの音を一人で出している、という印象があった。
 90年代、お仲間に誘われてしまったのがブリティッシュメタルの伝説ダイアモンド・ヘッド、デイヴィッド・カヴァーデールも真っ青のファルセット唱法でリスナーの度肝を抜いたSEAN HARRIS。
 いきなりロバート・パーマーになっており、驚いた。最初からロバート・パーマー風のロックだと思えば、決して質は悪くないと思うのだが。
 そういえば同時期、ダイアモンド・ヘッドのギタリストBRIAN TATLERもRADIO MOSCOWというバンドで、どういうわけか同じような音を出していた。(あれも駄作かもしれない)

かばった人たち

ロビン・ジョージのファン。

今風。

メタル度

アホか

いちげんさん愛想度

ありまくり。おまえはファーストフードの店員か?

固定客満足度

ムムム...

和尚様曰く

SEAN HARRISのファン、そりゃ怒るじゃろうて。



その八

NUCLEAR ASSAULT OUT OF ORDER” (1991)

駄作ポイント

爆発力、突進力のなさ。

文句を垂れた人たち

普通のメタルファン。

 いや、爆発力も突進力もあるのだが、音質は悪いし音の抜けも悪い。このあまりのマイナーくささはメジャー世界へ魂は売らんぞ!という意図的行動かもしれないが、前作を聴く限り、なんでそんなことしなければならないのかと思った。
 ダン・リルカだけに注目すれば、この後すぐに結成するBRUTAL TRUTHの布石になったサウンドととれないこともないが、でもこれ、全然楽しめない作品である。

かばった人たち

なぜか雑誌では全然悪く言われてなかった。

ヘぼい。

メタル度

これまでの作品と比べるとおもいっきり情けない。

いちげんさん愛想度

ゼロ。

固定客満足度

ムムもうちょいいいもの食わせてよ。

和尚様曰く

ニュークリア・アソートとは思いたくないなあ。
タイトル通りホント「故障中」みたいな音。



その九

NUCLEAR ASSAULT SOMETHING WICKED” (1993)

駄作ポイント

ダン・リルカのいないNUCLEAR ASSAULTなんて...

文句を垂れた人たち

と思った人。

 ダン・リルカが主役のバンドだったかもしれないが、実のところ、音の主役はボーカルであり、ギターだった。ベースではない。ベーシストが抜けたからといって音そのものはそんなに変わるわけじゃない。
 大体これ、NUCLEAR ASSAULTじゃないなんて言ってたやつ、グレン・エヴァンズのソロ(特にファースト)聴いたことあるのか。
 確かにハードコアパンク度は薄れたが、メタル度はこれでいて申し分なし。前作の"OUT OF ORDER"、あれよりは遥かにこっちのほうが素晴らしい。ドラムの音が素晴らしく、これは突進力を誇るメタルの定番的音である。

かばった人たち

ちゃんとメタル耳持った人。

結構良いぞ。

メタル度

OK!

いちげんさん愛想度

以前に比べれば愛想がある。

固定客満足度

固定客の評価は二分。

和尚様曰く

「らしさ」だけがアルバムの評価ではない。




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