第40章


 廊下に出た名倉と大須川。

「中、ノリノリですね」
「最後の最後に80年代の曲じゃない、とかカタイことは言わん。選曲としてはあれで、ま、間違ってはおらんね。メガデスはまたまた私のチョンボで選曲忘れてたし」

 クラ〜ッシュ、という観客の大合唱。

「照明2個で、凄いな。さっすが、女王様」
「時間、どうなってます?」
「あと2分で8時30分。スタッフがあわただしく動いてる」
「つまり、LEYNA様に締められてしまった、ってわけですか」
「ホントの本当に、番組をジャックされてしまった。何がLEYNAだ。目ぇオバケめ」
「そういえば大須川さん、関西の人ってどうして、目を目ぇ、歯なら歯ぁ、手なら手ぇ、どうして伸ばすんです?」
「大阪の先祖にでも訊いてください。しかし腹の立つ。私は情けない」
「でもLEYNAさん、次にパート2、パート3をやってくれるよう、ここの社長に掛け合うって言ってくれたじゃないですか」
「そのたびにこうして、締められてしまったんじゃたまらんですよ」
「いいじゃないですか。主役は俺たちじゃなくて、80年代メタルなんですから」
「...そうですね。名倉さんの言う通り。あんたとはほんまに馬が合う。朝までメタル談義と行きますか」


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